遍照山 瑞祥寺 (真庭市下砦部717-1)

本尊 五大明王

開基 平成六年四月十六日

平成六年四月十六日に落慶し、晋山

 中国自動車道北房インターから国道川号線を西に進むと、北房の町内に入る。満奇洞方面と阿方面との二叉路を満奇洞方面へ約百メートル進んだところにある橋を渡ると右側に遍照山瑞祥寺がある。平成六年四月十六日に落慶し、第十一番恵重寺(新見市正田)の西嶋妙英住職が初代に晋山した。
 同寺建立の経緯は、現在同寺の主管として〃堂守〃をしている大橋瑞昌尼の信仰心によって縁が結ばれ実現した。昭和九年、夕漢町に生まれた瑞昌尼は、昭和三十二年に西嶋住職の導きによって、三密学園で知られる四国愛媛県の香園寺の子安遍照会に縁をもった。四十一年から長女、次女が相次いで難病を思い、瑞昌尼の信仰はこれを縁として一層深められていった。
 やがて、本尊として大日如来、脇仏として弘法大師と不動明王を迎え、苦難を超えた信仰心は自然に周囲の悩める人々をも導くようになった。瑞昌尼は昨年、高野川で得度。同時に、西嶋住職との縁で山梨県北巨摩郡明野村三之蔵九二三、同宗宝蔵寺の柴田弘仁住職らと知り合い、総代や世話方の協力によって新寺建立が実現した。
 四月十六日の落慶法要と普山式は、第一番光林寺の清水真澄住職を導師に組内寺院の出仕により厳修。来賓には備中と広島の両宗務支所長らが出席。また、法要には本山の高野山から竹内崇峯管長、新居祐政宗務総長、常岡弘雄内事長、真言律宗の松本実道管長、信貴山真言宗の野沢密厳前管長、真言宗御室派の小林隆仁前門跡、その他高野山関係寺院からの祝電が届けられた。

年中行事

毎月16日 鎮守の縁日 1月・5月・9月の16日に護摩供

『高野山真言宗備中寺院めぐり』より