宝永山 真如院 聖雲寺(倉敷市連島町矢柄5634)

本尊 十一面観世音菩薩

開基 平安前期理源大師聖宝

中興 1704年純誉法印

理源大師聖宝によって創建  

 高梁川に架かる霞橋の東側に標高161.9メートルの大平山がそびえている。この大平山の南斜面中腹に宝永山真如院聖運寺がある。同寺のある大平山の南側の麓の平野には、連島の町が広がっている。
 聖運寺の創建は平安時代前期(九世紀頃)とされている。聖運寺の北隣に位置する宝島寺(真言宗御室派)は、名僧として知られる寂厳和尚が住職を務めていたことで知られている寺院。古くからこの一帯は宝島寺を中本寺として栄えてきた。
 聖運寺は西隣の慈眼院と共に、宝島寺の塔頭寺院として、宝島寺と同じく京都・醍醐寺を開創した理源大師聖宝によって創建されている。宝島寺が建立されたのが貞観元年(859)のこと。同じ年か、若しくはその後数年の間に創建されたと推測されている。これらの由緒ある三ヵ寺の伽藍がめぐる聖運寺一帯の様子は、当時の繁栄ぶりを今に伝えている。
 聖運寺の伽藍中、客殿は江戸時代中期の宝永元年 (1704)中興純誉法印の代に再建、庫裡は寛政四年(1792)頃大慧法印代の再建である。
 連島西国十七番札所の観音堂は元文五年(1740)清意法印代の創。山門は文久二年(1862)の再建である。
 本堂は宗祖大師千百五十年御遠忌記念事業として昭和五十九年戒幢僧正の代の創建である。この本堂に祀られる本尊は十一面観世音菩薩。脇侍に毘沙門天、虚空蔵菩薩、地蔵菩薩等を祀る。
 聖運寺は通称真如院として地域の人たちから親しまれて通常法務の外、虫封じ、安産、祈祷、厄除け、建築、移転、結婚、選名、小児虫封じ、その他諸相談にも応じている。境内には地蔵尊、修行大師の銅像が建設してあり、近隣の参拝者は絶えない。連島西国第十七番札所菩陀落山六婆羅密寺にもなっている。

年中行事

正月7日 正修会、毘沙門天護摩供養信徒祈願 2月3日 一般節分会護摩供修行
2月15日 お涅槃祈願会 3月21日  正御影供
7月10日 4万六千日観音縁日接待供養 8月中 萬霊供養、盆行、施餓鬼会、巡回大師講
その他 春秋彼岸行等

『高野山真言宗備中寺院めぐり』より