宝島寺(倉敷市連島町矢柄5633)

 この寺は聖宝(理源大師)が開山した由緒ある古寺であるが、江戸中期の名僧寂厳(1702〜1771)が二十有余年も住職をした寺として知られている。

 寂厳は備中足守(岡山市足守)に生まれ、同国真金(岡山市真金)の普賢院で修行した。後に梵字と書道で有名になった。
 この建物のなかで、仁王門(市指定)は、当寺が慶長年間(1596〜1614)の火災によって消失したとき、難をのがれた室町初期の建立と推定される。
 また、寺宝に仏頭(県指定)がある。高さ34.2センチ、面長19センチ桧材に漆をかけて彩色した大日如来。鎌倉前期の秀作である。

市川俊介著『岡山の神社仏閣』より