神遊山 神官寺 金剛院(倉敷市玉島道口3082)

本尊 愛染明王

開基 寛和元年

中興 明治七年有智大和尚

花山天皇の勅願で創建

 JR山陽本線新倉敷駅の北口から県道倉敷矢掛線を西に向かって約2キロ。山側に山陽自動車道と桃園が見えるその麓に神遊山神宮寺金剛院がある。同寺正面に は、金剛院が経営し、松峰住職が園長を務めるルンビニ保育園がある。
 金剛院は、鎌倉初期の寛和年間(985−987) に智空上人によって開山されたと伝えられている。本尊は愛染明王。創建当時のもので秘仏とされている。
 かって倉敷市足立山に神遊山神宮寺があり、その山内寺院の一つが金剛院であった。
 神遊山神宮寺は、花山天皇の御勅願によって寛和元年(985)に智空上人によって開創されている。その後、永禄年間(1558−73) に西阿知に移転。さらに寛文年間1661−73)になると玉島富田地区の干拓が進み、檀家が入植し移住していったため、明治初期になって高梁川から東にある壊家は、他の寺に預け、そして、金剛院が西阿知を離れ現在の場所に移転した。そこで、学校に使われていた建物を用いて伽藍を構えている。また、玉浅三十三観音霊場の十九番札所でもある。
 金剛院の本堂に入ると、内陣と外陣の高さの違いに気付く。その差は約一メートル。もともと古くから在った内陣に外陣を新しく増築したためとのこと。
 現在、金剛吋院のシンボルとなっている山門の高さは、手前の道路から約10メートル。大きな鐘楼門である。この山門と境内にある地蔵菩薩と不動明王の二つの仏庭は、松峰住職の晋山式に合わせて平成五年に新築落慶されたものである。
 ルンピニ保育園は昭和三十年頃から本堂を使って始められた。昭和五十三年に社会福祉法人となり現在約六十人の園児が、保育されている。

年中行事

1月1日より 新年祈祷(21座) 4月8日 花まつり
6月 青葉祭り 9月26日  土砂加持法要

『高野山真言宗備中寺院めぐり』より