松尾山 松本寺理性院(備前市吉永町南方1338)

本尊 薬師如来

縁起

 国道二号線伊里中から北へ真っ直ぐ一本道、国宝閑谷学校から二キロの松尾山松本寺。
 杉と桧の古木がそびえる松尾山麓の緑をバックに横に百米の石垣と白い練塀は量感である。
 この寺が開かれたのは遠い昔、奈良時代天平元年己己(西暦729)と、伝えられています。
 開創の後盛衰を重ね、建治年中に霊叟上人が中興、僧坊を建てました。何時のころか恩徳山覚教寺を併合していますが、室町までほとんど記録がありません。
 天文年中現地に本堂が新築され、江戸時代に入って寛文六年、黒沢山満願寺を合併して現在に至っています。
 元禄のころから二十数年がかりで、堂宇の整備がなされ、現在の景観となりました。

 しかし、明治改革で衰退、明治十六年春晴上人住して復興に力を尽くしました。
 又、昭和の革命で、田畑のすべてを失う等、困難がありましたが、戦後四十数年ようやく元禄の昔の姿に戻り、今に至っております。
 本堂はすべて江戸時代の再建だが、白塀のうちに本堂、客殿、庫裡と並ぶ寺観は実に、大寺の風格である。天平元年、行基開創と、寺伝にある。

年中行事

元旦 大般若護摩供養
二月三日 星まつり節分会
七月二十四日 地蔵盆千灯供養
八月十九日 施餓会
十一月二十一日 お砂ふみ(四国霊場)

寺宝・文化財

・薬師如来
 
平安(県重文)桧の一本造りで優しく慈愛に満ち、量感豊かでふくよか、ほれぼれといつまでも拝んでいたい御仏である。
・四天王立像
 
平安の地蔵尊、四天王、十二神将の個性的力強さは目を奪うものがある。いずれも鼻高く耳豊か、口、目もとすずしく皆、なかなかの美男である。
・宝篋印塔

 境内には室町の宝篋印塔、千体地蔵が並び、子供をなくした母親の信仰を集めている。
 特に毎年七月二十四日は千灯供養、数千のローソクが一斉に灯せれて、さながら此の世の浄土、一度は子供連れでお詣りしてみて下さい。