恵日山 高顕寺(備前市吉永町加賀美1220-1 )

縁起

 JR吉永駅から吉永の町を抜け、八塔寺川に沿って北上し、三国地区、滝谷地区から右折し八塔寺に向かう。
 八塔寺は、播州・備州・作州の三国に跨り標高五五〇メートル郡内第一の高峰の山麓に、照鏡山八塔寺、恵日山高顕寺の二寺があり、歴史は古く奈良朝までさかのぼる。神亀五年(728)聖武天皇の勅願により創建された。八塔寺山には十三重塔、七堂伽藍、七十二僧坊がつくられ、山上仏教の道場として盛況をきわめたという。その後、度々の兵火や山内の勢力争いのため衰え、源頼朝を始め正保三年(1646)戦国領主、池田光政より梵鐘寄進(現存)宝永三年(1706)綱政より三重塔・本堂を再建され且つ寺領三十六石四斗五升四合を賜わり盛時に復した。いま八塔寺常照院、高顕寺の二寺だけ残っているが、常照院の東側の裏山には「皇屋敷跡」(後鳥羽上皇の宿泊所)もある。慶安三年(1650)熊沢蕃山が武士の土着化を提唱し、ここに入植した。現在、ふるさと村に県指定されている。

寺宝

高顕寺   不動明王、毘沙門天像(何れも平安中期、定朝作と伝える)

恵日山高顕寺