日生山 福生寺(備前市日生町日生)

本尊 観世音そのまま

縁起
 真言宗に属している。創建の年代は明らかでないが、元は後小路の山手のあったが、火災で焼けたため元和元年(1615)に現在の地に再興せられたという。日生の住民は、たいていこの寺の信徒であったが、西念寺の建立以来、その勢力を失い、住職さえ置かれぬようになった。池田家撮要録の中の廃寺の部につぎのように記されている。
 1、蕃山正楽寺の末寺
 2、住僧 地蔵院(寛文六年死後無住)
 3、堂   三間四面
 4、庫裏 三間五面
 以上からみて、本堂は現在の建物であるが、庫裡はいつ頃からなくなったか跡地もはっきりしていない。日生の発展とともに、多町村からの移住者がふえ、住職のいないまま信心する者がふえてきたものと思われる。
 明治二十四年(1891)に山田右七郎、薮内貞治、西川亀吉らが発起で、村当局から補助金と信徒の寄付に 

よって、本堂の大改修をしている。大正九年三月には大崎弥吉、酒井兼吉らが発起で境内での大整理を行い、茶場の建築、石垣の改築をしている。
 昭和五年頃、庫裡が建てられ、吉延庄吉の死後、酒井沢治が堂守として住み込み、蕃山正楽寺の末寺として法要や看経が行なわれている。

年中行事

正月21日 初大師
正月28日 初不動
毎月21日 大師講

○勝英二郡交通死亡者供養    ○戦病死英霊供養

寺宝・文化財

弘法大師極彩色御座像 一体(100センチ)
聖観音立像 一体(70センチ)
浪切浮動尊木像 一体(70センチ)
毘沙門天王木像 一体(70センチ)