上地山 満楽寺 地蔵院(赤磐市上仁保561)

本尊 地蔵菩薩

縁起
 今を去る千二百年の昔、天平年間報恩大師は備前の国四十八ヶ寺の一寺として、ここ龍王山の一角に伽藍を建立し山上佛教を興し信仰の昂揚につとめました。
 寿永年中に至り上地山山頂に居城を持つ領主葛木左京之進忠時は風雪に耐え荒廃の著しきを嘆き自ら本尊を背負い山麓の現在地に遷座申し上げました。
 元禄十年、時の住職地蔵院増旻の苦行により寺院の大改修が行われ門前は栄え今はなき上地山村と呼ばれるまでに繁栄致しました。
 旧藩時代は池田家より十石の寺領を寄進され庫裡の庭や猪塀は当時の作と言われます。

 御本尊は名人昆羯磨の銘彫で左右の拳に知恵の杖と宝の珠を持ち杖は心の迷いを解き珠は願いを叶え楽しみを満たす有難い佛器であります。連綿幾星霜法燈絶ゆることなく一切の苦悶を満楽に変える大慈大悲の菩薩であります。