金泉山 正満寺 妙覚院 (赤磐市大屋383)

本尊 聖観音

縁起

 金泉山正満寺妙覚院は、下分持行から大屋に向かう急な坂を登り切った所に建てられている。当寺も報恩大師建立といわれ備前四十八か寺の一寺である。
 正満寺の詳しい縁起、沿革については昭和十二年の火災の際、宝物、資料共に焼失したため不明である。しかし寛文年間の寺院淘汰の時、正満寺妙覚院の住職は還俗して大屋村の氏宮の神職になった記録と、天明八年十二月八日朝、かまどより出火、門を残して全焼した記録がある。天保九年の「手鑑」によれば正満寺には妙覚院、本明院(無住)、観照院(無住)の三院があり、寺領十八石九斗八升三合(内、十二石九斗八升三合は本尊料妙覚院、三石は本明院、三石は観照院)を賜わっていた。
 本尊は聖観音立塑像(高さ約1.3メートル)で江戸時代の作と伝えられている。境内には石造の六地蔵と五輪塔が祀られている。
 現在の庫裏は昭和十三年、本堂は昭和三十一年、それぞれ再建された。