幡降山 極楽寺 普門院(赤磐市山口990)

本尊 千手観音

縁起

 幡降山極楽寺普門院は県道町苅田・下山口バス停から西へ焼く1.5キロメートル入った寺山の中腹にある。
 当寺は報恩大師建立とされる備前四十八か寺の一寺とされる古刹で、縁起によると、天平宝字四年(760)の開山という。開山当時は伊田村萱野にあったが、その後焼失し、大治元年(1126)再建されたという。現在地に移転したのは永禄十二年(1569)といわれ、その移転について次のような伝説がある。

 「永禄十二年のある日、時の住職であた快圓は、玉幡を捧げる霊夢を感じ、山頂に登って千手観音が示す玉幡を得た。そこで快圓は喜び、霊夢にしたがって今の地に堂宇を建立した」。
 元和四年(1618)、本堂をはじめ七堂伽藍一切を焼失したが、元禄十三年(1700)三月再建された。しかし、その後また焼失し、宝暦七年(1757)四月再建された。この宝暦七年に建立された本堂も老朽化し、昭和五十二年新築された。
 現在、極楽寺の塔頭は普門院だけになっているが、かつては、千手院、光明院、泉蔵院、善真寺などがあった。
 普門院の本尊は木像の千手観音立像で、戦国時代の作と伝えられ、三十三年ごとに開扉されて、大法要が営まれる。
 主要建物には本堂、薬師堂、薬師門、庫裏、仁王門等がある。
 什器としては、「元禄十五年壬午六月吉祥白」の銘のある鰐口、「奉寄進御経机、右為釈空超菩提也、延享四年丁卯仲冬廿一日、向井鏡覚敬白」の銘のある経机が主なものである。

寺宝・文化財

・本堂
・薬師堂
・薬師門
・庫裏
・仁王門