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- 2003年3月28日(金)
明日明後日明々後日と休み。机の片づけが大変。閉架の本のうち廃棄する
ものを選ぶ。花束をもらう。危険な女子職員がプレゼンターだったので殴ら
れはしないだろうか、とびくびくした。
- 2003年3月27日(木)
引継書をつくる。来週分のローテーション表完成。ローテーション表を作
ることはこれでしばらくないだろう。
- 2003年3月26日(水)
来年度の職場に挨拶と引き継ぎに出かける。自然の豊富なところに建って
いて、梅が薫っていた。
引継書をつくる。来週分のローテーション表をつくる。利用者もなかなか
いた。ばたばた。
- 2003年3月25日(火)
かなり大きく人が動くので、事務分担表などを作り直す。ばたばたと一日
が過ぎる。
雨降りなので右手と腰が痛い。
隣町の図書館の人に電話をすると、私の異動のことをすでに知っている。
「早いですね」と言うと、「ホームページの愛読者ですから」と言われてし
まう。そういえば書いたな、と思い出す。私が勤務するのは博物館のセクシ
ョンではあるけれど、文学関係の建物であることを告げる。
16日に受けたレファレンスがわからず、名古屋市鶴舞中央図書館のF本さ
んにお願いしておいたところ、翌日すぐにお返事をいただいたのでした。F
本さんはまだ若いのに大酒飲みで、素面でもコアラのお面をかぶっていたり
する謎の男。おまけに私の名前を間違えて覚えていて、封筒に大きく違う名
を書いていたり、愛知県図書館を愛知県立図書館、といつも書いていたりも
して、「わざとですか」と県図書館の温厚そうな女の職員に叱られたりもす
る人であったりもするのだが、なごやレファレンス探検隊の中心的人物。今
後の図書館界を担ってゆくか、酒で倒れるかのどちらかであろう、と私は見
ているのであった。仕事の時間にはできなかったので、時間外に調べてくだ
さったとのこと。そのトランプ関連の資料のなかに岩波新書があり、どきり
としたが、幸いというかなんというか、私の勤務する館には所蔵していなか
った。利用者のかたに今日ようやく連絡がついたのでした。F本さん、どう
もありがとうございました。_●_
- 2003年3月24日(月)
人事異動の内示がでる。私は博物館のセクションへと異動することになっ
た。予想外。しかし、そういうこともあろう。
腰はかなり良くなったが、右手が腱鞘炎。これがかなり痛い。
- 2003年3月21日(金)
祝日のわりには利用者少なし。腰痛はかなりましになった。
発注入力など。ばたばたと一日が過ぎる。
- 2003年3月20日(木)
腰痛のため、昨日は休みをとった。今朝は何とか出かけたが、仕事場の椅
子に腰掛けた途端、これはだめだな、と引き返してきた。腰痛は図書館員の
職業病でもあるのだが、私は元々背骨の反りが足りないらしい。
いよいよ戦争がはじまってしまった。アメリカは世界中をアメリカにした
いのだな。アメリカは正しい国だからアメリカの行う戦争は正しいと考えて
いるアメリカ人は沢山いるのだろうな。その正しいことをよそからされたら
きっと怒るだろうな。どうせ人はいつかは死ぬ。殺し合うこともあるまいに。
- 2003年3月18日(火)
地域館への勤務。朝、腰が少し痛いな、と思っていたのだが、夕方かなり
痛くなる。利用者はそれほど多くなく、淡々と一日は終わったのではあった。
- 2003年3月16日(日)
雨降りのせいか割と空いた日曜日であった。
トランプのキングとクイーンとジャックのモデルについて、というレファ
レンス。ハートのキングにだけひげがないな、とは思っていたが、モデルが
いたとは知らなかった。すぐにはわかりそうになかったので宿題にさせても
らった。これは難しそうである。
- 2003年3月15日(土)
混む。
女子小学生が女の臨時職員とカウンター越しにかわしている会話。
「ねえねえ、おねえさん決まったひといるの」
「・・・」
「おねえさん、結婚しているの?」
「・・・」
女子小学生は微妙な問題について質問せぬよう、気をつけたほうがいい
と思った私である。
「こぐまのミーシャを知らないっていうんですよ」と、憤る32歳の職員。
知らないと答えた27歳の職員はしかしモスクワオリンピックの年には5歳
である。元はと言えば、「ミーシャのCDありますか」と男の子が尋ねた
のに対して、「こぐまのミーシャですか」と32歳の女子職員が答えたとこ
ろからはじまった話らしい。世の中は微妙な問題に溢れている。かもしれ
ない。
- 2003年3月14日(金)
来週のカウンターローテーション表の作成、来年度のパートタイムの出
勤表の作成が終わると頭がよれよれ。
事務室のラップトップパソコンほぼすべてが蝶番のあたりにひび割れ。
電算会社に確認をし、来週からぼちぼちと修理に出すことにする。シリア
ルナンバーを調べFAX。何台ものシリアルナンバーを見ていると頭が痛く
なってくる。
新刊書発注。
CD-ROMのついた書籍の附属CD-ROMの扱いについて日本図書館協会に
質問、というか確認。図書館法第三条第一項に、「郷土資料、地方行政資
料、美術品、レコード、フイルムの収集にも十分留意して、図書、記録、
視覚聴覚教育の資料その他必要な資料(以下「図書館資料」という。)を
収集し、一般公衆の利用に供すること」とあるわけだが、CD-ROMってど
うなんだろなどとふと思う。貧富の差によって文化に接する機会が損なわ
れたりせぬよう、といった意図が公共図書館にあるわけだけれど、例えば
パソコンソフトのマニュアルとか、海外旅行のガイドブックとか豪華な料
理のレシピとかさ、そういうのってお金がそこそこある人にしか必要のな
い資料なのではなかろうか。もちろん行けない国のガイドブックを見る人
や買えない食材を使った料理のレシピを見る人はいるだろうけれども。図
書館の本がマニュアルやガイドブックレシピだらけになっちゃたらそれは
それで面白いかもしれない。文化施設って、国民の文化の認識がしっかり
していてはじめて成り立つ施設なのであろうなあ、なんてことをふと思う。
出版の世界、本をとりまく世界の変化に対して図書館だけが無関係ではあ
り得ないのだけれど、「それって図書館に要るの?」って言っちゃったら
いけないのかなあ。この二十年ほどの時間の流れ方ってまるで滝のよう。
と、筒井康隆さんの小説のようなことを感じたりもするのだが、この滝の
落ちてゆく先に何が待っているのだろうな。
- 2003年3月13日(木)
年度末なのですることは多いのであるが、私の机のラップトップパソコ
ンの蝶番のあたりが見事に壊れてきている。来年度はじめから変更しても
らうプログラムのことなどで来館していたSEの人に持って帰ってもらっ
た。かなりたくさんのプログラム修正を見事にこなしていた。数年前の彼
のことを思うとまるで別人である。と、今回もしみじみ、そんなことを感
じた私であった。数年前の彼はいったいどんな風であったのか、を思い出
すのは怖い気がする。そんなわけで電算プログラムについては来年度をき
っと無事に迎えられる。と思う。
早番遅番表完成。明日チェックしてもらうことにする。
- 2003年3月12日(水)
二日続けて休館したあとの日なのでいつもより30分早く出勤。ブック
ポストには約1200冊の本が返っていたのであった。
利用者多し。レファレンス多し。
年度末なので、あれこれとすることがある。来年度の休み表はできて
いるのだが、早番遅番表のバランスがとれなくて頭が痛くなってくる。
- 2003年3月9日(日)
登録者多し。日曜日らしくばたばたと一日が過ぎる。
- 2003年3月8日(土)
地域館への応援。おたのしみ会が二階の部屋であった。会がはじまる
前と後に館内に押し寄せた人の数は100人を越えていたのではあるまい
か。ばたばた。不慣れなところで焦ったりしたわけで、へんてこなこと
をしたりもした私でした。帰りにはよれよれ。
- 2003年3月7日(金)
カウンターローテーション表をつくる。
慌ただしく一日が過ぎた。
- 2003年3月5日(水)
来年用のシフト勤務表などをつくる。頭がぐらぐらしてくる。
フランス洋菓子のレファレンス。うちの資料では間に合いそうもな
いのであったが、とりあえず、少しわかった。
夜、なごやレファレンス探検隊という集まりに参加。名古屋と愛知
県の図書館の若手を中心に中部地区の図書館職員が集まって調べもの
についての話をするという会。静かで熱気があってためになる会であ
った。名古屋も愛知県も百倍近い倍率をくぐり抜けて司書となった職
員たちなので、知識が豊富。図書館って学校での勉強がそのまま生か
せるところなのだな、などと改めて思った私は学校での勉強はろくろ
くしなかったのでしたが。会のあと懇親会にも参加。大学院で図書館
学を専攻し、大学図書館で臨時職員をしているという若者に何か一言、
と言われ困る。日本の図書館の未来が明るい、と思っている図書館員
はいないのではあるまいか。この国の「文化」についての考えがどこ
かおおもとから間違っているような気が私はずっとしているのである。
民間委託、臨時職員の増加と正職員の減少、司書職制度の廃止といっ
た話があちこちで出てきているのだが、「知」を重んじていない国な
のだからお金が無くなってくれば当然こうなるよなあ、と納得しちゃ
う私である。なんとかせねばとはもちろん思っているのだが、なんと
もならないんじゃないだろうか、とも思っている。
- 2003年3月4日(火)
登録者14人。平日なのに多いのであった。
調べもの多し。
- 2003年3月2日(日)
登録者23人。ばたばた。どこかで見たことのある人だな、と思っ
たら高校の同窓生。23年ぶりくらいか。時の流れは早いものである。
レファレンス多し。中学生が難しい調べものをしていたり。
- 2003年3月1日(土)
早いものでもう3月。こないだお雑煮を食べていたような気がする
な、などと話すと、「それではすっかり年寄りですよ」などと言われ
る。
混む。人だらけであった。レファレンス多し。
視聴覚資料の督促電話。一週間の貸出期限を5日以上過ぎている人
が66人。以前は30人くらいのものだったが、悪い人が増えているの
であろうか。
- 2003年2月28日(金)
館内整理日。協議題が沢山あった。
OSのヴァージョンアップやIEのヴァージョンアップをしておかな
いと、ウィルスが危ないと数日前に聞いたので、幾人かで手分けして
行った。目が疲れる仕事。
開架から閉架へ異動する本を選ぶ。
- 2003年2月27日(木)
カウンターローテーション表作成。
なかなかばたばたとした日。レファレンス多し。
- 2003年2月26日(水)
リクエスト多し。古い本がかなりある。他館から借りる依頼をする
ことになるわけだが、「うちにはないのでよそから借ります」と言う
と、「そこまでしていただいては申し訳ない」とおっしゃる方が実に
多い。「いえいえ、毎週県から通い函がやってきまして、週に十冊以
上よその図書館の本をお借りしているんですよ」と説明すると、「あ
あ、それならば」とリクエストをなさる。図書館を気楽に使ってもら
うようにするのは司書のつとめである。
子供から目をはなす利用者は毎日のようにいる。書架から本を投げ
出す、見出し板を違うところへ持ってゆく、本を踏む、よその子供を
叩く、などということがしばしば起きている。「ごめんなさい」とい
う言葉が死語になる日が近かったりして。
携帯電話はよく鳴る。そのまま出て館内で話しはじめる人、慌てて
外へ出る人、何事もなかったように切る人、いろいろな人がいる。便
利っていいことなのだろうか、などとふと思う。
- 2003年2月25日(火)
なかなかばたばたとした一日であった。予約、リクエスト多し。
- 2003年2月22日(土)
雑誌の相互複写の依頼があり、所蔵している館に問い合わせる。相
互複写のシステムは館によってまちまち。以前、公立の大学図書館に
申し込んだ際、あまりに手間がかかるので驚いたことがあった。今回
申し込む館も、もう少し省力化ができるのではなかろうか、と感じた。
私の勤務する館で相互複写の手順書をつくったのは数年前。年に一度
受けるか受けないか、といった事柄なので、このあたりで一度職員皆
に確認をとっておいた方がいいな、と我が身を振り返る。
- 2003年2月21日(金)
視聴覚資料の督促電話をする。世の中には悪い人が多いのだよなあ、
としみじみ思う。一週間の貸出期間の倍以上借りておいて「ごめんな
さい」の一言も言えない人が幾人もいる。なかには予約をして借りて
返さず、ほかの予約者の迷惑となっても気にしていない様子の人もい
る。人間という生き物のつくりが元々そうなのかもな、なんてことを
ふと思ったり。
- 2003年2月20日(木)
ばたばたと日が過ぎた。貸出返却は多くなかったが、調べもの多し。
- 2003年2月19日(水)
地域館への応援。午前中は空いていたのだが、夕方にばたばた。調
べものの大人や、調べ学習の子供もくる。
- 2003年2月18日(火)
貸出返却は多くなかったのだが、登録、レファレンスがとても多か
った。午前だけで6人の登録。家族まとめて、とかではなく、ばらば
ら。書架案内も沢山。帰りにはよれよれになっていた私でした。
- 2003年2月16日(日)
雨降りの割に人が多いなあ、と朝思っていたのだが、午後は比較的
空く。このまま一日が終わってゆくのであろうか、と考えていたら雨
が上がる。3時までは2500冊も貸し出していなかったのだが、終わる
と5315冊。夕方には何をしていたのかよくわからぬほど、ばたばたし
ていた。はじめての利用者、はじめて質問をした、という人と話をす
るのがうれしい。
- 2003年2月15日(土)
戦争反対。どこかに意思表明だけでもしておきたいと思うのでとり
あえずここに書くのでした。もしブッシュやラムズフェルドと友達で
あれば、やめておきなよ、と私は言うことでありましょう。友達にな
りたくないタイプの人達だけど。
混む。レファレンス多し。登録多し。
- 2003年2月13日(木)
混む。昨日が休館日だったからであった。視聴覚資料の受付もした
のだが、ばたばた。
カウンターローテーション表をつくる。
長い間、図書館を利用していた隣町に住むひとがお引越をなさると
のことで挨拶にいらっしゃった。定期的に調べものに来る方がまたひ
とりいなくなるのだなあ。さみしい。
- 2003年2月11日(火)
祝日である。「えびす様についての本はありますか」とのレファレ
ンス。何年か前、戎光祥出版という出版社が見計らいに持ってきてく
れた本を買ったので、それにあるのではないか、と本棚を見にゆくと、
「えびす信仰事典」を発見。七福神の関係では以前大黒様について二
度尋ねられたことがあったが、えびすさんははじめて。レファレンス
は同じケースがほとんどないから楽しいのである。
登録、貸出券の紛失届、再発行多し。空いたり混んだりした一日で
あった。
- 2003年2月9日(日)
登録者多し。難しいレファレンスはなかった。混んだ割に淡々と過
ぎた一日であった。
- 2003年2月8日(土)
混んだ。さすがに土曜日である。登録者多し。リクエスト多し。し
かしこの頃、二年もすると古本屋さんの店先に三冊100円で並べられ
るであろうな、と思われる本のリクエストがやたらと多いのだが、ど
うしたことなのであろうか。本についてのあらゆる要求に応えるのが
図書館の使命であるとは思うのだけれど、ううむ。そうした本だから
こそ自腹を切りたくないということはあろうなあ。レシピのリクエス
トも多い。類書はあるのだけれども。もしかすると人の手がまだ触れ
られていない本を借りたいからリクエストをするんじゃなかろうか、
などと勘繰ったりして。どうして私はこんなに疑り深いのであろうか。
- 2003年2月7日(金)
空いていた一日であった。カウンターローテーションをつくる。分
類作業をする。
そういえば昨日、「中島らもの本の扱いはどうしますか」との問い
が他館からあった。図書館で働いて間のない方なのでとまどったのだ
ろうけれど、図書館には犯罪者、過去の容疑者の著作は沢山あるので
ある。戦後だけでも三島由紀夫、寺山修司、佐川一政、永山則夫、永
田洋子、赤瀬川原平、野坂昭如、澁澤龍彦、伊藤整などなど数え上げ
ればきりがないほど。犯罪者の著作であることを理由に書架から除く
必要はありません、というより除くべきではないでしょうね、と答え
た私。図書館はアブないところでもある。
- 2003年2月6日(木)
午後、中学生が職場見学にくる。仕事の内容、職員数、収入などい
ろいろなことを尋ねられる。小学3年生の時に図書館を見学に来てい
るはずなので覚えているかを尋ねたら、なんとなく覚えてはいるよう
ではあった。閉架や特別資料室を見学。電動書架や江戸期の書物に驚
いていた。どうしたら図書館で働けますか、との問いもあった。答え
が難しい質問である。
地方史を研究している大学生が来館。神道についての調べもの。資
料があまりない。市制前の町史に棟札が載っているので、「ここに載
っていないお宮さんに出かけて棟札を調べるのはどうかな」と半ば冗
談のように言ってみたところ、その女子大生は、「先輩がそれをして
いるのですよね」とのこと。女子大生が天井裏で埃まみれになって棟
札を読んでいるところを想像してのけぞった私であった。ものを書く、
研究するというのは大変なことであるとしみじみ思う。いろいろな大
学生がいるのだよなあ。
閉館近くにコピー依頼が沢山。少しばたばた。
- 2003年2月4日(火)
比較的空いた日であった。分類作業をする。
コンピュータの統計、OPACなど、細かな変更をSEのひとにし
てもらう。彼の仕事はこのところ速く確実になっている。以前は目も
あてられないような状況だったので、「そのうちなにか恐ろしいこと
をしでかしたりはしないでしょうね」などと幾人かの職員でいじめて
みたり。ひとは成長、進歩してゆくのだな、と彼を見ているとしみじ
み思う。願わくば、ずっと担当でいてもらいたいものである。「MARC
ってなんですか」といったところから話をはじめなければならなくな
るとなかなか大変。図書館のコンピュータ担当SEってかなり特殊な
仕事なのである。彼に確かめるとかわる予定はないようです、大丈夫
です、と言っていた。
- 2003年2月2日(日)
しかしペットボトルというのはすごい勢いで普及したのだよな、な
どとふと思ったのは学習や仕事や資格試験の勉強や家計簿つけなどの
ために開放している会議室に入ったとき。夏だけでなく冬も水気は要
るのだなあ。会議室は飲食禁止になっているので、エントランスホー
ルで飲んでいただくわけだけれど、たまに会議室で飲んでるひとも見
かけるので、「エントランスホールで飲んでくださいね」と注意をし
たり。開架のなかにある閲覧スペースにもペットボトルを持ち込む人
がたまにいる。大抵子供ではなく大人。昔はのどが渇くと蛇口から手
ですくって水を飲んだり、蛇口から直接水を飲んだり、現場仕事の人
はやかんの口に口をつけて飲んだり、とそんな風だったけれど、もう
見ない光景になった。そいえば大衆食堂で食べ終えたあと丼にお茶を
入れて飲むなんてことは今もあるのだろうか。図書館にいる間くらい
水分をとらなくってもいいんじゃないのかな、と私は思うのであった。
哲学の本の棚の前で中年女性が携帯電話のメールをなにやらしてい
た。開架をもうひとまわり(五分くらい)してもまだ同じような状態
だったので、「図書館にはいろいろな方がいらしていますので、携帯
電話のご利用はご遠慮ください」と注意。「はい」ととても素直な反
応。普通の善良な人。ペースメーカーをつけている人への携帯電話の
影響って最近ではあまり言われなくなってるけれど、全面的に問題は
なくなったのでしたっけ。メールが気になる心理は古くからのネット
ワーカーの私にもわかるけれど、図書館のなかでは止したほうがいい
んじゃないかな、との抑制は働かないのだろうか。携帯電話って怖い
機械だと私は思う。
さすがに日曜日。かなり混んだ。レファレンス多し。
- 2003年1月31日(金)
難しい調べもの多し。エンジンオイルについてざっとしたことが知
りたいとの方。「自動車工学便覧」の該当項目をお見せする。「お忙
しいのにお手間をかけてすみません」とお客さん。「いえいえ、調べ
るのが私の仕事なのです」と私。司書がなんのためにいるのか、どの
ように使うのかを多くの人に知ってもらうところから日本の図書館は
はじめないといけないのである。
OPAC(利用者用検索端末)について、表示がわかりづらいとのク
レーム。システム的に難しい事柄もあるので説明。論理的なお客さん
だったのであった。いくつか直すべきこともあり、直りそうなことも
ある。図書館を使うのは利用者なのだけれど、それを時折忘れていた
りするよな、などと、ふと初心に返る。
- 2003年1月30日(木)
私が受付にいた時間だけ妙に混む。小学四年生が、「先カンブリア
紀についての本はありませんか」との質問。質問者のアクセントが少
し違っていたこともあってか、臨時職員さんは言葉を聴き取るのにも
悩んでいた。そういうときは紙に書いてもらうのが基本。それにして
も難しい調べものをする小学生がいるものである。
昨日の日記に「専業主婦」と書いたことについてある方から以下の
ようなメールをいただいた。
--------------------------------------------------------------------
いつも楽しく読ませていだだいています。
少し気になる表現があったのでお便りします。「専業主婦」とはとうの昔に死語になったものとばかり思っていました。女性をあらわす言葉で男性側に対応する言葉がないものは侮蔑語なのではないでしょうか。
--------------------------------------------------------------------
お子さん連れの女の人が5時くらいから幾人かいらしたので、家事
労働と子育てに専念なさっているかたであろう、と推理をして「専業
主婦」と書いただけのことであったつもりの私。元々ハウスハズバン
ドになりたいな、と考えていた私は侮蔑どころか専業主婦の方の労働
が大変であることを承知しているつもり。その旨この方にはメールを
しましたが、ほかにもご気分を害していらっしゃる方があったかも知
れないと思い、ご承諾を得て、ここに解説をしているのでした。専業
主婦に対応する言葉としては専業主夫があると思います。専業主婦は
多分死語ではないはずです。
メールをくださった方は、あとからのメールに、
--------------------------------------------------------------------
夫という字には男性という意味はないのではないでしょうか。
--------------------------------------------------------------------
と書かれていましたが、「夫」は元々「男」のことです。漢和辞典
や、くわしくは白川静の「字統」などで調べていただくと記述があり
ます。蛇足ながら。
- 2003年1月29日(水)
地域館への勤務。リクエスト多し。古い新聞の閲覧も二件。新しい
住宅地ができたこと、図書館がどんなところであるかがわかってきた
ことから利用のされ方が変わってきている。ここは夕方から混む。専
業主婦が夕ご飯の支度に一段落つけて来るのであろうか。思っていた
より慌ただしく時間が過ぎた。
- 2003年1月28日(火)
風邪で一人職員が休む。休みはしないものの風邪の職員多し。風邪
の利用者も多し。
それほどは混まない一日であった。分類作業をする。
- 2003年1月26日(日)
職員が風邪で三人倒れる。朝からカウンターローテーションの組み
直し。先週ほどではないが混む。小中学生の調べものも多い。登録者、
貸出券の再発行も多い。慌ただしい一日であった。
- 2003年1月25日(土)
閉架にしまうと利用者が来るの法則、というのがある。昨日開架か
ら抜き、電算処理をしようと思っていた本の所蔵についてカウンター
で問われたのであった。事務室にあるからすぐに出せたのではあるが。
混む。レファレンス多し。どんな引き方をしても利用者用検索端末
では出てこないと思われる本を探していらっしゃる方も三人。本のタ
イトルや内容細目には入っていない文、本のタイトルを間違えて覚え
ている方。完璧な利用者用検索端末は存在しない、ということを司書
は認識しておくべきだと思う。入っていないデータは出てこない。あ
いまいな事柄まですべて入れたらノイズが増える。
閉館間際、コピーの申請が沢山。ばたばたばたと一日が過ぎた。
- 2003年1月24日(金)
館内整理日。
開架の本を閉架へ移動。いつものことであるが、選ぶ本に悩む。
- 2003年1月23日(木)
ローテーション表作成。
久しぶりに視聴覚資料の受付。混む。
- 2003年1月22日(水)
レファレンス多し。
分類作業をする。
- 2003年1月19日(日)
昨日ほどではないが混む。
学術雑誌を所蔵していないか、と問われる。それはどう考えても我が
館にはなさそうな雑誌。県図書館にもないのではないかと思われる雑誌。
大学生なので、大学にないのですか、と問うと、大学が遠くにある、と
のこと。大学生はまず大学図書館を使うべきなのである。郷土資料以外、
中小図書館は大学生のレポートにまず使えない、と考えてもらいたい、
と、慌ただしい日曜日にはしみじみ思う私である。
登録者多し。貸出券紛失届多し。利用者が確実に増えてきている気が
する。不景気と関係しているのであろうか。
- 2003年1月18日(土)
混む。返却は6000冊を越える。貸出も5800冊ほど。登録もなぜか多
い。
- 2003年1月17日(金)
混む。年末貸出分の返却日に設定してあった今日。返却が3800冊ほ
ど。日曜日並であった。
貸出券の紛失届多し。
分類作業、ローテーション表作成もする。
- 2003年1月16日(木)
地域間勤務の日。昨日、一昨日と休館したことと、明日が年末貸出分
の返却日に設定してあったので、なかなか混む。小学生が集団で調べも
のに来たりもした。慌ただしく一日が過ぎた。
- 2003年1月12日(日)
レファレンス多し。登録、私だけで11人。多い。
今日もまた大学生が沢山来館。「都市問題の現状、発生要因について」
なんて宿題は中小規模の図書館では無理。これだけインターネットが普
及しているのにどうして活用しないのだろ。インターネットは趣味でし
か使っていないのかなあ。大学図書館は大学生に使いやすいようにはで
きていないのだろうか。大学の先生は、今の学生の調べものの能力につ
いてもっと認識していてほしいものだと思う。ろくでもない学生ももち
ろん沢山いるのだろうけれども。と、私が学生のときろくでもなくはな
かったか、と問われると、そんな古いことは忘れた、と答えたくなった
りはするが。調べ方についての説明はそんなに時間のかかることではな
いと思う。何をどう使えば効率よく調べられるかを彼らは知らないのだ。
中小公共図書館にその仕事を持ってこないようにしてほしいと思うので
あった。
小学生の調べものも多い。難しいものがかなりある。
中学生なのにやたら書誌にくわしい、というか、この本ではなくこの
本が読みたい、と訳者の違う本を指示する生徒が来た。個人差について
考える。
- 2003年1月11日(土)
貸出はそれほど多くないのだが、レファレンスと登録が多い日であっ
た。暮れに来館した英文学科の学生がさらに難しい調べものに来た。大
学図書館で紀要などを調べたら、と話すと、「それはどうやって調べる
のでしょうか」と問い返される。暮れには、ばたばたと締切間際に調べ
にきたのか、と思っていたのだが、どうやら雑誌や紀要の論文について
まるで知らずにいるだけであると気づく私。日外アソシエーツの「英米
文学研究文献要覧シリーズ」を所蔵しているので見せ、担当教授の名を
訊き引くと関連のありそうな論文が続々。多分大学図書館は持ってるよ、
と話すと、「これを写していって大学図書館で尋ねればいいのですね」
と納得した様子。書誌的なことを大学に入る前、あるいは大学に入った
直後に学生に知らせる必要があるよな、と改めて思う。図書館がなんの
為にあるのかが認知されれば司書の必要性もわかるだろうし、大学図書
館に専門職員が少ない状況も改善されるのではないだろうか。学ぶ気の
ある学生でさえ学びにくい、学べない状態になってるのは変だ。日本の
将来を背負って立つのは、当たり前のことだが、若い人たちなのである。
- 2003年1月10日(金)
乳幼児がもう少しで踏まれるところだった。紙芝居架の下が机のよう
に空いていて向こう側から這ってきて、反対側に出たところ、すぐそば
にひとの靴。這ってるくらいの年の子は一瞬たりとも目を離すべきでは
ない、と思う。世の中は危険に満ちているのである。
夕方、レファレンス研修の打ち上げに参加。沢山飲む。以前と違う形
式となり、実務に使える、役に立つであろう研修をはじめられるように
なったのは県図書館の企画振興のひとの力である。研修会委員としてテ
キトーなことを言い、一応講師をしたりもした私であった。参加者の自
己紹介のなかに、「戸田センセイのとき、いちばん緊張しました」と言
った女のひとがいたので、どうして緊張したの、と問うたところ、「ほ
かの講師のひととは全然違っていたから」との答え。ほかのひとはどの
ような講義をしていたのであろうか。ううむ。沢山飲んだのは隣に名古
屋市の某若手酔っぱらい職員がいたからだと思う。自主的にレファレン
スの会を二月に一度行っている司書たちの中心にいるひと。暗い話題の
多い図書館のなかにあって元気のある若手がいることはうれしい。
待っているだけではレファレンス件数は増えない、とやや酔っぱらい
ながら話す私。利用者は大抵遠慮深いのである。厭がられぬ程度に働き
かけ、やがて気楽に話をしてもらえるようになるのだ。
- 2003年1月9日(木)
空いてはいたが、レファレンスの多い日であった。大学生の宿題多し。
こんな規模の図書館で間に合わせていて大丈夫なのか、と心配になる。
- 2003年1月8日(水)
あれこれと雑務を片づけているうちに一日が過ぎる。比較的空いた日で
あった。
- 2003年1月7日(火)
早番。ブックポストの本は300冊ほど。
始業式の日なので児童生徒多し。
職員が風邪で三人休む。流行っているようである。
- 2003年1月5日(日)
今年初めての開館。小中学生の宿題多し。新規登録者もなぜかかなりい
た。貸出は3000冊ほど。ひさしぶりの接客は少し緊張する。
- 2003年1月4日(土)
毎年誕生日から仕事がはじまる私である。
明日と来週のカウンターローテーションを組む。分館の電話機、FAXの
つなぎかたを替えにゆく。開架から閉架へ古い本を移す。返却本の処理を
する。あっという間に一日が終わる。
- 2003年1月1日(水)
あけましておめでとうございます。
今日、ブックポストの本を出しにゆく。ブックポストが広くないので長
い休みの途中で出しにゆかないといっぱいになってしまうのでした。500冊
くらいあり、1時間ほどかかる。
- 12月27日(金)
今年最後の開館日。さすがに混む。中学生高校生だけでなく大学生も宿
題の調べものにくる。雑誌の論文ならばすぐに集まるであろうに、と思わ
れる英文学の宿題を持ってきた学生にその旨話すと大学の図書館はもう閉
まっちゃっているとのこと。毎年のことではあるが、どうして閉まる前に
行っておかないのか、と思う。何かがおかしいぞ、この国は。アルバイト
やデートのほうが勉強より大切かもしれないが、宿題くらいは大学の図書
館を使ってすべきではないのだろうか。そうではないから、大学の図書館
が専門職でなくても構わないという冗談のような状況になっているのでは
あるまいか、と一人で勝手に腹立たしい気分になったりもする。ともあれ
ばたばたの年の瀬であった。
- 12月26日(木)
空いてるな、と思っていると、ばたばたばた、と人が増え、事務室から
職員を呼ばねばならなくなり、ああまた空いた、と思うと、ばたばたばた。
そんな日だった。
和本を遠くから見にきた人がいた。和本の目録に載っている人物につい
て記載された資料はありませんかと問われたのだけれど、それは多分あり
ませんよ、と答える。どこに記っていますか、と尋ね、教えられたところ
を読むと確かに書かれている。所蔵目録和本編は私が十年前に編纂したも
のであり、それは間違いなく私が書いた文章。でもどこから引いてきたの
かが全然思い出せない。「実は私が書いたのですが、なにかをまるまる引
き写したと思われます。それ以上詳しい資料はないはず」と答え、念のた
め閉架の郷土資料にあたる。私が引いた資料も見つからなければ、人物に
ついて記述のある本もない。開架の明治人物辞典や大正人物辞典を引いて
みる。五十音順ではなく、いろは順なので引きにくい。利用者は私の後ろ
にいて辞典を見ているのだけれど、私より目が速く項目を追っているのが
わかる。和本を見る人だからただ者ではない、と思っていたけれど、これ
だけ速い人を私は過去に知らない。ふつうの大学の先生ではない。結局見
つからず、もしわかればお知らせしますと答えておいたのでした。名刺を
もらい、帰られたあとで、見ていた和本の書誌事項について足してくださ
った、とほかの職員。資料整理をした際、大学の先生が和刻本漢籍なのか
漢籍かがわからなかった資料が明の刻本であることが判明。名刺を改めて
見ると書誌学が専門の人のよう。目が速いはずだ。目録で現存数の少ない
資料ではないかと思われるものを調べにこられたのであろうか。しかし十
年前の仕事をこれほど見事に忘れている私に私は少なからずショックを受
けたのであった。大きくくずした仮名も漢字も漢籍も読めないのに、色々
な人に手伝ってもらい、なんとか作った目録。国公立大学に送ったのが今
になって役に立っているのだな、と思うと感慨深いものがある。少し遠い
目になった私であった。
- 12月25日(水)
風邪が流行っている。親子連れがカウンターにくる。親も子もカウンタ
ーに向かって咳き込んだりする。横を向いて咳をしてくれえ、と思う。
冬休の割に利用者が少ない。
- 12月23日(月)
空いていた一日であった。しかし中学生が宿題の調べものに来ていたり
もした。「越天楽」についての音楽の宿題。難しい。関連図書はすでにほ
とんど貸し出されていたし。
- 12月20日(金)
レファレンス研修の講師として県の図書館に出かける。初体験。演台に
水が用意されており、掛けて話しても良いようにもなっていたのでこのと
ころ腰痛の私は掛けて話した。レファレンスをするのに一番大事なことは、
「すべてをうたがってかかることである」と極端な話をした。そう答えよ
うとしている自分をもうたがう。小学生でもわかる意味の平仮名三文字の
言葉がかかれた紙を持ってきて、「この言葉の意味を教えてください」と
尋ねたスーツ姿の男の人がいた話をしてみた。はじめは国語辞典を案内し
ようとしたのだが、私はふと気がついた。この人は平仮名が読めないひと
かもしれない、と。精神を病んでいるのでなければそれ以外可能性はほぼ
ない、と判断したのだった。このあたりでは識字率はかなり高く、文盲の
人がいることを普段忘れているのだ。本来は図書館でなく識字教室などに
行っていただくべきなのだろうけれど、そのときはとりあえず絵本を案内
したのだった。図書館にはどんな利用者がくるのかわからないのである。
そのことを忘れないように利用者に接することを基本とすべきだ、とまず
話したのであった。しかし、「先生」と呼ばれるのは落ち着かなくて困る
のであった。人口10万人ちょっとの町で尋ねられそうな事柄、実際に尋ね
られた事柄を問題として出し、回答をもらい、調べる段取り、意外な落と
し穴などについて話した。「世界大百科事典」を所蔵していない図書館が
あったのには少し驚いた。規模が小さい図書館ほど蔵書構成が難しいので
あるな、と改めて思った。今回講師を引き受けたことで私にとってもいろ
いろと勉強になったのであった。それにしても慣れぬ仕事は神経を使う。
帰宅後へろへろになっていた私。
- 12月19日(木)
受付のローテーション表をつくる。新刊発注をする。机の回りを片づけ
る。受付に4時間半出る。そこそこ混む。予約連絡の電話をする。一日が
あっという間に過ぎる。
- 12月18日(水)
分館に応援にゆく。朝、ブックポストに返ってきた本をしまおうとする
と書架がいっぱいのところがある。元々分館は広くないのではあるが、書
架から本を抜こうとすると爪がはがれそうなくらいきちきちに入っている
箇所があったりもする。分館には閉架がなく、書架からはずす本のうち、
分館本館ともにある本はすぐに除籍、リサイクル図書となる。その為、書
架から抜く本には慎重にならざるを得ない。せっかくきたのだから、とそ
の作業の手助けをする。3分類の本を見ていたのだが、頭がくらくらする
仕事であった。
分館の利用者は増えている。調べものもある。
- 12月17日(火)
休み明け。ブックポストへの返却は500冊ほど。昼休み間際に租税法
関連の判例についてのレファレンスとのぞきからくりについてのレファ
レンス。このところ難しい調べものが増えている。
書誌データが飛んでしまった資料があり、それがまたなかなか人気の
ある本であったりするので、登録番号とくっつけねばならず、その登録
番号をどうしたら知ることができるのか(資料は貸出中なのであった)
で電算屋さんに連絡。このところ成長著しい(過去にはいろいろなこと
があったということである)SEが明解で的確な回答。すぐに解決。
昼休みにレファレンス講習の回答を読む。よく読むとユニークな調べ
方をした人があったりする。講義が楽しみになってくる。
- 12月15日(日)
日曜日。混む。ひたすら混む。閉架へ幾度往復したであろうか。最
後まで混む。へろへろになって帰る。
- 12月14日(土)
来週行うレファレンス研修の受講者から回答がメールとファクスで
昨日のうちにどかどかと送られてきていた。昼休みに読む。皆、よく
できているのであまり面白くない。一生懸命調べたのだけれど結果が
突拍子もないことになっている、という回答を期待していた私である。
そのことを年若の職員に言うと、「ほんとに意地悪ですよね」と褒め
られる。さらに、「あまり受講者をいじめないでくださいね。そのあ
との会合で私たちがいじめられることになるかもしれませんから」な
どとつけくわえられる。
混む。小学生の調べものなど。閉架の資料の利用も多い。登録者も
多かった。
- 12月13日(金)
分館の応援。最近、分館も予約が増えているなあ、と思う。新しい
住宅地が出来、まちなかから引っ越して来た人も多いようだし、地域
館として根付いてきているみたいである。
昨日作りかけた受付のローテーション表を共有ファイルから開き、
作る。休みのローテーション表も作る。ネットワークは便利だな、と
思う。
江戸の切絵図を返却にきた年輩の方から大石内蔵助の上屋敷の現在
の位置の話を伺う。分館には話好きな人が多かったな、と思う。考え
てみれば本館はばたばたしていて、簡単な本の感想なども聞けないの
だった。「この本、こんなに面白かったよ」なんて話を子供やお年寄
りから聞くことも図書館員の楽しみなのだよな、と思う。
- 12月12日(木)
受け入れた図書に分類を付す作業。二年ぶりに出版されたシリーズ
などがあって過去につけていた分類を確認したり。割とこまこました
仕事。
来年度の休みのローテーション表をつくりはじめる。
- 12月11日(水)
利用者多し。定年後の方が奥行のある調べものをなさっていたり。
私たちの世代の定年後はどうなっているのだろうな、などとふと思う。
諦念が満ち溢れた国になっちゃったなあ。
貸出券の紛失届多し。更新業務を長らくしていないので、かなり前に
登録した貸出券も有効であるため、紛失が多いのしかたがないのであっ
た。
予約本の電話連絡をする。予約が多いなあ、としみじみ思う。五十件
ほど。
- 12月8日(日)
真珠湾を攻撃したらしい日だからジョン・レノンの命日だな、などと
22年前の寒い日のことを思い出したのはラジオからジョンの声が聴こえ
てきたからだった。と、いつもと出だしを変えてみたりする。
日曜日。調べもの多し。中学生、高校生。なかなか難しいことを調べ
ているので、どれくらいの水準の本を案内したら良いのかが難しい。
家族連れ多し。お父さんが絵本コーナーの低書架の絵本が並んでいる
ところに凭れて、近くに開いたままの絵本が置かれていて、その上を乳
幼児が這っている。注意にゆく。三十分ほどして行ってみると同じよう
な状況だったので、聞いてくれないのだな、と思い、見にゆくと別の人。
ひとりじゃないって素敵なことね、などと天地真理の歌が頭をふとよぎ
る。本って大事なものじゃないのだろうか。何十人もが読む図書館の絵
本。ほかの人が見やすいように本棚の前のスペースを空け、絵本コーナ
ーの真ん中あたりで子供に読んできかせるようにする、なんて配慮をす
る人が案外少なかったりもする。他人に対する想像力は本を読めば備わ
ってくるのではないのだろうか、などと考え込んでしまうのはジョンの
命日だからかもしれない。
レノン忌や真白く曇りたる眼鏡
- 12月4日(水)
旅行に行ったり、ADSLにしたり、なにやらばたばたと時が過ぎ、気
がついたら12月になっていた。図書館についてあれこれ考えていると、
時々なにがなんだかよくわからなくなってくる。
20日に県図書館でレファレンス研修の講師をすることになっている
のだが、これまでにおこなわれたほかの講師の方の資料を見るとみなさ
ん真面目である。事前に受講者に問題を出し、調べてもらい、その回答
を使って講義をするという方式。問題は問答形式にしてほしいとの要望
があったので、私は普段時折カウンターで交わされる利用者とのシュー
ルなやりとりをやや誇張した形につくってみたのだが、ほかの方のは、
「○○について知りたい」、「××を読みたい」とかシンプルである。
私の問題の作り方はあれで良かったのであろうか。ううむ。
大学生の調べもの、多し。卒論で使いたいなどという学生も来たりし
ている。暮れである。
- 11月17日(日)
風邪が流行っているらしい。地区館の臨時職員のひとが風邪で高熱。
そのため本館からひとり行ったのであった。
混んだ。「労働基準法」について調べている学生がいたので、「大
学生ですか?」と尋ねたところきょとんとしているので、「高校生か
な?」と問うたら中学生であった。最近の娘さんは年齢がよくわから
ない。しかもなかなか難しいことを調べていたりもするのであった。
粗相のないようにせねば。
中学生、高校生の調べもの多し。レファレンスは大変だけれども楽
しい。
- 11月16日(土)
職員が一人新婚旅行に行っていることもあって人数が少ないため、
久々に三交代でローテーションを組んだのだったが、組んだ本人がそ
のことをすっかり忘れていて、休みの時間を間違えた。
午後からばたばた。レファレンスも多いし貸出も多い一日であった。
ふう。
- 11月15日(金)
私が受付に出ると混む気がする。レファレンス多し。
- 11月14日(木)
利用者はそれほどでもなかったが、レファレンス多し。足が疲れた
一日であった。大学生の宿題もけっこうあった。朝、隣町の中学生が
総合学習の調べものにきていたのだが、静かで礼儀正しいことに驚い
た。
高校生の実習。図書館のPRについて説明。PRが足りていないな、
と説明しながら気がつく。図書館の仕事をわかりやすく話すことは自
分のため、図書館のためにもなるのであった。
- 11月13日(水)
電算関連のトラブルがあり、あれこれしているうちに時が過ぎた。
利用者多し。
- 11月10日(日)
病気で倒れた職員がいたりして人手が少ない日であったが混む。ばた
ばた。登録が今日も多い。
全集のなかの短篇を探す人、全集にしか入っていない長編を探す人が
利用者用端末のキーを叩いているのを発見。短篇や古い小説はタイトル
から引けない場合がままあります。見つからないときは司書に尋ねまし
ょう。
- 11月9日(土)
登録、貸出券の紛失届多し。貸出券の更新を長らくしていないため、
十年くらい利用していない人の貸出券も使える状態となっているわけで、
そうした場合新規登録ではなく、紛失届を出していただくことになるの
であった。その日は紛失届用紙で仮に借りていっていただき、一週間後
再発行をするのだが、この一週間で古い券が出てくるから面白い。
レファレンスも多かった。
- 11月7日(木)
今月は沢山休む私。休んでいる間にたまった仕事を片づけた。
調べものが今日も多い。
- 11月3日(日)
昨日混んだせいか、今日はさほどのことはなかった。しかし調べもの
は多い。インターネットで調べられなかったから、といらした人もあっ
た。今後そうした調べものが増えてくることであろう。司書の腕の見せ
どころではある。
- 11月2日(土)
土曜日らしい土曜日。ばたばた。
利用者用端末で探すより司書に訊いてもらった方が早い場合が間違い
なくあって、それはテーマでの検索。どことどこに分類されているか、
棚に案内するわけで、「このあたりとこのあたりをご覧ください」で片
がつくのだけれど、お客さんが探すとなると、一冊ずつの本のタイトル
を書き留め、分類番号を書き、といった作業になるのである。閉架の本
が多くあるときにはもっと大変。司書に問えば、「閉架から選んで持っ
てきますよ」と司書が持ってくるのを待てばすむのでした。タイトルが
はっきりしている、あるいはある著者の本を調べるといった場合以外は
お気軽に司書を使いましょう。その為に居るのですから。
- 11月1日(金)
空いていた。あれこれを片づける。
- 10月31日(木)
難しい調べものが多い日。その名前は聞いたことがあるぞ、と人物に
ついてのレファレンス。しかし何を引いても出てこない。別の職員に尋
ねてみると確かに聞いたことのある名。郷土関連の人だっただろうか、
と二人で唸るがわからずじまい。こういうのは実に悔しいのであった。
- 10月30日(水)
利用者の多い平日であった。
小学生の調べもの多し。先生がある程度指導しておいてくれるとあ
りがたいのだが。
- 10月29日(火)
空いていたが、レファレンスの多い一日であった。
フランス語を学んでいる社会人の人からのものであったりするとな
かなか大変。
「ハリーポッター炎のゴブレット」が図書館に入った。発売前に60
件のリクエスト。いままでの巻と同様10冊購入。今から予約する人は
4ヶ月ほど待つこととなる。
- 10月27日(日)
昨日よりも混んだ。トイレにゆきそびれるくらいであった。
小学生の調べ学習、中学生の調べ学習多し。調べられそうにない、
一般書にも資料がないにちがいないようなレファレンスがくるので大
変。先生はある程度探せるかどうかを確認しておくべきではなかろう
か。黄楊の櫛について詳しく知りたいってのは結局わからなかったの
であった。
新刊の出版点数が少なくなっているのと予算が減ったためとで新刊
を並べる棚が珍しく三段も空いていたので先日亡くなった笹沢佐保と
山本夏彦の特集棚を朝十分ほどで作った。
- 10月26日(土)
混んだ。さすがに土曜日であった。
大学生の宿題二件。一件はなんとかなったが、一件はフィールドワ
ークをしたほうが早いのではないかと思われる宿題。調べる方法につ
いて先生は指示しなかったかな、と問うたけれど、なにも教えてくれ
なかったとのこと。ま、大学生だものな、とは思うものの、なかなか
に難しい調べものではあった。「ガイジン」という言葉は差別か区別
か、だって。知り合いも幾人かいるとのことなので、直接本人達に訊
いて統計をとるのがいいのでは、と勧めておいたのでした。ひとつの
言葉をめぐる論文は雑誌を探しても多分それほど多くないのではなか
ろうか、との読みをした私。けっこうあったりして(^^;)。
- 10月25日(金)
館内整理日。
朝、ミーティング。午後から美術書の開架閉架のいれかえをする。
開架のスペースに限りがあるため、美術書はかなり沢山、閉架に入
れてある。目に触れないと利用があまりされないわけで、年に三回
いれかえをしているのであった。重いのが難。
開架から閉架への異動作業。開架がなかなかいっぱいになってい
る。
- 10月22日(火)
朝、来週のカウンターローテーションを組む。午後、見計らい。
新刊発注。
利用者多し。ばたばたする。
- 10月20日(日)
さすがに日曜日。混む。図書の受付と視聴覚資料の受付。どち
らもばたばた。歳を感じたりもしたのであった。
中学三年生の調べ学習。児童書では簡単すぎ、一般書では難し
い。ややこしい年頃。しかし、なんとかなった。
OPAC(利用者用検索端末)を使い慣れた人が増えてきたため
か閉架の資料の利用がとても多くなってきている。百冊くらい出
入りがあった。閉架の二階にある本も沢山。足が丈夫になる仕事
だったりする。
- 10月19日(土)
二日休んだので仕事がたまっていたのであった。机の上が大変。
寄贈書や決裁書類を処理。新刊発注。土曜日なので利用者も多か
った。
小学生の調べ学習関連のレファレンス多数。メタンガスについ
て、というのがなかなかの難題。環境問題についてもわかったほ
うがいいとのこと。貸出中になっている本になにか載ってそうな
のだけれど、ある本のなかには見つからなくて残念。最近の小学
生は難しいことを調べているのであった。
- 10月18日(金)
研究集会二日目。事例発表は東浦和図書館。ここは自動貸出機
とブックディテクションを導入していることで有名。貸出処理の
省力化によってレファレンスを充実させているのでした。いくつ
かの疑問点があったので質問。ああなるほど、諦めている箇所が
あるのだなと納得。日本図書館協会からの情勢報告のなかに公貸
権が著作権法改正のなかに含まれているので抗議し、留保された
との話があり、それは危険そうであるな、と思ったのでした。あ
まり良さそうな話はなし。
研究集会終了後、少し遠かったけれど、東浦和図書館に寄って
きました。広いゆったりとしたスペースに低書架が並んでいる。
日本十進分類法を崩して排架されているところがあって利用しや
すそう。スペースがあるというのは素晴らしいこと。私の勤務先
でも別置については検討の余地があるかなと思ったのでした。あ
れこれと個人的に感じたことはあったけれど、差し障りがありそ
うなので書かずにおきます。この件についてご質問のある方はメ
ールをください。
- 10月17日(木)
さいたま市での「全国公共図書館奉仕部門研究集会」に出席。さ
いたま新都心駅は昔のSFマンガに出てくるみたいな不思議な町。
講演は菅谷明子さん。メディアリテラシー(岩波新書)の著者。
NYの図書館のサービスについてのお話。近頃流行っているビジ
ネス支援とか医療情報サービス、情報リテラシーについて。よく
尋ねられる事柄についてWebページでわかりやすく示すための編
集能力も司書には必要との説には納得したのだけれど、あまり同
じ事柄を尋ねられないのが地方の図書館なのだよな、と思う。地
元の歴史については市史があるから該当ページを示せば済むのだ
し。高い要求が頻繁に出てくるようにするために、様々な要求に
応えることからはじめているわけだけれども、それで手いっぱい
になっちゃうのが現状。医療情報ってしかし眉唾もののをリンク
先に載っけちゃって、それを信じたが為に病が悪くなっちゃった
人の例なんてのはないのだろうか、と意地の悪いことをふと思っ
たり。ビジネス支援にしても医療情報にしても人手不足気味で利
用の多い図書館ではすぐにできそうもない、それほど要望もない
サービス。うっかりあちこちで流行っちゃったりして、しなくて
はならなくなるとそれはそれで大変であろうなと想像するのであ
った。情報リテラシーってゴミだらけのインターネットのなかか
らゴミじゃないのをいかに選るか、なのだけれど、そもそも本だ
って玉石混淆。ここが良いサイトですよ、と提供することは図書
館として正しいのだろうか、などとも思う。
事例発表が二つ。ひとつは、かなりまずい状況だった県立図書
館を普通の状態にしたら利用が増えたといった内容。まだまだま
ずいところが多い全国の都道府県立図書館が少しでも良くなると
良いなと思ったのでした。私は二つ質問。図書館関連の講座を開
いているとの話だけれど講師は職員がしているのか、その講座は
役にたったのかってのと、利用者との懇談会で出てきた意見には
すぐに使えるものがあったのかというの。講座は職員がしてると
いうので只でできるな、と参考になったのでした。
- 10月16日(水)
明日明後日とさいたまに出張するのですることが多かったので
あった。新刊見計らい、新刊発注、分類づけ、開架から閉架への
異動など。利用者もなかなか多かった。
先日のツチノコのお客さんが写真を持ってきてくださった。残
念ながら不鮮明だったけれども確かに不思議な生き物。しかし折
角持ってきてくださっても図書館ではどうしようもないのであっ
た。マスコミに話してみる、とか、爬虫類専門の大学の先生のと
ころに行かれてはどうでしょうか、と勧めておいたけれど、もう
このあたりでいいかな、とご本人はおっしゃっていたのでした。
- 10月14日(月)
祝日。世間では三連休の最終日。そのせいか比較的空いていた。
書架にぎゅう詰めのところが増えてきたので閉架にしまう本を選
ぶ。増えることはあっても減ることはないのだよなあ。棄てぬ限
りは。って、棄てるとなると何を棄てるのかがとても大変な作業。
閉架の技術書関連の本を今年度は少し廃棄処分とし、県図書館の
所蔵していないものを寄贈したりもした。これからの大きな課題
である。
- 10月13日(日)
日曜日であった。ふう。レファレンス多し。中学生の自由研究
に隣町から来た親子連れ。隣町の図書館では探せなかったとのこ
と。その調べものはどこの町の図書館でも厳しいぞ、という感じ。
「中国と日本の農薬散布の違いについて」。最近話題になってい
る残留農薬であれば新聞記事を追ってゆけばなんとかなるけれど、
どの作物にどれだけ何を撒いているのかはところによって違うだ
ろうし、はて。「テーマを変えてはどうでしょうか」と説明する
とテーマを変えたのでした。調べられる自由研究と調べるのが無
理な自由研究があるってことを学校の先生は生徒に教えてあげた
方がいいと思う。
ひとつのことを尋ね、閉架から本を出して渡すとつぎのことを
尋ねるといったタイプのお客さんが時折いらっしゃる。できれば
はじめにまとめて尋ねていただけると助かるのでした。
開架と閉架の行き来が多い一日。病に倒れた職員もいたりして
ばたばた。
- 10月12日(土)
視聴覚資料の受付を久々にする。私がカウンターに立つとやや
こしいレファレンスがあるのはなぜだろ。確かにここで友達の友
達の友達が借りたと言う若者二人組。しかしそれは音楽出版社の
出しているCD-ROMで検索してもこの二枚のアルバムにしか入っ
ていないのだし、それは我が館にはない、と説明。しかし納得し
ない彼ら。ならばその友達の友達の友達にさらに詳しくどんなCD
であったかを確認して欲しいとあれこれ。結局見つからず。借り
たというのが間違いなければなければならないわけですっきり
しない。
図書の受付は比較的空いていたのだが、帰り際にばたばた。
新刊発注、寄贈本の整理など。
- 10月11日(金)
久々の出勤。机の上が書類と本の山。それを片づけるだけで半
日が過ぎてゆく。見計らい、発注、寄贈図書を蔵書にするか否か
の判断など。どかどかと片づける。
利用者は少なかった。
- 10月9日(水)
久しぶりに分館に勤務。水曜日は土曜と同じくらい混みますよ、
と朝に聞いてはいたのだが、なかなか混んだのであった。新しく
造成された区域があったり、大学ができたりしたためか、利用者
層も違ってきている。私がここに勤めたのは九年前。小さな館は
端から端まで見えるので利用者の要望がすぐにわかるし、簡単に
いろいろな実験ができたりして楽しかったのだった。その頃は利
用が少なかったのだが、私の後任の職員の力でとても混むように
なっている。今では平日の昼に本の配置を大きく変えたりなどと
いったことは難しかろうなと思った。蔵書数四万冊ほどの図書館
はけれども楽しい。足りないものが何かを知っていないとレファ
レンスができないあたりも実に楽しい。本館に電話をして、調べ
てもらったりするのである。
- 10月4日(金)
未年の年賀状をもう作ろうとしている人がいる。水墨画の羊の
描き方の本はないか、と問われて電算で検索するがみつからない
ので閉架で直接探そうとする私。「羊を探さなくちゃ」と閉架へ
向かう途中ふとつぶやいて、なんだか村上春樹の小説の登場人物
になったような気がして自分で可笑しくなった。
利用者はさして多くなかった。
新刊発注をする。
- 10月3日(木)
いろいろなことがおき、いろいろなひとが来た一日だった。ば
たばた。利用者はそれほど多くなかった。
来週のローテーション表作成、新刊発注。
- 10月2日(水)
昨日空いていた分、今日は混む。レファレンス多し。土日並み。
幼児がよく走っていた。ブックトラックに乗っかっちゃったり
する子供もいたり。おかあさん、見てないと危ないってば。
- 10月1日(火)
気がつけば10月である。時の流れは早い。
朝、旧中山道で変わった蛇を見たという利用者が来館。話を聞
くとツチノコのようである。ツチノコ関連の本を見せると、「そ
うそう、これこれ」と言う。ついつい「写真はとったのですか」
と尋ねてみると、「一緒に行った人が撮ったのだけれど暗くてう
まく撮れなかった」とのこと。なんだか残念である。
台風が接近していたこともあって利用者の少ない日であった。
- 9月29日(日)
朝、割と空いている日だな、と思っているとばたばた混む。さ
すがに日曜日であった。
- 9月27日(金)
館内整理日。ミーティングでは視聴覚資料の今後についての話。
私が入ったばかりの頃、初めの数年、視聴覚資料の担当であった。
図書にあまり触ることがない日々。なんでこんなの集めるのだろ
うなあ、と思いつつ、図書館における視聴覚資料についての理論
武装を私のなかでしていったりもしたのだったな、などと思い出
す。軽んじてはいけないのだ、と思い込んだり。しかし本当は視
聴覚ライブラリーのようなものが中規模都市のあちこちにあって、
それだけについて詳しい職員がいて、といった状態になるのが正
しいのではなかろうか、と当時から考えている私。聴きたい音楽
を聴ける環境が整えば良いだろうなあ。でも、都道府県だって政
令指定都市だってそんな状態じゃないものね。中小都市の図書館
で片手間に視聴覚資料を置いてあったって、多分ただの客寄せに
しかならない。この話、「一図書館員から見た日本」に書こう書
こうと思いながらまだ書いていなかったな、と思い出す。
午後、開架から閉架への資料移動。
五年半勤めた臨時職員さんが今日で退職。とても図書館員に向
いた人であったけれど、正規職員になるすべがなかった。しかし
彼女は優れた人なのでアカデミズムの世界できっとなにごとかを
なしとげるであろうと思う。彼女の行く末に幸いあれ。
- 9月26日(木)
さして混まなかった。
高校生の実習。選書、発注、受け入れ業務について。選書の話
で、「あたりまえのことだけれど、図書館員の好みで本を買って
はいけないんだよ。私は元々本を借りるのが嫌いだから読む本は
自分で買ってる」と言ったところ随分びっくりしていたのでした。
もしかすると図書館員は自分のシュミで本を選んでいると思って
いる人が案外沢山いたりするのだろうか。蔵書構成のバランスを
考えてかなり頭を使って選んでいるんですけれども。
- 9月25日(水)
発注した本が今週まとまってやってきたため、分類作業が大変。
このうちリクエスト本がかなりある。本の質についての話を図書
館員が語ることを良いとは思わないのだが、リクエストの質が総
じて落ちている。芸能人の本、レシピ等、十年前にはほとんど考
えられなかったようなリクエストがまま来る。利用者の要求に沿
って購入すべきであるとの意見が司書のなかで多かった為、ゴー
ストライターが書いたであろう、やたらと字が大きな本も蔵書に
するようになってきている。これはしかし図書館におけるリクエ
ストという問題ではなく、日本における出版状況、文化状況、民
度といった話とくっついているわけで、それに私が逆らったって
良いことはなかろう、と私は諦めながら仕事をしていたりするの
であった。「以前、芸能人の本はどうだったのですか」と若い職
員に問われ、「芸能人の本はこそこそと買ったものだよ。図書館
でリクエストするのは恥ずかしかったと思うな。私は元々図書館
利用者じゃないから知らないけれど、十年くらい前まで、ほとん
どリクエストはなかった。買うときはほかの本の下に入れてそっ
とレジに出したり。えっちな本を買うときのように」と答えると、
えっちな本も堂々とレジに出す職員もいたりしてよくわからぬ話
となった。ちなみに私はあまりえっちな本は買わない(為念)。
こそこそすることが減ったのは人類が進歩したって話なのかなあ、
などと変なことを考えてみたり。
- 9月23日(月)
先週の月曜日は混んだので今日も混むかと思ったらさほどでも
なかった。
督促電話をかける。
- 9月22日(日)
日曜日の割に空いていた。
この時期、大学生の調べものが多い。
リクエスト、多し。発注処理、相互貸借などで後の作業が増え
る仕事なのであるが、図書館の信用を得るための重要な仕事。
督促電話をかける。幾度も催促をしている一年以上遅れている
人が、何を借りていましたっけ、などとおっしゃる。ま、そうい
う人だから遅れるのではあるが。
- 9月20日(金)
午前はさして何事もなし。カウンターと新刊発注。
午後から県の研修委員会。レファレンス研修の内容についての
話とIT研修会の話。レファレンス研修を一齣担当することにな
っていた。IT研修会についての話が難しい。どのような研修を
すると受講後仕事に役立つのかといったあたりで私があれこれと
話をしたりするものだから時間が長くなったり。しかし仕事の時
間を割いて受ける研修が役に立たないのではまずいのである。特
に、公共図書館の職員は税金で働いているのであるから、受けた
けれど意味がなかったと思われる研修ではいけないと思うのであ
る。私がこの研修委員会で話せるのは役に立ちそうかそうでなさ
そうか、といったことくらいなのでした。受けた人にどんな影響
があるかなあ、と想像ができる研修ができたらいいだろうな、と
考えるのでした。きっと全然役に立たないけれど予算があるから、
といったような研修が過去にないでもなかった反省からはじまっ
ているであろう今回の研修委員会。私にとってなかなか刺激的で
あり、仕事場に帰って役に立つことがありそうなのでした。生き
ていて、仕事をしているうちにしかできないことはきっと沢山あ
るのだと思う。
- 9月19日(木)
空いていたかと思うと混む。落ち着いて考えると閉架の資料の
利用が随分と増えた。OPAC(利用者用検索端末)がよくなって
いるからなのであろう。しかしそれでも調べきれない利用者がカ
ウンターへ尋ねにくる。司書は必要なのであった。
来週のカウンターローテーション作成と新刊発注。
- 9月18日(水)
さすがに休み明けである。ブックポストに本がいっぱい。
なぜか調べもの多し。利用者数はそれほどでもなかったのだが。
- 9月16日(月)
祝日の月曜日は混むな、と再確認。
中学生多し。調べもの殺到。
- 9月15日(日)
慌ただしい日曜日であった。登録者も多かった。
郷土に関する調べものの中学生が少しと、「史記」に出てくる故事成
語についての宿題をしにくる中学生が続々。そんなに資料はないぞ、と、
びくびくしていたがなんとかなったのであった。
リクエストも多かった。
延滞督促電話をかけたりリクエストの本を発注したり。
- 9月14日(土)
近くの中学校で郷土に関する調べものの宿題が出ているようで中学
生がぱらぱらとやってきた。しかし資料が少ない内容のものがあった
り、貴重な資料を出したりせねばならぬところがあったりもしたため
ばたばた。
混んだり空いたり。
リクエスト多し。
- 9月13日(金)
変な混み方をする日。大抵ずっとがらがらなのに急に混む。そして
さっと誰もいなくなる。一日そんな感じ。精神衛生上良くない感じの
混み方。
ローテーション表作成。新刊発注。
- 9月12日(木)
朝、新刊書の見計らいをする。今月いっぱいで午後四時間勤務臨時
職員が二人退職するので新しい人を募集しているのであるが、応募者
二人と面接。午後、来週のカウンターローテーションを組む。
高校生が企業実習ということで今日から11月までほぼ毎週三時間ず
つくる。今日は図書館見学と、うちの図書館の歴史について。生年を
訊くと昭和59年とのこと。私が図書館に入った年。23学年の差。と
いうことはほとんど親子である。時の流れをふと感じたりしたのであ
った。物心ついたころからコンピュータがあったのだものなあ。コン
ピュータが図書館に導入されていなかった時代の仕事について話した
りもする。目をまるくしていたが、私たちはコンピュータが導入され
たときに驚いたものである。歳をとったなあ。
- 9月8日(日)
空いているな、と思っていたら夕方から混み始めた。
さしたる事件もなく、変わった調べものもない一日であった。
- 9月7日(土)
雨が降ったり止んだりしたせいか、混んだり空いたり。
二週間延滞している子供にかわって二週間延滞した資料を続けて
借りたいという母親。継続は一度しかできないのですでに継続して
貸したのと同じ状態です。そもそも延滞はいけないのです、と説明。
さらにいろいろと問われる。なんだろうなあ。現在購入可能な三冊
二千円ほどの文庫本。長く読みたければ購入するなり、必要な箇所
を複写するなりすれば良いのだが、大学生の子供がレポートを書い
ている途中だと言う。おかしな話だ、と感じる私がおかしいのであ
ろうか。正直と言えば正直な人ではある。だまってさらに延滞する
という方法だってあるし、家族とはいえ他人の貸出券で黙って継続
して借りれば借りられるわけだものなあ。と、もっと悪いひとと比
較すればこの人はそれほど悪いひとではなくなるのであった。尺度
がどんどんヘンテコになる仕事場だったりする。
気がつけば訪問してくださった回数が30000を越えていた。あり
がたいことです。カウンターをつけたのはいつだったかなあ。日記
だけでなく、も少しいろいろと書いたりなんだりしなくては、と思
う私であった。
- 9月6日(金)
とても空いていた。調べてみると去年も9月の第1週の金曜日は空
いていたのだった。
新刊発注をする。この頃は「これは面白そう」とか「図書館に入れ
ねば」と思うような本がとても少ない。来月からの臨時職員出勤表も
作成する。
- 9月5日(木)
私がカウンターに出るとなぜか利用者が増えたり、ややこしい調べ
ものがあったり、本の紛失届が出たりする。空いた一日であったのだ
が。
来週のローテーション表を作る。二交代勤務は楽だ。新着図書の分
類付もする。
- 9月4日(水)
久しぶりに出勤。さすがに仕事がたまっていた。閉架がいっぱいに
なっている箇所があり、さてどうしたものか、と思案投首。閉架は冷
房がきかないので、もう少し涼しくなってから考えることにしよう、
と保留。
新刊見計らい。分類。発注。
大学生が調べものに来る。小中高生がいなくなってからは大学生が
来るのである。教養課程程度の、うちの図書館でもなんとかなる宿題
ではあった。
- 8月30日(金)
今日も利用者が少なかった。しかし貸出券の紛失届や、新規登録は
なかなかあったのだった。
来週、人間ドックのある人が二人いたのを忘れてローテーションを
組んでいたため、作り直し。
新刊のパンフレットを三十枚ほどチェックし、発注する。
今年度から若い職員につくってもらっているとしょかんだよりの内
容確認。
- 8月29日(木)
今日も利用者少なし。宿題の追い込みであろうなあ。
新刊書の発注、来週のローテーション表の作り直し(休む人が増
えたのであった)。
- 8月28日(水)
早番。夏休に入ってから一番空いていた。宿題が忙しくて図書館
に来るどころではないのであろう。調べものをしに来た子供たちも
焦っている様子であった。つくつくぼうしが鳴いていた。夏の終わ
りの歌をいくつか思い出したりしていた。ムーンライダーズの「く
れない埠頭」とかさ。
新刊図書の見計らい。リクエスト本の発注。来週のローテーショ
ン表作成。
利用者用検索端末がおかしくなったので、電算業者と話をし、サ
ーバー機のリブートをする。「これってもしかして全部の通信がと
まっちゃうんじゃないの」「ええ」「うわ。早く言ってよ」貸出返
却の業務がとまってしまうのであった。緊急用のプログラムでなん
とかしのいだ。利用者が少ない時間帯だったので大きなことにはな
らなかったものの、SEの話には注意せねば、と改めて思ったので
あった(^^;)。しかし利用者用検索端末がとまってしまう原因は不明。
時々サーバーのリブートをせねばならないのであろうか。はて。
- 8月27日(火)
最後の遅番。明日からは早番。早く寝なくては。
貸出返却はさほどでもないが、小中学生の調べもの多し。
新刊図書の見計らい、発注、分類作業。
- 8月25日(日)
なぜか比較的空いていた。家で夏休の宿題をしているのであろう
か。とはいえ貸出は4000冊を越してはいたが。あと一週間で夏休
も終わり。
迷子が二件。
- 8月24日(土)
混む。入館者数、貸出冊数はさほどでもないのだが、調べものが
多い。夏休も終わりである。頭を使う仕事ばかりなのでふらふらす
る。
- 8月23日(金)
館内整理日。
本棚を整える。さすがに夏休期間だけあって、細かく見てゆくと
変なところに変な本があったりする。本屋と図書館の大きな違いは
本が動くか動かないか。主に新刊や平積の部分、雑誌のスペースの
みが動く仕事とすべての分野の本が数千冊、出たり入ったりする仕
事とはかなり違う。本屋さんは返本が大変だが、図書館は閉架へし
まう仕事がなかなか大変。開架のスペースの有効利用を考えながら
の移動をしていかないといけないので結構頭を使う。返却本が来た
時に入らない状態ではいけないのである。閉架がいっぱいになって
きているので廃棄も考えないといけないのでこれも大変。なんとか
格好を整える。帰り際、「明日、開館後三十分もするとぐちゃぐち
ゃになるんだよね。棚がきれいな状態を何人のお客さんが目にする
んだろう」と言う職員がいる。流行ってるんだからいいんじゃない
か、と思う。
- 8月22日(木)
夏休も終わりに近づき、調べものの子供、親子が多い。しかし
割と空いた一日であった。
再来週のローテーションを組みはじめる。9月である。7時まで
の勤務に戻る。ローテーションの組み方がわからなくなってしまっ
ていたりする。
- 8月20日(火)
休み明け。ブックポストへの返却は1000冊ほど。排架に昼まで
かかる。
夏休もあとわずかなので調べもの多し。ばたばたとする。
延滞する利用者について館長と話していて、「9割7分くらいは
善良な利用者なのだな」と問われる。「3週間以上遅れている利
用者が週に150人ほどなので確かにそれは3%ほどですが、3日く
らい遅れている利用者は数には出ていませんが、3割くらいはい
ると思いますよ」と言うと、「そんなにいるわけないだろ」と驚
くので、若い職員に、「カウンターに出てて延滞3日以上の人の
割合はどれくらいだと感じるか」と訊くと、「視聴覚資料も合わ
せたら5割くらいでしょうか」との答え。館長はさらにびっくり。
私はそこまでひどいとは思いたくないけれども。図書館で働いて
いると、善良な人はそれほど多くはないのだ、と知ることになる
のでした。そのかわり、良い人と接した時にはとてもうれしい気
持ちになるのです。
- 8月18日(日)
遅番。比較的空いた日曜日。雨が降ってきたし、連休の最終日だ
し。
夏休もあと二週間。ふう。
- 8月17日(土)
体調がいまひとつ。さすがにばててきている四十の私。
ここ数日、「お盆だけど開いてますか」との問い合わせが多い。
「開館時間は何時までですか」「九時までです」「え、夜のですか」
「ええ」朝の九時まで開いていたらそれはそれで怖いと思うが。
混む。体調不良で帰った職員がいたため、帰ろうかな、と考えて
もいた私は帰れなくなった。なんとかにこやかに応対できたと思う。
- 8月16日(金)
比較的空いていた。しかし調べものと貸出券の紛失届がとても多
かった。夏休も半分を過ぎ、宿題調べがばたばたしてきたのであろ
う。
韓国のお茶の生産量についての資料はありませんか、と尋ねられ
る。ありそうなのにみつからない。中国や台湾のはあるのだけれど
も。
- 8月15日(木)
混んだ。貸出返却はさほどでもないのだが、レファレンス、登録、
紛失届、予約が沢山。暑いせいか様子のおかしなお客さんも幾人か
いらしていた。
新刊書見計らい、発注、ローテーション表作成、督促電話。ばて
気味の昨今である。
- 8月14日(水)
中番である。月火と休みの続いたあとの水曜日はブックポストがい
っぱい。特に8月は恐ろしいことになっているのであった。事務室に
入り、籍に腰掛け、ふとカウンター近くの壁を見るとブックトラック
が十台ほど。早番の人数も少なかったのだな、などとぼんやりしてい
たのだが、事態をすぐに把握。返却されていた本が1700冊ほどであ
り、書架に戻っていない本がその8割ほど。排架に出られるのは中番
の3人だけ。ということは、12時半からの遅番の人たちがこなければ
このブックトラックは片づかない。悪いことに中番のひとりは用が入
って2時間ほど出勤が遅れるとのこと。はて、昼に事務室の人間はい
るのだっけ、とローテーション表を見る。利用者はいっぱい。閉架の
資料の出し入れ、コピー申請、登録者も多い。11時半からの事務室の
人数が足らない。今日は分館の応援に行っている職員がいたのだった、
と思い出す。分館の職員が午後から見計らいに来ることになっている。
「11時半までに来てもらって1時間事務室当番をしてください」と電
話。それから書架へ本を戻す作業。汗みどろになって1時間。200冊
くらいを排架。食事に行き、受付へ。遅番の職員も多くない。利用者
が少ない時を見計らって排架やブックトラックの本を分類順に揃える
作業をする。3時頃ようやく朝のブックポストの分の排架が終了。目
に見えぬ仕事が多いのが図書館の特徴。
新着図書の分類作業、新刊見計らい。先週のうちにほぼ完成してい
た来週のローテーション表の修正。
- 8月11日(日)
日曜日にしては空いているな、と昼に仕事場についた時には思った
のであったが、終わってみると貸出は4500冊ほど。それにしても夏
は子供だけでなく大人も多いのはなぜなのだろ。不思議。
中学生が検索端末を引いて、「767ってどこですか」と尋ねる。
「向こうから0から分類番号順に並んでいるんだ。こっちからだと9、8、7
って風に」などと説明するのがなんだかうれしい。図書館の仕事はう
れしくたのしい仕事であるな、などと、なんということもないこんな
時にふと思う。
- 8月10日(土)
今日と明日は遅番。たまたま私がカウンターに出ている時間は空い
ていたが、終わってみると4500冊ほどの貸出。登録と貸出券の紛失
届多し。再来週のローテーション表を組み始める。
この季節になると四年前に若くして亡くなった友達の俳句が頭に浮
かんでくる。
悲しみは植木の並ぶ夏の暮
- 8月9日(金)
来週のローテーション表、分館へ職員が行かねばならぬ日のことを
すっかり忘れて昨日組み終わっていたのだが、誰が来てくれるんです
か、と分館から怒りの電話があり、全面的に作り直し。ふう。
比較的空いた日。みんなどこかに遊びに出かけているのであろうか。
無法な親子連れ多し。乳幼児もいたりして危険なため、幾人かの職
員で見回る。
本がよく借りられているので棚がすかすかしている。真横に倒れて
しまっている本があったりもする。ぱっと見て棚が汚いので、とりあ
えずまず雰囲気だけをなんとかするよう指示。中の分類をしっかりと
揃えるのはあとにしましょう、と言う。見た目が悪すぎる状態になっ
ているのであった。
中学一年生が四人、職場見学にやってきた。沢山の質問を抱えてい
る。自分で書いてきた字が読めない、というので見ると、「今後の抱
負を聞かせてください」とある。「抱負ってなんだか大変だよね」と
悩んだりする私。彼らはかつて小学三年生の時、図書館見学に来てい
るから、「見学はしなくていいよね。でも覚えてるかどうか見てみよ
うか」と閉架に案内すると、「来たっけ」などと顔を見合わせている。
閉架の二階への階段で、「あ、俺、ここでこけた」と男の子。「私は
覚えているわ」と女の子。電動書架を動かすと、「ああ、ああ、ここ
来た来た」と四人が一斉に声をあげた。小学校三年生の図書館見学は
どうやら記憶に残っているようであった。
- 8月8日(木)
比較的空いていた。しかし登録者と貸出券の紛失届が多い。貸出券
の更新をながらくしていない為、しばらく来館していない人が来たと
きに貸出券がなくなっている、というケースがかなりあったりする。
改めて利用をなさる方や夏だから、と調べものに使う資料を借りる学
生など。
来週のローテーション表の作成と新刊発注。
- 8月6日(火)
ブックポストへの返却本600冊ほど。三交代のため手薄。ばたばた。
課題図書はありませんか、との問い合わせ二件。課題図書には六月
から予約が入りはじめ、もうきっと夏休みには返ってこないといった
状況。数年前の課題図書を借りていってもらった。
新刊見計らい。分類作業等。比較的利用者は少なかった。世間は夏
休みなのかもしれない。海や山にみんな出かけちゃっているのであろ
うか。
- 8月2日(金)
比較的空いていた。幼児乳幼児の野放し多し。大きな声でオリジナ
ルのアンパンマンの歌を歌う子供がいたり、絵本を出してちらかし、
広げてその上を歩き、また絵本を出す子供がいたりもしたが、親は近
くにはいないのである。恐ろしい事件も起きている昨今、子供から目
を離すのは危険なのではなかろうか。
数日前、閲覧室の机の上に置いておいた鍵束がなくなりました、と
の届けがあった。あれこれなくなることが増えてきているので、置引
にご注意ください、との貼り紙をすることにした。物騒ではある。用
心はしかし必要であろう。
- 8月1日(木)
ばて気味な私。
中学生の調べものを手伝う。彼女らのテーマの設定では調べるのは
困難であろうから、といくつかのアドバイスをしている最中、ひとり
が携帯電話のメールチェックをずっとしている。「それは失礼だよ」
と注意をする。携帯電話は免許制にしてはどうなのだろうか。電話会
社が大変なことになるから無理か。
発注作業、来週のローテーション作成。
- 7月31日(水)
利用者多し。書架の前の床に本を広げて読む幼児多し。親はそのま
まにしている。混雑しているのだけれどもなあ。「ここは本棚の前だ
から、ほかの人が本を見られなくなっちゃうよね。椅子があっちにあ
るからそこへ行こう」と連れてゆく。先日は大人に同じ注意をした。
すると彼は、「ソファに荷物を置いている人がいるが、注意をしない
のか」とおっしゃった。その人も注意をしているのだけれども。ただ
彼のしてることはもっと迷惑だったのだな。通路まで塞いじゃって床
に寝そべって本を読んでるんだもの。と、思ったが言わず、「そうで
すね。ソファに荷物を置いている人にも注意をしないといけませんね。
ありがとうございます」と答えておいたのであった。公共の場では迷
惑にならぬよう過ごしたいものである。
小中学生の調べものの手助けをしたり。隣町からの登録者が多い。
がんばれ隣町。
この日、腹立たしいことがあり、興奮したままにあれこれと書いた
のだが、冷静になってみると、興奮していて冷静でなかったなあ、と
反省し、削除した。
- 7月30日(火)
今週はずっと遅番。昼に単車で勤務先へ向かうのだが、アスファル
トから湯気が出ているのでは、と感じるほど暑い。夏である。仕事場
へつくとひとり病人が出て休んでいるとのこと。変則勤務の夏。時折
少しずつ倒れるのであった。ローテーションは厳しいことになってい
る。
利用者多し。登録者多し。レファレンス、閉架の資料の利用多し。
貸出は3800冊ほど。
- 7月28日(日)
今日も遅番。騒がしい幼児多し。叱るふりをしているだけで本気で
静かにさせる気がないのがみえみえの親もいる。しばらくはそのまま
にしておくのだが、いくらのことにも賑やかであるので、注意をする。
音声はともかく、混んだ図書館で走ったりふざけて叩き合っていたり
するのは危ないのである。書架と書架の間をなにげなく歩いている人
と子供がぶつかりそうになることはしばしば。たまたま運だけで今ま
でそうした事故が起きていないが、私はあと十センチほどでぶつかる
ところであった、というケースを二年に一度くらいは目撃している。
先日は赤ん坊から目を離してしまいそうな親御さんがいたので、まず
本人に「見ていてくださいね。あぶないのですよ」と注意をした後、
職員に「よく気をつけて見ておくように」と言いおいて、私はレファ
レンスを受け書架へ案内にゆき、少し難しい調べものだったので時間
がかかり、カウンターへ戻る途中、乳幼児が元いたところから50メー
トルほど離れた場所を這っているのを発見したという事件もあった。
書架で本を手にとっている人は普通そのまま真後ろに下がるのだけれ
ど、下がる際に足もとに乳幼児が這っていないかどうかを確かめた方
がいいかもしれない。よく見ておくように、と言われた職員だって赤
ん坊だけを気にして仕事をするわけにはいかず、接客をしている間に
死角となるところを這っていってしまったらしい。ずっとあとをつけ
ていくわけにもいかない。児童コーナー以外、図書館は案外危険なの
である。
閉架の本の利用がとても増えている。登録も多く、レファレンスも
多い。貸出冊数は5200冊ほど。大賑わいの日曜日であった。
- 7月27日(土)
遅番。十二時半に着き、開架に出てまわるとなかなか事務室に帰っ
てこられない。利用者が多いのである。閲覧席で資料を使っていない
大人や学生に二階へ行ってもらうよう説明をする。そのうち二人の中
学生がしばらくしてから児童用の閲覧席で資料を使わずに勉強してい
るので、注意をすると、「えええええええっ」と大きな声を出す。思
わず。「ええっじゃないよ。子供じゃないんだから、説明を聞いてわ
かったよね。たくさんの人が君たちのように閲覧席を占めちゃったら、
ここにある百科事典をどこで見たらいいのかな」と言うと、「はあい。
わかりました」と意外に素直。「三時半だからそろそろ二階も空いて
きてるかもしれないよ。少し待っていたら空席ができるかも」と言っ
たが、「今日はもう帰ります」と帰っていった。一昨年、学習用の部
屋を復活させてから、また学生が増えてきている。調べものに来る学
生もその分増えたし、閲覧の利用者も多いから、棲み分けができても
いるのだけれど、テスト期間の前や夏休はやはりなかなか大変である。
5700冊以上の貸出。登録者は今日も30人を越えた。
- 7月26日(金)
館内整理日。特別整理期間から約一ヶ月で書架がかなり乱れている。
夏の本の動き方はすさまじい。特別整理期間で一万冊ほど閉架へ移し
たのだが、書架はところどころつまっているので、また少し閉架へと
動かす。
七時から九時までの間にマイクロフィルムを見たいひとやCD-ROM
を見たいひとがきたときのため、職員全員が使えるように研修をする。
昨年もしたのだけれど、利用頻度が高くないため、忘れてしまってい
る職員が多いのである。
- 7月25日(木)
比較的空いていたが、小中学生の調べものは多かった。登録も沢山。
来週のローテーション表作成。新刊書発注。受入本への分類づけ等。
- 7月23日(火)
貸出はさほどではないが、登録がひっきりなし。三時には三十人を越え、
五時には四十人を越えていた。さすがに夏休み。
「名字についての本はありますか」「チンパンジーについての本はあり
ますか」と小学生、中学生の質問が山ほど。楽しいが、人が多すぎて息苦
しい。
来週のローテーション表をつくりはじめる。新刊の見計らいをする。
- 7月21日(日)
体調不良の二人は出勤。ふう。
12時半から21時15分までの勤務の今日。夜は空いていたが、昼、仕
事場についた途端ばたばた。さすがに日曜日。登録は32人。貸出は約5千冊。
- 7月20日(土)
体調不良で二人休む。明日から恐怖の九時まで開館がはじまるわけで、
ぎりぎりの人員での三交代勤務をするのだが、もし一人でも休むとなると
勤務態勢から変えねばならず、休んだ場合のローテーションを三パターン
(Aさんのみ休み、Bさんのみ休み、ABさんとも休み)作り、連絡方法
についても検討。さらに休みが長びく傾向にあるAさんは来週も遅番に入
っており、来週のはじめにもしまだ休んじゃったらどうしよう、明日休み
の人にも連絡をせねば、といったようなあれこれもあり、念のため23日の
分のパターンをひとつ作る。頭がくらくら。
利用者多し。朝一時間半で貸出が1200冊を越えた時には7000冊くらい
の貸出になるのだろうか、と思ったが5000冊ほどであった。って、充分
多いのだが。登録者多し。大学生の宿題、中学生の宿題多し。作曲家につ
いて調べてきなさいとの宿題が中学校で出ているらしく、作曲家の伝記が
よく借りられている。しかし学校中の学生がやってきたら全然足りないぞ。
ま、人名辞典も音楽辞典もあるし、学校の図書室で調べる子も家の百科事
典で調べる子もいるからなんとかなることであろう。大人の調べものも多
い。どうして夏には子供だけでなく、大人も増えるのかなあ。不思議。
- 7月18日(木)
カウンターローテーションを確認してもらうと、間違いがぽろぽろとあ
った。この確認作業は作るのよりも大変。
市報に載せる本を選ぶ作業を若い職員にしてもらっているのだが、老若
男女に向け、硬い本柔らかい本とりまぜて、というあたりが良くわかって
いないところがある。小説はいわゆる純文学を二割くらいは入れるように、
と幾度か言っているのにまるで入っていない。読み物ばかりを選んでしま
っている。もしや、と思い、尋ねてみると概念が良くわかっていないよう
なのであった。こんな基本的な話がわからなくてどうして図書館に入って
きているのか、と腹立たしく思うが、最近はそもそも我が国においてこの
あたりが曖昧になってもおり、文芸誌を買ったりしていないとわかんない
のかもしれない、と思い直し丁寧に説明をする。世の中のうつりかわりの
問題なのであろうか。
夕方また混む。異常なほど混む。朝は空いていたのだが。
発注業務もする。
- 7月17日(水)
午前中空いていたので今日はこんな日かな、と思っていたところ、夕方
ひどく混む。瞬間風速はかなりのものであった。日曜日よりも忙しいほど。
平均的に利用者が来てくれるわけにはいかないものであろうか。などと無
理なことをふと思う。
「子供が二冊破っちゃったんです」と出された本は表紙だけ。一冊は糸
綴じのしっかりした本なので中にページが少し残っていてなんとも痛々し
い。いったい本をなんだと思っているのだろうな、と怒りで胸が熱くなる
が、淡々とした顔をして弁償をしてもらう。子供が触るとまずいものは高
いところに置くというのは人間としての基本ではないのか。本を一冊選び、
分類し、装備し、入力し、排架するのがどれだけの仕事かを考えたことは
ないのか、となぜか無性に腹立たしい気分になる。湿度が高いのが原因か
もしれない。
カウンターローテーション完成。夏休用は普段のものの数倍手間がかか
る。九時までの開館、三交代の勤務。
図書館関連のメールが二通届いたのに返事を書く。どちらもなかなか難
しい内容であった。
- 7月16日(火)
早番。朝、ブックポストに800冊ほどの返却本。処理に追われる。
県の研修委員会からメールが届いていた。委員全員がレファレンス研修の
案を出すことになっていて、私も出したのだけれど、なんとなくみなさんの
は立派で、私のが貧相に見えたのであった。
午前中、空いていたのだけれど、午後から怒濤の如く混む。調べもの多し。
来週のローテーション表を作りはじめる。見計らい、発注もする。
- 7月14日(日)
午前中空いていたので、今日は平穏な一日になるか、と思ったらやはり甘
かった。午後からばたばた。なにがなにやらわからぬ間に一日が過ぎていっ
たのであった。新規登録の人が多いのはどうしてなのだろうなあ。
- 7月13日(土)
これでもか、というほど混む。頭がくらくらする。なぜか新規登録者、貸
出券の紛失届を出す人も多い。新たな利用者、久しぶりの利用者が来館して
くださっているということ。うれしいが、慌ただしい。
幾人か大学生が宿題を調べにきていた。明らかに大学図書館でしか調べら
れないもの、大学図書館で調べた方がはやいものがほとんどである。彼ら彼
女らがこの多忙な中規模公共図書館を余計にばたばたさせているのだ。大学
図書館の使い方について、大学はもう少し丁寧に教えないといけない。或い
は中学高校あたりの図書館を充実させ、段階的に図書館利用法を覚えさせる
ようにすべきである、と私は思う。大学、短大への進学率があがっていても、
調べ学習を文部科学省がすすめようとしていても、この寒々とした現在の状
況をなんとかしないと我が国の知の水準はあがるはずがないような気がする
のだが。ま、大学生の親が来なかっただけましではあるが。
視聴覚資料の延滞督促をする。延滞をする人の気持ちが私にはさっぱりわ
からない。遅れるくらいならはじめから借りなければいいだけのことなのだ
が、と今更ながらしみじみと思う。人に迷惑をかける可能性のあることを平
気でする人の多さはなんなのだろうか。と、今日はばたついたため、やや、
神経がささくれ立っているのであった。
- 7月12日(金)
来週の日曜日から世間は夏休である。私の勤める館は9時まで開館するの
であった。カウンターローテーション表づくりが大変。私が作り、上司がチ
ェックをするのであるが、二人ともすっかり作り方がわからなくなっていた
りする。ともあれ完成。再来週からのことを考えると憂鬱になる。
特別整理期間前の返却日が今日であったため、昨日と同様混むかと思いき
や、昼過ぎまではがらんとしていた。ところが三時を過ぎたあたりから異常
なほどの混み方。
近頃気になっているのが、中高大生の持っているペットボトル。閲覧室や
閲覧コーナーの席に置いている。飲食禁止の場所に飲食物を置く感覚がもう
わからない。なかにはそこで飲み始める輩もいるのでこれは当然注意をする
のだけれども、ただ置いておいて、エントランスへ行って飲んでいる学生も
いる。あれは持ち歩かねばならぬのかな。私のその年頃には飲み物を持ち歩
くといったら遠足やキャンプの際に水筒を持っていったくらいだったが、ペ
ットボトルとはいったいなんなのだろ。そもそも我が家ではほとんど買った
ことがないから余計にそう感じるのかもしれないのだけれど、図書館に持っ
てこなければならない、といったあたりがいまひとつよくわからないのであ
った。生水を飲んではいけないからなのかな。冷水機はあるんだけれどもな
あ。
- 7月11日(木)
遅番。事務室からカウンターをながめると、まだ10時半だというのにお
客さんがいっぱい。「はて。どうして木曜日にこんなにひとがいるんだろ」
と言うと、「特別整理期間の前に貸し出した本の返却日が今日と明日にな
っているから」との声が返ってきたのでした。おおお、律儀なお客さん達。
そういえばなかには返却期限の日限表に記載された日に返さないといけな
い、その前ではいけない、と勘違いなさっている方もいるかもしれない。
多分あまりいないけれど。そんなわけで木曜日にも関わらず貸出冊数が3500冊
を越えたのでした。土曜日と変わらないくらい。よれよれの一日となりま
した。難しいレファレンスもあり、三十分ほどもかかってしまったり。
来週のカウンターローテーション表を半分ほどつくる。
- 7月10日(水)
久々に仕事に出かける。日曜日には急な用事ができた職員や病気になっ
た職員が三人もいて、かなりすさまじい状態であったとのこと。今日は休
館日明けだが、颱風が来ているし、それほど混まないだろう、と思ってい
たら大間違い。そういえば颱風の日にはなぜか利用者が多い我が図書館。
風が吹くと本を読みたくなる市民が多いのであろうか。はて。
新刊本の見計らいと発注、購入した本に分類をつける仕事などをする。
昼休時間に無停電装置が作動。異常を感知しサーバ機一台がシャットダ
ウン。のち自動設定のプログラムにより再起動。これにより一時貸出返却
窓口の端末の半分が止まってしまった。幸い利用者の少ない時間だったの
で残りの端末で貸出返却をおこなった。先週から無停電装置が異常でもな
いであろう電圧の異常を感知していて変だったので、今日エンジニアに来
てもらうことになっていたのだが、その前に起きた事態。再起動したから
大丈夫かな、と思っていたら、また止まり、また再起動。その後問題なく
動いているところにエンジニア到着。三台あるうちの一台だけが電圧の異
常を勝手に感じるのだからこれは無停電装置が変なんでしょうね、電源コ
ンセントをじかにつないで、無停電装置は持って帰ってなおしてください、
と言った私。ところがこの装置につながっている電源は一台のサーバ機だ
けではなく、ネットワーク関連のハブやらなにやらも繋がっているとのこ
とで利用者の多いこんな日に全部の機械を止めたりつけたりはできないわ
けで、閉館時間になってからしましょう、ということになったのであった。
なにやらばたばたの日となった。
- 7月5日(金)
県の研修委員会。なんとなく研修の講師をさせられるのではあるまいか、
と恐ろしくなる。県図書館のひとがこの日記を読んでおられるのである。
児童書の研修について、「ここに詳しそうなひとはいないのを見越して」
などと司書経験年数16年3ヶ月の私がなぜか児童書担当をしたことがない
のを知っていたり。ストーリーテリングの話がでたあと、「そういえば戸
田さんも先日なさったのですよね」といきなり振られたり。「いえ、私が
したのは読み聞かせ」とすぐに答える私がなんだかヤ(T_T)。「図書館の
ホームページをつくっていらっしゃる方が幾人かきっといますよね。良い
ページも多いし、そういう方を講師にお招きしたら」と私が言うと、「個
人のホームページの作り方について、でも結構ですけれど」と笑いながら
言われたりもする。怖いぞ怖いぞ。
この研修委員会、今年発足したものだけれど、確かに必要だったのだな、
としみじみ感じた今回第一回。中規模の公共図書館と県の図書館、名古屋
市の図書館、また当然のことだけれども、公共図書館と大学図書館、専門
図書館とでは仕事の中身がかなり異なる。ある程度実務経験のある職員が、
「どのような研修が現場で役に立つか」あるいは「役に立たないか」を話
し、詰めてゆく。よい研修の企画ができるとよいな、それにより図書館全
体の水準が高くなり、利用者に喜んでもらう楽しみを多くの司書に知って
もらえるとうれしい。図書館員はとりまく状況さえややこしくなければ本
当に楽しい仕事なのである。調べ物に役立つ図書館が増えたら世間の図書
館への認識も変わり、やがては司書の必要性も認められるようになる、な
どと夢を見る。
研修が終わったあと、職場に。受付に入る。比較的空いていたのだが、
なぜか平日なのに登録者が多い。そういえば土日も登録が多かったなあ。
利用者がどんどんと増えているのであろうか。
- 7月4日(木)
空いていた一日。カウンターローテーションを作り終え、新刊書の発注を
し、請求書の確認をする。手が背中からもう一本出てくると仕事が早く終わ
るだろうに、などとふと考える。
閉架の新聞の利用者多し。新聞をブックトラックに積みおろしするとき、
腰が一瞬痛くなる。腰痛持ちなのでこの瞬間どきりとするが、なんというこ
とはなかったのであった。
- 7月2日(火)
休み明け。ブックトラックへの返却本は200冊ほど。土日でどれくらい棚
が動いたかを見るには分類番号順にしっかり並べた郷土資料と、総数が少な
いところを分類番号と著者の五十音順に並べてある大活字本を確認するのが
早い。もちろん、確認する以前に間違いなく整理されていたという前提が必
要なのだけれども。さて、と見るとぐっちゃんぐっちゃん。日曜の帰りには
ばたばたで、細かな書架整理まではできなかったのでした。と、我が館は人
手不足のため、利用者の方に本の返却をお願いしているのでした。土日合わ
せて1万冊ほどの本が借りられていて、9000冊ほどの本が返っているのだけ
れど、それにしても棚はいつも以上にすごいことになっていました。特別整
理期間があけるのを待って、沢山の本を手にとった人が多かったのでありま
しょう。どれにしようか、と触って眺めて本を選ぶ楽しみがある限り、本は
この世から無くならない、と私はふと考えました。
県の研修委員会の集まりが今週の金曜にあるとのこと。今週は休みを沢山
とるのだけれどもな、と少し泣く。特別整理期間にできずにおいておいた仕
事を片づけ、今週の見計らい本を見、来週のカウンターローテーション作成
を少しする。発注した本の受入作業分類づけ、リクエスト本をそのなかから
選り分ける作業を終える。利用者もかなり多かったのだった。
- 6月30日(日)
昨日ほどではないが混む。雨降りだったのだが。
風鈴の歴史について調べにきた人があった。十年前にも高校生が調べにき
たことがある事柄。風俗史学会の人に尋ねてみたりもしたが、どうやら書籍
はない、とそのときかなり苦労したのだった。いかにも探せそうで探せない
調べものがあるのである。
新規登録者が今日も多かった。閉架へしまったばかりの本の利用も多い。
- 6月29日(土)
遅番。事務室からカウンターを見るとたいしたことはない。「それほどお
客さんは来ていないみたいだね」と言うと、「書架をまわってみてください」
と言われたのであった。出てゆくと人でびっしり。うわ。そんな風に一日が
過ぎていったのであった。なぜか新規登録も多かった。
「明治大正昭和平成事件犯罪大事典」のパンフレットを昨日みていて、こ
の本の前の版は面白いけれどあまりレファレンスで使わなかったから買わな
くてもいいか、ほかの資料でもなんとかなるだろ、と捨てたのだったが、旧
版から後の犯罪について調べにきた人がいたのだった。何を引いても出てき
そうになく、新聞のインデックスを毎月追ってゆくほかなさそう。そのイン
デックスを当館では最近買っていないし、インデックスに載っていても保存
してある新聞原紙とは版が違って記事が載ってないものものある。ある分に
ついてインデックスを見てもらい、マイクロフィルムを見てもらうが探して
いる事件は見あたらず。再生ごみの箱からパンフを拾い出し、購入を再検討。
捨てたのが昨日で良かった。
- 6月28日(金)
館内整理日。午前にミーティングをしたあと、明日からのカウンターロー
テーションを作る。作り終えたら開架から閉架へ本をうつす作業の続き。腕
が上がらなくなってきている。「事務室や閉架は見えないからあとでいいけ
れど、外はきれいに」と、開架の書架の整理。明日から開館である。
- 6月27日(木)
閉架の本を朝から動かす。スチールの棚板をはめ込んだりはずしたりする
時、私は毎年必ず怪我をするのだが、今年もやはり軽い切り傷をつくった。
午前にはほぼ閉架のスペースの目処がついたので、午後からは開架から閉架
へしまう本を選ぶ作業を再開。ところで明後日の開館にこの仕事は間に合う
のであろうか。数千冊分棚に空きをつくったわけだが、開館した途端、お客
さんが返す本で棚はいっぱいになり、「長い間休んでたけど、どこか行った?」
などと尋ねられたりするのである。肩と腰と首が変。
昼休に、「このごろTさんの顔を見ないね」と言ったところ、「一ヶ月ほ
ど前に亡くなったそうですよ」と言う人があり驚いた。十年ほど前から週に
二三度来館なさっていたひとである。不思議な難しい調べものをよくなさっ
ていて、レファレンサーが悩んだりしたこともあった。いつもにこにことし
て知的好奇心にあふれたひと。会社の社史に書くことになった、などとおっ
しゃっていたこともあったので、どこかの重役かなにかだったのかな、と思
っていたが、よく知る人によるとやはり大きな会社の重役だったひとだとの
こと。好々爺というにはまだ若かった。「戸田さん、戸田さん、ちょっと教
えてください」と質問をされるのが楽しみであったのだが。いろいろなこと
に興味を抱く定年後。あんな風に過ごせたら楽しいだろうな、と想像したも
のだった。ご冥福をお祈りいたします。
- 6月26日(水)
開架から閉架へしまう本を選ぶ。特別整理期間に入ってかれこれ5000冊
ほど抜いているが、開架は10万冊ほど本があるので、全然減った感じがし
ない。やがて閉架に本をしまっていた職員から、本が入りません、との報告。
閉架の本の大移動がはじまった。もう閉架もぎゅう詰めなのだが、高い位置
に棚がつくれる箇所もあり、つくりながら本を動かす。1万冊ほど動かした
が、まだそれほどスペースができない。首が痛くなってくるのであった。
- 6月25日(火)
連日同じ仕事。しかし本は沢山出版されているのだな、と改めて思う。
類書が多い本を閉架に入れるのはさして気にならないのだが、硬めの本で
あまり読まれていない本をしまうのはなんだかかわいそうである。しかし
開架のスペースは限られている。文学以外の分野では受入後五年ほど経た
本のほとんどを閉架にしまうのである。
- 6月23日(日)
開架から閉架へしまう本を選んで一日が過ぎる。手や足、肩、首が痛い。
頭もくらくらする。これが特別整理期間なのである。
- 6月22日(土)
不明本探し終了。閉架図書を動かす。開架から閉架への本の異動処理も
する。これから先は肉体労働である。って、昨日も一昨日も肉体労働だが。
- 6月21日(金)
特別整理期間二日目である。スキャナーでの全冊読み込み終了。ふう。
不明図書リストを出し、本当に棚にないかを確認。私が担当した棚で段
ごとスキャンしていない箇所がいくつかあって叱られる。
- 6月20日(木)
特別整理期間である。分館を含めて19万冊ほどを一冊ずつスキャナー
で読み込んでゆく、という気の遠くなるような作業が今年もまたはじま
る。どうしてそういうことをするのか、という質問をときどきいただく
のだが、電算上あることになっている本が実は盗難などでなくなってい
て、利用者がいつまで探しても出てこない、といったようなことのない
よう、ない本を正しく「ない」と表示されるようにするためなのである。
また、へんなところに入っている本や貸出中になっている本を見つけた
りもする。貸出中の本というのはつまり返却処理をし損なっている本で
あり、うっかりすると督促状を送っていたりもする。利用者がカウンタ
ーを通さずに棚に返しちゃった本もあれば、職員のスキャンミスもある。
そうした処理を一年に一度するのであった。長い期間休館するので、以
前は役所の職員が、「いいね。長い休みがあって」などと言ったりもし
たが、今は職員が働いているらしいことは知れ渡っているみたいだ。た
またま訪れた市役所の若い職員にこの期間の仕事について説明をしたと
ころ、「え、そんなすごい仕事をしているんですか」と目をまるくして
いたので、面白がって、「書棚を増やしたときなどはもっと大変で10万
冊以上の本を抜いて頭からと後ろから分類順に入れ直し、最後にスペー
スが空き過ぎちゃってまたずらした、なんてこともあったよ。しかし大
抵の人は、『棚が増えましたね』と気楽に言うだけなんだけれどね。ま
さか全部の本を抜いたなんて想像しないみたい」と話すとのけぞってい
た。思えば好きでなければできない仕事である。
- 6月19日(水)
明日から特別整理期間である。その準備は別の職員がしているのだが、
電算のことなどで多少不安があるようだ。
夏休みのシフト勤務表を作る。昨年と同様九時まで開館するため、三
交代での出勤となるのであった。昨年ははじめてだったが、今年は二度
目である(あたりまえだ)。昨年のを参考にしてあれこれしていると、
目がちかちかしてくる。なんとか作り終えると頭がくらくらする。
市報の締切だった。市報に載せる本の選択を今年度から年下の職員に
担当させているのだが、タイトルからでは何の本だかわからない、その
著者は誰だ、いくらなんでも軽くはないか、女の著者ばかりではないか、
といったような選び方をする。ま、小説については昨今女の作家のほう
が沢山活躍しているのでそういったことになったりもするのであるが。
あたふたと一日が過ぎる。
- 6月18日(火)
朝、混み、三時くらいから空き、六時くらいから混む。今日はどこも
こんな感じだったのではなかろうか。
- 6月8日(土)
さすがに土曜日である。カウンターに四時間半ほど。レファレンス、
予約が山のよう。利用者用端末で短篇小説をタイトルから探そうとして
いたひとがいたので、表題になっていないと出てきませんよ、と説明。
一篇は全集に入っていたので比較的早く探すことができたが、一篇は短
篇集のなかの作品。その作家の棚にゆき、利用者とふたりで片っ端から
目次を探し発見。このようにして読みたい作品を見つけたときの利用者
のうれしそうな顔を見ることができるのは司書の至福の瞬間かもしれな
いな、などとふと思う。
新刊書発注、延滞督促電話。
開架閉架を沢山歩いたため夕方には足が痛くなっている。
- 6月7日(金)
慌ただしい日が続く。今日も病で職員がひとり休み。本の売込の電話
を受ける時間も惜しい。「できれば今後は電話ではなく、郵便かFAX
で新刊案内をお送りください」と頼んでみたりする。
朝、近くの小学校四年生が図書館についての質問にくる。事前に先生
との打ち合わせがしてあったのでローテーションにも余裕があり安心し
て受けることができた。先日の大学生の宿題とは大違いである。質問内
容も大学生と比べて遜色がない。
資料の弁償についてのアンケートが県内の図書館から送られてくる。
備品等の損壊の場合にどうしているか、との問いもある。何かあったの
であろうか。物騒な世の中である。
ローテーション表をつくる。来週の小学校三年生の見学についてのあ
れこれをする。視聴覚資料の督促電話をかける。ため息をつく間もなく
一日が過ぎてゆく。
- 6月6日(木)
昨日の日記に書いた高校生は肉体労働でも構わないとのことで、来館
して打ち合わせ。統計数字関連のことで電算会社のSEが来館して謎の
事柄について話し合う。開架がぎゅう詰めになっているので閉架への異
動処理をする。病で倒れた職員がいたりもする。なにがなにやら、とい
った感じで電話に出るにもよろよろの状態になっていた一日であった。
- 6月5日(水)
何をばたばたしていたのかよくわからぬままに一日が過ぎていった。
統計数字のおかしなところを発見した職員がおり、はて、それはまたど
うして、と電算関連のあれこれを考えてみたりし、電算会社に連絡。機
械の入れ替えを昨年度に行ったのではあるが、統計の取り方の変更があ
ったわけではなく、どうしてそんな数字が出てくるのかが謎。ともあれ
早くに正しい数字が必要とのことで連絡をする。
高校生が職場体験をしたいとのことで数日前に書類をもらっていたの
だが、三ヶ月にわたり、毎週来館するとのこと。綴じのよくない新聞を
綴じてもらう仕事ができずにおいてあるので、それはどうだろう、とか、
してもらえそうな、してもらいたい仕事はきれいでない、軽くはない仕
事ばかり。高校に連絡をし、外から見ているイメージと違い図書館の仕
事は肉体労働の方がどちらかといえば多く、それ以外は専門的な領域の
事柄となるため、すぐにはしてもらえないわけで、楽ではないけれど、
それでもいいでしょうか、と先生に確認。明日また返事がくることにな
っている。
視聴覚資料の延滞利用者への督促業務。この名字は見たことがあるな、
などと覚えていてはいけないのだが、親が延滞常習者だと子も延滞常習
者になっていたりする場合がある。蛙の子は蛙、というのはこういうの
を言うのであろうか。
- 6月4日(火)
朝、ブックポストへの返却600冊ほど。ふう。土日と休んだので仕事
がたまっている。メールが届いていたり、電話がかかっていたり、机の
上が決裁書類や郵便物で埋まっていたり。それらの処理で午前中が過ぎ、
午後から受付。レファレンス多し。少しくらくらする。
- 5月31日(金)
朝、小学校三年生の見学。今日の学校は読みきかせを希望していたの
であった。図書館で働いて十数年。児童書担当になったことがないのを
いいことに、近づくと危険なので見学さえろくにしたことのなかった読
みきかせ。私がする、と聞き、「見学してもいいですか」と言う同僚が
いたりする。「よくない。仕事をしていなさい」と上司である私は圧力
をかける。ま、しかし大事なのは読む本である。本の力を信じれば良い。
先生にまで喜んでいただけた「もけらもけら」(山下洋輔ぶん、元永定
正え)、うわあ、と、絵を見て子供達が歓声をあげた「ぼくがとぶ」
(ささきまき作)、不思議ぃ、面白いぃ、と読み終わって子供達が口々
に言った「エンソくんきしゃにのる」(スズキコージさく)。どれも私
が面白い、と思った絵本である。私が面白がって読めば良いのだ、との
作戦はどうやら成功。しかしこっそりときいていた同僚がいたようであ
った。
私が休んだ昨日、郷土人の短冊をご寄贈いただいたとのことで、その
来歴を尋ねる手紙を書く。短冊の句と号はなんとか読めたのだけれど、
それにも四苦八苦。
ローテーション表完成。
難しいレファレンス多し。読み下し文でなく、漢文が読みたい、と、
とある作品についてのご要望。訳や読み下し文はいくらでもあるのだけ
れど、漢文は出てこない。
よろよろになった一日であった。
- 5月29日(水)
朝、小学校三年生の見学。静かな子供達だった。貸出体験というのをし
てるのだが、本をすぐに選んで持ってくる子と、いつまで経っても一冊を
選ぶことのできない子がいて、個性が違って面白い。私の担当したクラス
では突拍子のない質問は出なかったが、ほかのクラスでは、「いちばん人
気のない本はなんですか」と訊かれたとのこと。それは困るだろうな。親
が仕込んだのではあるまいな(^^;)。
としょかんだよりの本を選ぶ。カウンターのローテーション表をつくる。
- 5月28日(火)
朝、ブックポストへの返却本650冊ほど。火曜日としては平均的な数。
新刊見計らい、カウンター業務、明日の小学生の見学の準備、としょか
んだよりに載せる本の選択、と、あっという間に一日が過ぎていった。
- 5月26日(日)
休みの職員が多く、厳しい一日であった。先日沢山の本に落書をして
返したひとのお母さんが弁償に来られた。かなりの額。本人はご病気ら
しく気の毒ではあるのだが、あまり出版点数の多くないひとつの分類の
本がごっそり痛んでしまったわけで、図書館としては結構辛かったりす
る。
大学生の息子の宿題で要るという本を母親が借りに来る。ところがそ
んなタイトルの本はなく、出版社から調べてもそれらしい本はなく、は
て、そんな本は存在するのであろうか、という感じのもの。「また息子
に訊いてきます」とのことであったが、いずれにしても当館にはなさそ
うですよ、と話す。それにしても不思議な親子関係。それぞれが変だと
は感じていないのであろうなあ。
閉架の本の利用多し。ばたばたであった。
- 5月25日(土)
先週ほどではなかったが、さすがに土曜日。開架の案内と閉架図書を
出すのとで、足腰にきて、夕方には歩くのがきついほどであった。歳を
感じる昨今。
暑い日だったためか、様子のおかしな人も幾人か来館。
新刊発注、来週の小学三年生の見学関連の仕事を少しする。
- 5月24日(金)
館内整理日。閉架と開架の美術書を入れ替え。閉架にあるグラフィッ
ク関連の本は利用されることがほとんどなくなってしまうわけで、時々
入れ替えるのであった。
新しくできた近所の町の図書館を見学に行く。新しいというだけでう
れしいものだな、としみじみ思う。熱心な職員Nさんにいろいろな話を
聞く。ヤングアダルトコーナーがあり、硬めの本も置いてある。「利用
は多いのですか」と尋ねると、「思ったよりもありますね」とのこと。
ヤングアダルトコーナーは私の勤務する館にはない。思春期の子供は背
伸びをしたがるから、敢えて分けずにおこう、との考えから。でも、ど
うなのかな、と改めて考えねば、と思った。「本は一冊一冊の顔がある
のだから、見えるように、と臨時職員さんに書架整理をしてもらってい
ます」とのこと。そう、本は一冊一冊違うから、どれもみてもらいやす
いようにしないといけない。そんなあたりまえのことをうっかりすると
忘れている。日々、いろいろなことに気をつけているようで、意識の下
に埋もれてしまっていることがらがある。町ではじめての図書館。力が
入っている職員。いつだって力を入れていなければならないのだ、とそ
んな当たり前のことに気づかされたのであった。
- 5月23日(木)
女真人については中国史の本に載っていることだろう、と調べると割
と簡単にわかる。お客さんに連絡。
カウンターローテーションを作成。発注業務を少し。来週の小学三年
生の見学についての質問の答えを作る。ばたばたと一日が過ぎる。
- 5月22日(水)
難しいレファレンスがかたまってやってきた一日であった。朝、電話
で部有地についての質問。市内の元部有地であったところは、はじめど
うして部有地になったか、と尋ねられる。大学の頃、地誌の授業でそん
なような調べものをしたことがあるなあ、とぼんやり思うのだが、とも
あれ文献を探すことにし、一旦電話を切る。都市計画課にいた職員にも
尋ね、いろいろと調べてみるが、判然としない。わかったところまでを
電話で連絡。そこまでわかれば充分です、とお礼を言われる。役所の仕
事でお礼を言ってもらえるのは図書館くらいなのだな、と改めて思う。
辞典に引用文献として載っている1992年発行の本が国会図書館にも
都道府県立図書館にもない。これは変だ。書名が違うか、本の中の論文
の名なのか。結局わからず、版元として書かれている出版社にメールで
質問をする。
女真人についての記載のある図書を探して欲しいとの電話でのレファ
レンス。それほどお急ぎではないとのことで、明日にする。
閉架図書も沢山出した。新刊見計らい、市報原稿作成提出。一日が終
わると頭がくらくらした。なかなか図書館員らしい一日であった。
- 5月19日(日)
しかし大学の宿題はどうなっているのであろう。先週から大学生が二、
三人、時に一人で来館しては、「図書館について質問をしたい」と言う。
訊くと、ゼミでいくつかのグループにわかれていくつかの町の社会教育
施設の仕事内容などについて職員に尋ねて調べるという宿題が出ている
ようなのだ。一人を除いて皆、事前の連絡なしで来る。今日も昼間の多
忙な時間にやってくる。都合の良い日を尋ねに来るのではなく、唐突に
尋ねに来る。親の育て方が悪かったのであろうか。すでに十数人、そう
いう学生が来ている。ところでこの宿題、本当に職場に働いている人に
訊きなさい、という内容なのだろうか。さみだれ式につぎからつぎへと
ほとんど同じような質問を別の日、別な時間に受けねばならないわけだ
が、そんなことを学生にさせて平気でいられる聖職者がいるのであろう
か。生徒が間違って受け止めているのか、先生がテキトーなのか。中学
生の調べ学習以下の態度中身。
貸出冊数四千八百。登録者多し、レファレンス多し。書架案内多し。
閉架書庫へ走る回数多し。足が痛くなったのだった。歳を感じる昨今。
- 5月18日(土)
午後からとても混む。登録者三十人、貸出冊数は五千を越えた。腰が
痛くなってくる。図書館員の主な職業病は腰痛と腱鞘炎。私はぎっくり
腰に二度なっている。
「○○についての本はどこにありますか」との問いがこの頃増えてい
る。気楽に尋ねることができる雰囲気ができているのだと思う。慌ただ
しいときには早めに事務室から職員を呼ぶ。慌ただしい状態のままのカ
ウンターでは訊こうにも気が引けてしまうことであろう。
午前に、司書の通信講座を受けているひとが図書館についてのインタ
ビューをしたいので、都合の良い日時を、と来館。丁度私の手が空いて
いたので受ける。仕事を持ちながらの通信教育は大変。ずっと図書館を
利用している人なのだけれど、案外図書館の実状を知ると幻滅してしま
ったりはしないか、と少し不安になる。
- 5月17日(金)
「閲覧席で高校生が抱き合っています」と既婚女子職員。自分で注意
したらいいのに、と思いつつも出向くと、水でもかけねば離れないよう
な勢いで抱き合っている。「誠に申し訳ないが、ここは本を読むところ
なのだな。エントランスホールにもソファがあるが、ここでもよくない。
公共施設なので残念ながらよいところがないので、場所をうつそうね。
小学生も通るところだし」と注意。よく見ればとても真面目そうなふた
り。ひたすら謝っていたのであった。謝られるとこちらが悪いことをし
ているような気がする。若いというのは大変なことであるな。
新刊発注をする。パンフレットがたまってきたので机の抽斗をかきま
わして探していると、とても抽斗が汚くどこにパンフレットがあるのか
わからなくなっていて、探している途中でいろいろなものがでてきたり
もし、抽斗の片づけもついでにしてしまった。比較的利用者の少ない日
であった。
- 5月16日(木)
見出にグラフィックを使わなければホームページの更新は簡単なのだ、
と気づき、朝のうちにできあがる。明日が締切、と思っていたところ、
書類の締切は明日だが、ホームページ変更の締切は別に明日でなくても
良かったとのこと。力が抜ける。
このところ新規登録者が多い。
見計らい、カウンターローテーション作成。
- 5月15日(水)
二日間休館したあとの水曜日。ばたばたしたのでした。
図書館のホームページに項目を足す必要があるため、その作業を少し
する。なかなか大変。この日記は、テキストデータしか日々いじってい
ないので、アプリケーションソフトを使ったホームページ作成とはまる
で違う作業。
新刊見計らいもする。
- 5月12日(日)
慌ただしい一日であった。貸出はそれほどでもなかったのだが、書架
案内と閉架資料の利用が沢山。登録も多かった。利用者用検索コンピュ
ータによって閉架の資料がよく借りられているのは本のためにはとても
良いことである。しかし四十を過ぎ、体力が落ちている私にとっては閉
架の二階への上がり降りがなかなか大変。
- 5月11日(土)
ばたばたとした土曜日。
女子高生数人が会議室近くの通路の床に座りこみ、向かい合い、足を
広げている。セーラー服姿。「通り道だからここに座り込まないでね。
ロビーに行って話をしてください」と注意。異常だと思うが、最近では
電車の車内にもこんなのがいるらしい。
貸出カウンターで貸出処理をしながら、なにげなく前を見ると臍が見
える。わざと臍の見える服を着た女の人。日本はどうなってゆくのであ
ろうな、とふと思う。
- 5月10日(金)
昨日のメールへの回答を考える。なかなか大変。
ローテーション表をつくる。
午後、役所のコンピュータネットワーク関連の集まり。IT化はしば
らくは仕事が増えるばかりなのであろうなあ、と改めて思う。
- 5月9日(木)
昨日の本について取次に問い合わせるとひきとってくれる、とのこと。
やれやれ。
小学三年生の図書館見学。私の住む町には図書館がなく、隣町の図書館
は他の市町村の住民に本を貸してはくれなかった。小さい頃に好きなだけ
本を借りることができたら幸せであったろうな、などと遠い目をする私。
そのくらいの子を持つ親、と名乗る人から子供の借りた本を図書館はな
ぜ教えてくれぬのか、とメール(ホットメール)での問い合わせ。子が何
を読んでいるのか借りているのかを知りたければ子に尋ねればすむこと。
また、常日頃から子に接していれば、「今日はどんな本を借りてきたの」
と普通に話しているのではなかろうか。図書館に子の借りた本を(それは
延滞の資料であり、督促をされたそうな)訊くこと自体が変だと私は個人
的に思うが、それをそのまま回答したのでは角が立つのである。しかし、
この話、わからないひとにわかってもらうのはとても大変。わかる人であ
れば質問をしないわけで、はて、と悩む。一応名前は書かれているものの、
匿名性の高いメールからの問いに対し、今後自治体はどのように接してゆ
くのであろうなあ。すでに住所などの記載がないものに関しての返答をし
ないところもあるのかもしれない。イオングループのように匿名であろう
がなかろうが、全部返答してみるのも面白いかもしれないけれども、それ
だけで仕事が終わっていってしまうことであろうな。面白そうな仕事では
あるが。と、時間に余裕さえあれば私は苦情を好きなのでした。
- 5月8日(水)
6日が開館、7日が休館であったため、ブックポストに沢山本が返ってい
たようである。ようである、と書いたのは遅番だったため。
「今日は開いていますか」と今日もまた問い合わせが多い。「いつまで
お休みですか」というひともいるのは昨日来館したためであろう。6日ま
ではずっと開いていたのですよ、と腹立ちを抑えながら答えることになる。
なにもそんなことで腹を立てることもないのだが。
いくつかの書評に載っていたので発注した本が実にくだらないものであ
った。ま、くだらぬかどうかの判断を基本的に司書はすべきではないこと
は重々承知しており、個人的な恣意を除いた上で選書は行っているのだが、
そうした水準ではないくだらなさを持った本、というのが世には存在する
のである。「図書館に置くのに向いていない本なので返本をしたい」と正
直に出版社に頼んでみたが、取次に聞いてください、と言われたのであっ
た。
教訓→たとえ大新聞であっても書評をあてにしてはならない。
- 5月6日(月)
月曜と祝日が重なった日は開館しているかどうかの問い合わせの電話が多
い。そしてぼちぼちと混んだのだった。
- 5月4日(土)
雨降りの祝日。普通の土曜日並の人出であった。
難しいレファレンスもなく、平穏に一日が過ぎていった。
- 5月3日(金)
憲法記念日。憲法についてもすこし今考えたほうがいいような気がする。
天気のいい祝日なので、みんな遊びに行っちゃったのか、比較的空いてい
た。ローテーション表作成、新刊発注。
- 5月2日(木)
小学校三年生の図書館見学の日。図書館の近くに住む子供達だったのでよ
く来館しているらしいが、そういう子達にはかえってどこにどんな本がある
か、を書架をまわりながらじっくり説明すると、「ええっ、こんなところに
こわい本があったの」などと驚かれて楽しいのであった。質問の時間に突拍
子もないことを尋ねられるのを楽しみにしている私だが、割と普通の質問し
かなく、残念だった。
図書館のある町の名がついた目薬を昔使ったことがあるので、その目薬に
ついて知りたい、と大阪の人から電話があったとのこと。目薬をつくってい
たと思われる薬局に電話をすると、どうやら戦後にはもうつくっていなかっ
たと判明。はて、なにか記録は、と古い新聞などを探してみるがなにも出て
こなかった。昔使った懐かしいものについての調べものは、それがマイナー
であればあるほど探せないのである。しかし金粉の入った軟膏の目薬でトラ
ホームに効果があった目薬ってのは確かに気になる。ほかに調べる手段がな
さそうなのが残念。尤も、数十年前の目薬の在庫があったりしたらもっと怖
いような気もするが(^^;)。
- 5月1日(水)
本来の休館日が月曜日、月曜祝日の場合は火曜日が休館、とこのあたりは
実にややこしく、愛知県内の床屋さんのようになにがなんでも月曜休館にす
れば良かったのだが、十年以上経った今更変わらない。その為火曜が休みの
開けの朝にはブックポストが大変なことになっている。約800冊の返却があ
った。そこへ体調不良で休みますとの連絡が2名から。朝からばたばたの一
日となった。
連休の谷間はどうやら休みの人が多いらしく、曇ってもいたので土曜日と
変わらぬくらいの入館者。
- 4月29日(月)
微熱のある状態で仕事をしていると、臨時職員の人から、「挙動不審であ
る」と言われてしまう。確かになんとなくしていることがおかしい。
「利用者の少ない一日であったなあ」と帰り際に言うと、登録者もレファ
レンスも多かったよ、と言われた。ぼんやりと過ごしていたらしい。風邪薬
のせいかもしれない。ともあれ一週間は過ぎていったのであった。
- 4月28日(日)
どうもまだ風邪。登録者多し。登録者にはその度、貸出券の使い方など、
説明をいろいろとするのだけれど、どこまで説明したのかわからなくなって
きたりして変だった。
新刊発注など、今週中にしておかねばならないことがまだまだ残っている。
明日のうちに片づけねばだ砂漠。
- 4月27日(土)
風邪をひいていたのであった。風邪で仕事を休んだのは10年ぶりくらい。
高熱を発し、くるくるぱーになるのではないか、と思ったほど。久々に出勤
すると山のようにすることがあり、くるくるぱーのふりをしたくなるが、ふ
みとどまり、あれこれと片づける。
私が休んでいる間にほかの人がいろいろとしてくれてあった、とかそんな
ことはなく、涙が出るほどありがたいことにすべて私の仕事として手がつけ
られずにいたのであった。
- 4月23日(火)
比較的空いていた火曜日。土日に休んだので寄贈図書など郵便物がたま
っている。
新刊見計らいをする。
- 4月19日(金)
昨年度の予約統計をまとめる。
視聴覚資料の受付。平日でもなかなか混むのであった。
- 4月18日(木)
朝、ローテーション表を作成。
小学生の図書館見学の打ち合わせ会。幾年か前、大もめにもめた記憶が
あるので、厭な予感がしていたのだが、拍子抜けするほどになにごともな
く、あっさりと終わる。
- 4月17日(水)
明日、小学生の図書館見学の打ち合わせ会があるのだった。昨日の夕方
にいろいろと資料を作らねばならないな、と思っていたのだが、これがな
かなかの仕事量であった。
昨日に引き続き難しい調べものが多かった。住宅地図の利用がとても増
えている。どこか、住宅地図屋さんと提携して商売にしたら良いのではな
かろうか、などとふと思う。
新刊見計らいをする。本らしい本が減っている気がする。
- 4月16日(火)
朝、ブックポストへの返却本600冊ほど。開館と同時に沢山の人。難解
な調べもの、わかりそうにない問い合わせが昼の職員が少ないときを狙っ
たかのように殺到、お経の本を探しにいらしたかた(閉架にある多くの巻
の目次から追うよりない)がいたり、と盛りだくさんの一日であった。市
報の原稿締切でもあり、病気で休んだ職員が多かったり、元々休んでいる
職員が多かったり、目が回りそうな慌ただしさ。
- 4月14日(日)
ぽかぽか陽気の日曜日。「12時から見たいテレビ番組があるから、視聴
覚室のテレビで見せてくれ」と言うおじさん。そういう部屋ではないし、
公共施設ですから、みんな見たいと言われたって無理なわけで、それはで
きません、と説明すると、こんなことを言うのは俺だけだから大丈夫、と
粘る。春である。
利用者が多く、調べものも登録者も多い日であった。へろへろ。
- 4月13日(土)
空いた土曜日。予約の入っている資料を続けて貸してくれ、私も予約で
借りたのだ、などとわからぬことを言う人がいたりはしたが、平穏な一日
であった。
- 4月11日(木)
割と受付は空いているな、と思いながら来週のローテーション表を組み
終わり、発注業務をし、当番が来て受付に出てゆくと混む。昨日視聴覚資
料の受付を一緒に組んだ男子職員とふたりでいると利用者を呼んでしまう
のであろうか、と話したりする。登録者、調べもの多し。
- 4月10日(水)
朝、ブックポストへ返ってきた本1272冊。なかなか返却処理と排架
が終わらなかった。朝、利用者多し。2時間で1000冊ほどの貸出。午後、
視聴覚資料のカウンター。混む。
見計らい、カウンターローテーション表作成。ふう。
- 4月7日(日)
雨降りの日曜日は混むことが多いのであった。ばたばたの一日。
小学生の調べ学習に閲覧机の椅子だけでは足りず、閲覧用の小さな
椅子を運んで使っているひとがいたので、二階の閲覧席を案内する。
しかし、そことて幾組かの調べ学習の子供が来たら全然足りない。調
べ学習と公共図書館の問題はかなり大変なことであると思う。
- 4月5日(金)
ふと気がつくと今週すべき仕事がほとんど終わっていた。いつも年
度はじめはばたばたするので、先月からあれこれ準備しておいたのが
良かったのかもしれない。体調不良の職員が出たためカウンターロー
テーション表をつくりなおす。やはり健康が大事であるな、としみじ
み思う。
電算の検索システムの辞書切りを6月の特別整理期間にし直しても
らおうかと考えているので、電算屋さんに質問をあれこれする。以前
にはかなり危なげだったSEだが、今はかなり信頼できる。人間は進
むものだな、と時の流れを思ったりする。
- 4月4日(木)
ようやくなんとなく落ち着いてきた。本の見計らい、新刊発注準備、
カウンターローテーション表つくりなど。
- 4月3日(水)
分担変更でばたばた。
島津貴子様が鹿児島のどこかの町の街道に夾竹桃を植樹なさったこ
とがあるけれど、それがどこなのか、との昨日のレファレンスを調べ
る。ご結婚の頃の新聞にもないし、NHKふるさとデータブックにも、
Webサイトにもない。鹿児島県庁に思い切って電話してみたが、わか
らない。どなたかご存知ありませんか?
- 4月2日(火)
新年度。分担をいろいろと変更したので引継でばたばた。
細かな帳票類でできていないものがあったため作成。
利用者は比較的少なかったが、難しいレファレンスがあり、今日の
うちには片づかなかったので宿題にしたのであった。
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