リターナル瓶は買ったお店に戻しましょう


ちょっとサボっている間に、もう10月....夏になったらビールの話を書こう と思っていたのに....。

ビールと言えば、みなさんビールの瓶はちゃんと酒屋に返していますか?.... 正しい酒飲みとしては、地球環境に優しい社会の構築のためにきちんと 瓶は買ったお店に返しましょう....えっ、空き缶と一緒に自治体の廃品回収に ちゃんと出しているから大丈夫ですって....あー、貴方は間違っている!.... 茶色の一升瓶やビール瓶のようなリターナル瓶は、 廃品回収に出してはいけません。必ず買ったお店に返してください。

リターナル瓶とは、その名の通り返却されてきた瓶を洗浄して何度も使う瓶です。 ところが、最近このリターナル瓶の返却率が著しく低下しています。 原因はコンビニエンスストアの増加と消費者の勘違い(或いは意識の低さ)等です。 従来、ビール瓶や一升瓶は酒屋が次の配達時に持って帰るといった方法で ほぼ100%の返却率を達成していました。

ところが、最近はコンビニ感覚の醸成とともに空き瓶を買ったお店に戻さない消費者が 増加しています。もちろん、コンビニの店員が空き瓶を回収しにくるはずはありません。 こうして、空き瓶は、マシな場合には自治体の廃品回収へ、 最悪の場合は燃えないゴミとして処理されていきます。

廃品回収に出されれば、リサイクルされるのだからいいじゃないか と思う方がいらっしゃるかもしれませんが、リサイクルとリターナルの違いを よく理解して戴きたい。 同じ瓶でもリターナル瓶は瓶回収業者へ送られ、洗浄されて、酒類メーカーへと 戻っていきます。 その他の瓶はガラス回収業者へ送られ、色別に分けられ細かいガラス片に砕かれ 一度溶かされて再利用されます。 そうです、リターナル瓶は洗浄するだけで再利用できるのに、 他の瓶は「砕く、溶かす、再製造」をしないと再利用できないのです。 この「砕く、溶かす、再製造」のところではたくさんのエネルギーが消費され、 地球環境への負担が大きくなることは言うまでもありません。

ここで、同じリターナル瓶でも酒屋を経由してメーカーに戻る瓶と 廃品回収を経由してメーカーに戻る瓶の違いを説明しないといけません。 酒屋を経由する瓶が専用の箱に入れられて取り扱われるのに対し、 廃品回収の瓶は他の雑瓶やガラス破片等と一緒に取り扱われます。 つまり、廃品回収の瓶には傷が付き易いのです。 特にPL法が施行された後、 メーカーは少しでも傷のついた瓶を再利用するのをやめる傾向が強くなりました。 そのために、廃品回収に出されたリターナル瓶は、本来洗浄だけですむべきところ、 他の雑瓶同様、砕かれ、溶かされてしまうのです。

空き瓶はリサイクルすればいいというものではありません。ワイン瓶のように砕いて 再利用するものとビール瓶のように洗浄だけで再利用できるもの(リターナル瓶)が あることを理解して、リターナル瓶は優しく扱い、 廃品回収ではなく、買ったお店に戻しましょう。

買った店に持っていくのが面倒だと言う方も多いかもしれませんが、例えば わざわざダイエット食品を買ったり、スポーツクラブにお金を払って運動すること を思えば、空き瓶を酒屋に返しに行くことくらい何の面倒がありましょう。
それから、リサイクルしかできない缶よりリターナルな瓶の方が地球に優しい ということもお忘れなく....みなさん、正しい酒飲みを目指しましょう....そうでないと、 ビール麦や日本酒米を作るべき土地がゴミで埋まってしまいます。
美しい自然の中からしか旨い酒はできないのです。


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