第11章 『ばらの騎士』演奏ガイド

   
表の見方 :小節番号での + - は、それぞれ練習番号から数えて何小節目、練習番号の前何小節という意味です(+1は省略)。
パート欄はとりわけ大きく関わるパートを示します。明らかにわかる場合は記入しません。
☆ 多少、でしゃばったことも書いてありますが、最終的にはあくまで指揮者の指示に従ってください。


第1幕 序奏

練習番号 小節 パート 舞台での動きと音楽
. . . この短い序奏の中に8つもの動機が奏されます(別紙参照)。
冒頭 . Hr, Fg 「オクタヴィアンのテーマ」。はちきれんばかりの若々しいオクタヴィアンを表わします。
. 2 . マルシャリン(元帥夫人)の愛のテーマ
. 4 Hr, Va, Vc オクタヴィアンのもうひとつのテーマ(最初の動機の変形)
1 . . Va, Vcから他のパートヘ引き継がれます。「愛の抱擁(又は情熱)」。情熱的なふたりの抱擁は陶酔へと高められていきます。
8 . Ob しかし、やがてマルシャリンの2番目の動機が現われ、このオペラのテーマのひとつである「あきらめ」が沈んだ気分で奏されます。その後もオクタヴィアンや最初のマルシャリンのテーマが交錯し、そのつらい思いをかき消そうとします。
10 . FL,Vn,Va その努力もむなしく、マルシャリンの「愛の幸福の思い出」という過去形の音楽が演奏されます。
11 . . さらに、マルシャリンの「愛の陶酔と断念の苦痛」を表わす動機が奏され、序奏が静かに閉じられます。
12 -2 Vc 最初のオクタヴィアンのテーマの変形をチェロが演奏します。ここで幕が開き、同時にオクタヴィアンが目覚めます。


第2幕 『ばらの騎士』の入場とばらの献呈

練習番号 小節 パート 舞台での動きと音楽
. . . 舞台はファニナルの家。娘のゾフィーが『ばらの騎士』と花婿であるオックス男爵の到着を今かと待っている場面です。うきうきするような音楽ですが、結婚を控えたゾフィーのセリフには「愛」は見られず、義務的で優等生的な雰囲気が感じられます。ゾフィーが結婚の決意みたいな堅気なことを言っている間、侍女のマリアンネが窓辺を行ったりきたりして外の様子を報告します。『ばらの騎士』の到着を実況中継しているわけです。なお、練習番号25番まで、ゾフィーらの歌は今のところ入れない予定です。20−25番までは、ダイナミクスがめまぐるしく変わる( f,mf,p,cresc.p,fp・・・)のですが、これは歌がところどころに入るからです。どの程度譜面に忠実に演奏するかは指揮者の指示に従ってください。
20 . . 音楽は、序奏冒頭のオクタヴィアンのテーマを繰り返し奏でます。ここは、マリアンネが「馬車の扉が開いて、降りてきました。頭の先から足まで銀色の服です!」と言うところです。
24 +3 . 『ばらの騎士』の登場です。右手に銀のばらを高くかざして。ここから『ばらの献呈』の儀式がはじまります。
. . . 二重線の直前で急にブレーキがかかって、それ以降はテンポが大きく変わります。
. . Hr,Tp,Tb ここではファンファーレが重要であることは言うまでもありません。緊張気味のオクタヴィアンはお決まりの(ホフマンスタールの創作ですが)口上を述べ、やがてゾフィーにばらを献呈します。
. -2 Va 3人のソロで和音を奏でますが、この小節で最も重要な音です。フォルテ以上で弾く必要があります(全員かも)。
25 . Ob
優しく愛らしいゾフィーのテーマ。ゾフィーの清純な感動を美しく表現します。オーボエを伴奏する弦楽器の高音における和音の弾き伸ばしはワーグナーの『ローエングリン』(聖杯の動機)の模倣か。
. +2 FL,Ce,
Hp,Vn
このオペラの題名でもある「銀のばらのテーマ」です。チェレスタとハープを交えたこの異様な響きは「銀のばら」の光り輝く様を見事に表現しています。
. . Triangel 「銀のばらのテーマ」は八分休符の後に奏されますが、その休符で音を出す1番重要なパートです。
29 . . ばらを受け取ったゾフィーが「本当のバラのように強い香りがしますが?」とオクタヴィアンに訊くと、オクタヴィアンが「はい、ペルシャのばら油が一滴たらしてあります」と答えます。このやりとりがふたりの運命を衝き動かします。
30 . . 「ばらの香り」の動機。 ここで、ゾフィーは「地上のものとは思えない天上の、聖なる香りですわ。そう思いませんか?」と、ばらをオクタヴィアンに差し出します。3連符のメロディーを持つパートは歌といっしょです!最初の音の出だしが要注意です。
31 -2 Ob, Vn I ばらの香りをかごうとオクタヴィアンはゾフィーに近づき、思わずふたりは顔を見合わせます。この瞬間(約2小節間)はきわめて重要です。オクタヴィアンはゾフィーの美しさに打たれ、ゾフィーはオクタヴィアンの凛々しさに打たれ、ふたりは今まで全く知らなかった心のときめきを感じたのです。
31 . Tp 「ふたりの恋の芽生え」をトランペットのソロが静かに示唆します。第3幕でも大事なところで同じ音型が出てくることにも注目です。このオペラの「へそ」にあたる、おそらくシュトラウスが全力を投入して書いた至高の瞬間と言えます。
35 . . スビト・ピアニッシモです。感情が高揚する時に、フォルテからスビト・ピアノにすることはシュトラウスお得意のスタイルです。
36 . . ここあたりから歌といっしょに動くパートは、それまで以上に歌をよく聴いてください。
37 -3 . とりわけ、この小節は大きくリタルダントしますので、細心の注意が必要です。ここで歌は終わりです。
37 +4 Vn, Va トレモロによる下降分散和音は極めて重要です。第3幕でも同じ音型が出てきます(307の2小節前)。
38 . C-Angl, Fg,Vn I, Vc ここからの3小節間と二重線の前2小節間で、歌がなくなった後の音楽をリードします。


第2幕 ワルツ

練習番号 小節 パート 舞台での動きと音楽
. . . オクタヴィアンに傷を負わされて大騒ぎしたオックス男爵ですが、ファニナルから上等のワインをもらって機嫌を取り戻します。 ★ここからの音楽は笑いをこらえながら聴くことろです。顔は真剣でも心に笑いをお忘れなく!
234 . . 駆けつけた医者は酒に首を振りますが、男爵はお構いなし、部屋にベットの準備をするよう医者に言います。ここの音楽はまず、ワインを飲んで少し眠くなった男爵を表現します。8分音符についたスタカートを跳ねすぎるとその気分が出ないことに注意してください。
236 . . 「わしゃ、眠くなった」というくだりです。このカランド(リタルダント)はその雰囲気を出してください。
. +4 . 『ワルツ』が始まります。長椅子に寛ぐ男爵が、「わしがいないと毎日が寂しい、わしといっしょなら夜は退屈しない」と、ほろ酔い気分で歌います。 ここからの演奏で重要なのは、ダイナミクスの変化でコントラストをつけるということです。ピアノだからといって小さくしすぎると、次のピアニッシモが効かなくなります。歌が入るところがピアニッシモなのですが、歌がなくてもその効果を十分活かせるのは組曲『ばらの騎士』を聴けばよくわかります。
238 . . そこへアンニーナが登場(オクタヴィアンに買収されたことになっています。)。オクタヴィアンが変装したマリアンデル(第1幕で男爵が気に入ってマルシャリンにこの子がほしいと言って断られています。)からと称する手紙を持ってきます。
240 . . ここで急に、ピウ・アニマートになって音楽が変わりますが、手紙を「そっと手ずから渡せと」と言われた男爵が、なんだなんだと覗き込む男爵の従者たちに「さがっていろ!」とどなるシーンです。今回演奏する中で数少ない動きを表現する箇所です。
242 . Vn I アンニーナが男爵に代わって手紙を表情たっぷりに読むところです。明日の晩は暇だから会いたいという恋文です。この旋律はオクタヴィアンのテーマの変形で、マリアンデルはオクタヴィアンであるということを暗示しているのです。独立したヴァイオリン曲に編曲されてリサイタルでも取り上げられる有名な曲です。今回はソロでなく全員で弾く予定です。
244 . . オペラの舞台ではここで男爵は慣習的に口笛を吹きます。
246 +7 CL, Vn I いよいよご機嫌で元気になった男爵は「オックス男爵のテーマ(レルヒェナウ家の幸運)」を得意になって歌います。第3幕で男爵が退場するときもこの音楽が流れます。このテーマの直前のファースト・ヴァイオリンの上向音型は、男爵が舞い上がっていく様を描きます。
249 . . アンニーナは手紙を届け、代読したチップをせがみますが、男爵はそれを無視して自分の世界に浸りワルツを繰り返し歌います。
250 . . 男爵の調子はいよいよ最高潮に達します。ここでの弦楽器のアウフタクトは「甘く感傷的なウィーン風のグリッサド」を毎回かけるようシュトラウスは注意書きを加えています。この音楽は、魅惑的で優雅な誘惑者のワルツとも言えるもので、男爵が単なる野人で田舎者ではないことがわかります。
251 -1 . オックス男爵の歌が最低音向けてゆっくり降りていくためにリタルダントします。
253 . 打楽器 チップを貰えないアンニーナは不満のうちに退場します。ティンパニ含めて4種の打楽器が登場します。男爵は手紙を何度も眺め、ご機嫌のうちに幕となります。


第3幕 男爵の退散とゾフィーの悲しみ 三重唱と二重唱および終曲

練習番号 小節 パート 舞台での動きと音楽
. . . 舞台はいかがわしい(個室のテーブルでしかもベッドまである)レストランの1室。オックス男爵はオクタヴィアンが変装したマリアンデルと逢引をしていたところに、元妻(アンニーナが変装)や子どもたちに追いかけられるという騒ぎが発生。警部、ファニナル、ゾフィーも出てきて、ついにはマルシャリンの登場で騒ぎは一旦おさまります。マルシャリンが「この縁談とそれにまつわる出来事はこれで終わりです」と告げます。これを聞いた男爵、オクタヴィアン、ゾフィーが共に復唱し、それぞれの思いを表情に出します。その後、再び請求書を持った人々や元妻、子どもたちが男爵を取り囲むに至って、ついに、
246 +6 . 「ロイポルト、出発だ!」と男爵が叫んで、第2幕のワルツが始まり、男爵は舞台で逃げ回ります。ロイポルトは男爵の従者の名前です。
256 . . 男爵はほうほうの体で舞台から逃げ出します。オペラではここの四分休符2個(全パート)で男爵が「どけ!」とか(スコアにはありませんが)叫ぶために、休みを若干長めに取るのが通例です。ここは是非とも指揮者に注目です。
257 . . マルシャリン、オクタヴィアン、ゾフィーの3人を残して全員退場します(ファニナルは卒倒して別室にいます。)。ゾフィーが先ほどのマルシャリンの言葉を受けて、「すべては茶番だった・・・あの人は夫人のそばにいる!」と、オクタヴィアンを失う悲しみ歌い、少し離れたところに行きます。この動機はこの幕の始めで「マリアンデルが男爵をじらす」時に用いられたものです。オーケストラは対位法とカノンが合わさった不思議な音楽を奏でます。マルシャリンはオクタヴィアンに「あの子のところに行きなさい」と言いますが、オクタヴィアンはどうしていいかわかりません。
258 . . ここからはホルンが音楽をリードし、練習番号260番の2小節前でマルシャリンの歌と完全に一致しますが、ここは
260 -2 . マルシャリンが「はやくあの子に求愛なさい!」とオクタヴィアンに言う場面です。この時のマルシャリンの辛い心の中は察するに余りあります。
260 . CL, B-Hr,
VnII, Va
マルシャリンとオクタヴィアンの会話調のやりとりがあります。
261 . Vn I, Vc 躊躇するオクタヴィアンに苛立つマルシャリンでしょうか。オペラらしいオケの反応が要求されます。
263 . . 意を決したオクタヴィアンがゾフィーのところへ行き、「僕と声を交わしてくれないの?」と言いますが、ゾフィーは「今までのことが恥ずかしい、夫人がどんな目で私をみているか」と悲しみます。
265 . C-Angle 266番までソロです。
267 +2 C-Angle ソロです。その後、クラリネット、フルートに受け継がれます。
267 +10 Hr 上記のクライマックスをホルンが作り上げます。ゾフィーの歌をなぞります。言い寄るオクタヴィアンに「(あなたの「愛する」という言葉は)本当ではありません。どうぞ私を忘れて!」と言うところです。
269 -1 FL, CL,
Vn I
主旋律です。途中フルートが加わります。
270 +4 B-Hr,Fg,,Va 上記を受け継ぐ主旋律です。
273 -2 Fg,Tim, 低音楽器(弦はピチカート)は心臓の鼓動を表わす?オクタヴィアンがゾフィーに何を言ってもとりあってもらえない
. . Vc,Cb うちに、ゾフィーから「夫人が呼んでいますよ、お行きなさい。」と言われて呆然と去っていく沈黙のシーンです。
. . . .
276 . . ☆この後のやり取りは今回の演奏ではカットします。
. . . マルシャリンは「今日か、明日か、どの女にも一度は来ると言い聞かせてきた」と独言します。取り付く島もなく手詰まりになったオクタヴィアンを見かねてマルシャリンはゾフィーに話しかけます。「ずいぶん早くあの人を好きになったのね、自分はあなたの(ゾフィーの)父、ファニナルの様子を見に行きましょう、オクタヴィアンがあなたの相手をしますよ、と言います。一瞬、顔が綻ぶゾフィー・・・。
. . . .
284 . . ☆ここから再び演奏します。『三重唱』です。
. +3 Tp 第2幕でオクタヴィアンとゾフィーが見詰め合う時のフレーズが再びトランペットによって静かに奏されます。
マルシャリンは「私が誓ったのは、彼を正しく愛すること。彼が他の人を愛しても、その彼さえ愛そう、と。でも、こんなに早くそのときが来ようとは思いもしなかった・・・。」
オクタヴィアンはまだ、何がどうなっているのかわからず「なぜ、私は震えるのか、・・・私はゾフィーを愛する。」
ゾフィーは夫人への嫉妬を抱きつつも「私は教会にいるような敬虔な気持ちです。・・・まだ自分の気持ちがわからないけれど、一つだけ確かなのは彼を愛するということ・・・。」と歌います。
*最初マルシャリンによって歌われる旋律はこの幕の最初で、男爵にマリアンデルが「私、お酒は飲めないのよ」と猫をかぶる時のものと一致していますが、研究者はそのシュトラウスの意図はわからないとしています。
287 -1 Hr 最も重要なパートです。オクタヴィアンの歌をなぞります。
289 . Hr, Vc ここからしばらく最も重要なパートになります(チェロの8分音符、3連音符はそうでもないですが)。
. +2 Vn II Vn I はお休みです!鬼のいない間に・・・。
290 . . スビト・ピアノ !!
291 +2 Tp 他のパートが2分音符で伸ばしている時に合いの手を入れます。オクタヴィアンとユニゾン。
292 +5 Hr I, III
B-CL, Va
このオペラ全体における最大のクライマックスを目前にした最後の咆哮です!(オクタヴィアンとユニゾンですがたぶん聴こえないでしょう。)
293 -1 この小節の第2,3拍目にある四分音符をお持ちの方、死ぬ気で弾いて(吹いて)ください。
293 . Tim 音楽が最高潮に達するところです。ここでのティンパニはこのオペラの最大の山場を作り上げる決め手となります。ワーグナーの『ローエングリン』第1幕前奏曲におけるシンバルの一撃に匹敵する箇所と言えます。
. . Hr シュトラウスらしいところです。
294 -3 . もうひとつだめ押しをするところ。このマルシャリンの一言で三重唱は終わり、しばらくオケだけです。
294 . . マルシャリンは静かに部屋を出て行きます。
295 . B-CL, Fg
Hp, Vc
ふたりきりになったオクタヴィアンとゾフィーの愛の高まりを描写しています。オクタヴィアンの動機の変形です。この後、ふたりは感極まって熱い抱擁をします。
295 +5 . スビト・ピアノ !!
296 . Hp, Vc このオペラの冒頭(序奏)で演奏されるオクタヴィアンの動機の変形です。
297 +2 . オクタヴィアンとゾフィーの二重唱。「まるで夢のよう」と、ふたりは幸せを歌います。
298 -1 Ob, Ce ここのオーボエの旋律はチェレスタとユニゾンです。
298 +1 CL, Vn オクタヴィアンが「一軒の家があって、その中にあなたがいて、人々は私をその中に送り込んだ」と歌う旋律をなぞります。ふたりの出会いを思い出しているところです。
300 . . ファニナルとマルシャリンが部屋に入ってきます。先程は男爵の行状に驚き卒倒したファニナルですが、すっかり元気になり、ゾフィーとオクタヴィアンを許します。
. . FL, Vn, Va ここは、ふたりがゆっくり歩む様を描写します。ハープと掛け合いになることに注意です。
. +5 Vn 3拍目の裏から、やや気分を変えて演奏します。最初の Fis はG線が望ましいと思います。
301 +1 FLIII, Va ファニナルが「若い人たちはこういうものですかね。」とマルシャリンに問いかけるフレーズをなぞります。
. +2 Fg, Vc 上記を引き継ぎます。
. +5 Vn マルシャリンが「そうですとも。(Ja, Ja. )」とニュアンスの限りをつくして応えます。この一言は、まさにこのオペラの余韻あふれる結論と言えます。劇作家ホフマンスタールの面目躍如たる箇所です。その後、ファニナルとマルシャリンは部屋を出て行きます。
. . Vn, Vc この時のヴァイオリンのやるせないフレーズで繰り返されるグリッサンドには、オクタヴィアンに後ろ髪を引かれるマルシャリンの辛い気持ちが込められていることを察して演奏しなければなりません。我慢できなくなって、後ろ向きに手をオクタヴィアンに差し出すマルシャリン。それに口付けをするオクタヴィアン。その瞬間を1秒でも長引かせようとするマルシャリンの気持ちがこのグリッサンドなのです。
302 . . 再びふたりきりになったオクタヴィアンとゾフィーは抱き合います(お互いに何のわだかまりがなくなって)。このとき、ゾフィーはハンカチを落とします。
303 . . ふたりは二重唱の続きを歌います。
. +2 Fl, Ce, Vn 第2幕での「銀のばら」の動機が奏されます。
304 +3 Va ヴィオラのソロがオクタヴィアンといっしょに奏します。
305 -2 CL, Vn I オクタヴィアンとゾフィーが歌う最後のフレーズであり、かつ最大の難所です。
. -1 . 三連符をお持ちのパートの方、ゾフィーの歌のブレスの位置にご注目ください。
306 . . 「銀のばら」の動機をバックにオクタヴィアンとゾフィーは最後に再び抱き合い、部屋を出て行きます(307)。
307 -2 Ce, Vn I 下降分散和音(第2幕でもありました)は大事に演奏ください。
. . FL,Tp,Va 3−4拍目を大切に!
308 . 打楽器 音楽は突然、コミカルで軽快なものになります。マルシャリンの小間使いの黒人の男の子が誰もいなくなった部屋に何かを探しながら入ってきます。第1幕でこの子が朝食をマルシャリンの部屋に持ってくる時と同じ音楽です。打楽器は pp ですが、きわめて重要です。
310 . . 探していたゾフィーのハンカチを拾い上げると、男の子は走って部屋を出て行き、幕となります。



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