“ヴァン・ヘルシング” ★★
VAN HELSING
(2004年映画)

監督・脚本・制作:スティーヴン・ソマーズ
出演:ヒュー・ジャックマン、ケイト・ベッキンセール、リチャード・クロスバーグ、デヴィッド・ウェンハイム

 

19世紀のヨーロッパを舞台にした、吸血鬼ドラキュラ退治の物語。
主人公は、ローマ法王庁の命に従ってモンスター狩りをする男“ヴァン・ヘルシング”。殺人者と呼ばれる一方で、聖者という評判もあるが、本人自身過去の記憶を失っていてその生い立ちは不明、という設定。

ドラキュラ伯爵といえば舞台はトランシルバニアですけれど、吸血鬼退治を一族の使命としていたヴァレリアス一族は、もはやアナ王女がただ一人残るのみ。このままでは一族皆煉獄へ落ちるほかなくなると、法王庁がヴァン・ヘルシングにドラキュラ退治を命じるというのが、本物語の出だし。

吸血鬼となれば昔は“怪奇映画”というジャンルだったのですが、本作品の本質は伝奇風アクション映画。
主人公以上に、ドラキュラ退治にペアを組んだアナ王女のド派手なアクションが眼を惹きます。「
トゥームレイダー」とか「バイオハザード」とか女性アクションものの人気が高まっていますけれど、本作品もそのノリと言えるでしょう。
“吸血鬼の花嫁”と言われる女吸血鬼が3人登場しますが、これがなかなかセクシー。アナ王女とともに物語に彩を与えています。

冒頭ハイド氏(「ジキル博士とハイド氏」)が登場したかと思えば、ドラキュラのほかウルフマン(狼男)、フランケンシュタインまで登場してしまうのですから恐れ入りますが、それを見事にひとつの物語に収めてしまうのですから、大したものです。
一方、古来吸血鬼を倒す道具だった、銀の杭も十字架ももはや効かなくなっている、という設定には笑ってしまう。じゃ、どうすればいいんだ?と。 退治方法への興味は起きても、昔の怪奇映画のような恐怖感はもう起きないです。
最後にヴァン・ヘルシングの正体が明かされますが、コレ、日本人にはピンとこないのではないでしょうか。
一応何者か判ったものの、いいのかなァ、それで。

大盤振る舞い的なストーリィですけれど、ストーリィそのものより、アナを演じるケイト・ベッキンセールのアクション、人間の姿から吸血鬼、吸血鬼から人間の姿へという変貌シーン、そしてパロティ的な細かい部分にこそ面白さを感じました。

2004.12.26

      


  

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