スペースSF小説の傑作「火星の人」の映画化。
有人火星探査計画「アレス3」のチームは、猛烈な砂嵐に見舞われたため、予定を繰り上げて火星脱出を決断します。ところが離陸船に乗り込む途中、マーク・ワトニーは折れたアンテナの直撃を受けて吹き飛ばされます。
宇宙服に穴が開いたという警告、また姿も見えず、マーク・ワトニーは死亡したに違いないと諦めてクルー5人は火星軌道上の宇宙船に戻り、地球への帰還の旅につきます。地球のNASAでもワトニーの死亡を発表。
ところがその頃、火星表面では警告音によりワトニーが目覚め、たったひとり火星に取り残されたことを知ります。
次の有人宇宙船が火星にやってくるのは4年後。しかし、食料は僅か31日分。そして生き残るためには食料だけでなく酸素や水ももちろん必要。
そんな絶望してもおかしくない状況下で、ワトニーはどう行動するのか。そこから、究極のサバイバル計画が始まります。
本ドラマが悲壮なものに陥らずに済んでいるのは、ワトニーが持つ無類のユーモア精神にあることに疑いはありません。
だからといってワトニーが孤独や死の恐怖に無縁であった訳ではない。
そんなマーク・ワトニーをマット・ディモンが名演。
おそらく本作は、マット・ディモンの代表作になるのではないでしょうか。
終盤、マーク・ワトニーが救われるかどうか、手に汗握るシーンはスリルと迫力満点で言うことなし。
本作はサンドラ・ブロック主演の「ゼロ・グラビティ」と並び、近年のスペースSF映画の傑作と言って間違いありません。
原作・映画共々、是非お薦めです。
2016.02.05
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