“マグニフィセント・セブン” ★★
The Magnificent Seven
(2016年アメリカ映画)

監督:アントワーン・フークア
脚本:
ニック・ビゾラット、リチャード・ウェンク
出演:
デンゼル・ワンシントン、クリス・ブラット、イーサン・ホーク、ヴィンセント・ドノフリオ、イ・ビョンホン、マヌエル・ガルシア=ルルフォ、マーティン・センスマイヤー、ヘイリー・ベネット、ピーター・サースガード

 

ユル・プリンナーを始めとして若きスティーヴ・マックイーンら後の大物俳優たちが顔をそろえた「荒野の七人」が、黒沢明監督「七人の侍」を西部劇版に置き換えた作品であるということは今更言うまでもない有名な事実ですが、本作はその「荒野の七人」のリメイク版。

「荒野の七人」での敵は盗賊団でしたが、本作での敵は金鉱を経営する悪徳実業家ボーグ。邪魔な農民たちを追い出し土地を取り上げようと、衆目の中でいきなり人を撃ち殺す、教会に火をつける等傍若無人の振る舞い。盗賊団よりはるかに質が悪い人物という設定です。

「荒野の七人」は娯楽作品という印象が強かったですけれど、本作についてはシリアスな印象。
自分の利のためなら邪魔な人間はどんなに足蹴にしても構わない、それが民主主義であり資本主義だと嘯く悪徳実業家ボーグの姿は、まるでどこかのある人物に似通っているように思えます。
また、「荒野の七人」の最後には明るさがあったのと異なり、本作の最後ではお互いに深く傷ついたという虚しさばかりが残ります。
安易に武力行使して戦争を招いた結果がどうなるのか、という批判を本作は暗示しているのではないか、そう感じます。

※夫を撃ち殺され、悪徳実業家との戦いを助けてくれる意志の強い女性=エマを演じたヘイリー・ベネット、ジャニファー・ローレンスにも、シャリー・マクレーンにもよく似ていると私は感じたのですが、さてどうでしょうか。

2017.02.04

       


  

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