“フェイブルマンズ ★★
The Fabelmans
(2023年アメリカ映画)

監督:スティーヴン・スピルバーグ
脚本:スティーヴン・スピルバーグ、トニー・クシュナー
出演:ミシェル・ウィリアムズ、ガブリエル・ラベル、ポール・ダノ、セス・ローゲン

 

監督スティーヴン・スティルバーグが、自らの少年時代を映画化した、自伝的作品。

1952年、両親に連れられて初めて映画館に足を踏み入れた幼いサムは、映画「史上最大のショウ」の列車脱線シーンに大きな衝撃を受け、列車模型でそのシーンを再現して以来、カメラで映画を撮影することに夢中になっていく。
友達などを集めて西部劇や戦争映画を撮っては喝采を浴びるサムでしたが、カメラで家族の様子を撮ったそのフィルムで、技術者の父親と対照的に音楽家である母親が抱えるある秘密に気づき、愕然とする。
そしてサム自身も、アリゾナ時代は人気者だったのに、家族で引っ越したカリフォルニアではいじめに遭い、挫折を味わう。

ストーリィはともかくとして、サムが様々な映画を撮っていく姿、次第に腕を上げ高度化していくその様が、映画作りの原点を見るようで、実に面白い。

なお、本映画、そうしたサムの成長物語であると同時に、両親と三人の妹というフェイブルマン一家の変遷を描いた物語でもあります。

特にサム以上に、画面いっぱいに存在感を発揮しているのが、母親ミッツィ。そのミッツィを演じているのがミシェル・ウィリアムズで、その演技が圧巻。
本作の観応えはすべてミシェル・ウィリアムズにある、と言って過言でないと思います。
ミッツィという女性、可愛くて、我が儘で、でも自分に正直で。魅力にあふれる女性であり、母親という印象。その表情の変化が著しい。

スティーヴン・スティルバーグの自伝的作品ということで、どういう映画だろうかと思いましたが、じっくり楽しめました。満足です。

2023.03.08

       


  

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