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「スパイダーマン」シリーズ、第３弾。
前回の「スパイダーマン２」で、このままで終わった方が良いのではないかと記しましたが、それは大きな間違いであったと本作品を観て思いました。
本作品こそシリーズ中最高傑作と言って良いでしょう。
「スパイダーマン」が単なるヒーローもの、スーパーアクションものに留まらないのは、青年ピーターの若者らしい弱さ、悩み、恋といった青春物語を描いているからです。
しかし今までの２作は、まだまだ甘かった。ピーターが本当に挫折、試練を味わうのは本作品においてのこと。
何のかのといって、これまでのピーターは純朴で慎ましい青年。そんなピーターであっても、スパイダーマンがこれだけ市民の英雄扱いされると増上慢になってしまうのは無理ないこと。せっかくの舞台主役を降ろされるというメリー・ジェーン（ＭＪ）の辛い状況にも理解が行き届きません。その結果として、ＭＪとの亀裂、さらにピーターを父親の仇と思い込む親友ハリー・オズボーンとの確執。
今回、スパイダーマンの敵はハリー、脱獄囚が変身したサンドマン、ピーターに復讐の念を燃やしヴェノムとなったエディと忙しい。
しかし、それら以上に強敵となるのは、実はピーター自身の胸の内にある悪の感情。宇宙から飛来した黒い生命体にその悪感情を増幅され、ピーターはブラックスパイダーマンに変身してしまう。
悪の感情に突き動かされ冷酷に振る舞うピーターと、本来の自分を取り戻そうとするピーターの戦いこそ、本作品の一番の見処。
ストーリィ的には確かにそのとおりですが、画面の見応えはやはり３人の強敵とスパイダーマンとの戦い。前２作はレンタルＤＶＤで見ただけなので、シネコンの大きな画面で見るとやはり迫力は凄いですね。スケール、スピードともこれまでよりさらに上回った感じ。目を凝らしてみていても、アクションシーンの速さに目が追いついていけません。
挫折、後悔という大きな試練を乗り越えて成長したピーターの姿、若者から一皮向け大人になったという雰囲気があります。それはＭＪとの恋についても言えること。
アクションものとしてのスケールもこれまで以上に見応えがありますが、それより青春ものとして傑作といえる作品。
2007.05.05
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