“Shall we Dance?” 
(2004年アメリカ映画)

監督:ピーター・チェルソム
原作:周防正行
脚本:オードリー・ウェルズ

出演:リチャード・ギア、ジェニファー・ロペス、スーザン・サランドン

 

言うまでもなく、周防正行監督による傑作日本映画のアメリカ版。
作品の出来は、日本・アメリカの好みの違いかもしれませんが、原作には遠く及ばず。
あの日本映画がどうアメリカ映画にされるか、リチャード・ギア、ジェニファー・ロペスという2人がどう演じるか、その点への興味に尽きます。

そんなことから、日本映画と比べながら見てしまうというのは、致し方ないところ。
主人公のジョン・クラークが、ビル上階にあるダンス教室の窓際に立つ女性(ポリーナ)に惹かれてダンス教室のドアを開けるというのは原作どおり。
しかしなぁ、いくら遺言書作成が専門だからといって、アメリカの弁護士が電車で通勤などするだろうか?

概ねストーリィは、原作どおりに進みます。
この映画は平凡な人物たちがダンスによって輝きを見せるというところが魅力なのですが、その日常とダンス時の差が、役所広司・竹中直人・渡辺えり子に比べてリチャード・ギア、スーザン・サランドンの3人は小さい。
練習を重ねたダンスの結果という点でも、本作品の3人は原作に及ばないという印象です。
それにしても、最後の場面、何であぁ体育系のノリになってしまうのかなぁ〜。
原作のあのしみじみとした味わいが喪われてしまったことは残念。アメリカ人というのは所詮大雑把だなァと思わざるを得ません。
もうひとつ、夫婦のあるべき姿というものに絡め取られ過ぎているのではないだろうか。
また、ジェニファー・ロペスが恋に関わらない役を演じている、そこにもまた宙ぶらりんの如き印象が残ります。

※竹中直人に相応するリンク役を演じるのはスタンリー・トゥッチ。どこかで観たなと思ったら、「メイド・イン・マンハッタン」に出演していた人。渡辺えり子に相応するボビー役を演じるのはリサ・アン・ウォルター。この人も見たことがあると思ったら「ファミリー・ゲーム」。柄本明に相応する探偵役はリチャード・ジェンキンス、この人もあちこちで見かける人。

2005.10.16

       


  

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