“デンジャラス・ラン” ★★☆
Safe House
(2012年アメリカ映画)

監督:ダニエル・エスピノーサ
脚本:デヴィッド・グッゲンハイム

出演:デンゼル・ワシントン、ライアン・レイノルズ、ヴェラ・ファーミガ

 

主人公は南アフリカのケープタウンに設けられているCIAのセーフハウス(隠れ家)の管理人をしているマット・ウェイン。
しかしそうした施設であるが故にそう仕事がある訳でなく、また自分の能力を示す機会がある訳でなく、無聊を囲っているというのがその実情。
その施設に、元CIA工作員で悪名高き犯罪者トビン・フロストが連行されてきたところから、マットは信じ難い展開に巻き込まれることになります。
何とフロストを狙う武装集団にセーフハウスが強襲され、フロストを連行してきたCIA職員は全滅。マットはただ一人フロストを連れてセーフハウスを脱出。それから恐怖に満ちたマットの逃走劇が始まります。
襲ってきた連中の正体も不明、連行するフロストもまた油断ならない相手、そんな困難な中で何とか職務を全うして自分の能力を上層部に示したい、というのがマットの思いでしょう。

トビン・フロストとはどんな人物なのか。何のためにケープタウンにやって来たのか。そして、何故フロストは武装集団に襲われるのか。それが観客にとっても大きな謎です。
前半はともかくも凶悪な犯罪者という印象だったのですが、後半に入ってから徐々に、フロストは何か秘密を抱えているのではないかと思えてきます。
そして終盤、何という展開が繰り広げられることか。

とにかく凄い作品です。
こんなストーリィを描けるところが、アメリカ映画の底力だと言わざるを得ません。そしてデンゼル・ワシントンからこそ、このトビン・フロスト役に相応しいと、得心がいく思いです。
決して派手なアクションだけの作品でなく、といって単なるサスペンス作品に留まらない、底知れない力感の溢れる作品です。
デンゼル・ワシントンの底深い演技に、主人公マットを演じたライアン・レイノルズの熱演に、心から拍手。

2012.09.08

       


  

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