“レッド・スパロー★★☆
Red Sparrow
(2018年アメリカ映画)

監督:フランシス・ローレンス
原作:ジェイソン・マシューズ
脚本:ジャスティン・ヘイス

出演:ジャニファー・ローレンス、ジョエル・エドガートン、マティアス・スーナールツ

  

実際にCIAの工作員として活動していたジェイソン・マシューズによるベストセラー小説の映画化だそうです。

介護が必要な母親を抱えながら、ボリショイ・バレー団で有望なバレリーナとして注目されていたドミニカ・エゴロワでしたが、嫉妬する同僚バレリーナとその愛人であるバレエダンサーの卑劣な行動により脚を怪我し、バレリーナの道を絶たれてしまう。
そこに付け込んできたのは、ロシア情報庁で副長官の座にある叔父。病気の母のためという脅しに屈し、否応なくドミニカは、セックス攻略によるスパイ“スパロー”の養成所に送り込まれます。そこは女性としてのプライドをずたずたにするような、男も女もセックス・マシンに仕立て上げるような訓練所。
そこで有能なスパイの素質有りという評価を勝ち得たドミニカは、ブタペストへ送り込まれ、CIAエージェントから色仕掛けで米国に情報を売り渡しているロシア高官の名前を聞き出すよう命じられます。

自分の意思を持つことも許されない、ロシア情報庁の道具に決してなるまいとするドミニカ。母国ロシアはもう信用できない。しかし、自分の身だけが救われれば良いのではなく、愛する母親を守らなくてはならない。
そうした過酷な状況に身を置き、ロシア情報庁、米国CIAの間で危険極まりない綱渡りのような道を歩もうとする。

どこにドミニカの真意があるのか、ロシア情報庁はどこまでドミニカの意図に気づいているのか、そして米国CIAは最後までドミニカの安全を守り抜くつもりがあるのかどうか。
一転二転、その先にどんな展開が待っているのかまるで予想付かず。ストーリィ自体がまるで綱渡りのようです。事実、観ていて、ハラハラしっぱなし。
そしてドミニカ自身、何度も何度も、傷つけられ、殴打され、残酷な目に遭わされ続けます。

ストーリィにも圧倒されますが、自分の身を犠牲にしながらも困難な道を進んでいくドミニカの姿はまさに圧巻ですし、それ以上にドミニカを演じたジェニファー・ローレンスの体当たりの演技が真に圧巻!

私の好みではない映画ですが、ジェニファー・ローレンスのファンであれば観ずにはいられませんし、ジェニファー・ローレンスだからこれだけの演技もできたと感じるばかりです。
ジェニファー・ローレンスの熱演に、拍手を惜しみません。

※昔、セックス仕掛けで相手を罠にかけ情報を入手するというソ連のスパイ養成所について書かれたノンフィクションを読んだことがあります。ですから、本作品の画面以上にその過酷さが理解出来ました(訓練場面もそのノンフィクションに書かれていた一部そのものですし)。

2018.04.01

       


  

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