“パッセンジャー” ★★☆
Passengers
(2017年アメリカ映画)

監督:モルテン・ティルドゥム
脚本:ジョン・スペイツ

出演:ジェニファー・ローレンス、クリス・プラット

 

地球から120年かけて別の惑星へ移住するという壮大な計画を果たすべく宇宙を飛び続ける宇宙船アヴァロン号。
スタップの他、乗客 5,000人は目的の惑星に到着する4ヶ月前に目覚めるまで冬眠を続けていく。
しかし、冬眠ポッドのトラブルにより、ジム・プレストンがたった一人目覚めてしまいます。
経過年数は30年。つまり、宇宙船が目的の惑星に到着するのは90年も先。それはつまり、ジムの一生は宇宙船の中で潰えることとなり、死ぬまでたった一人で過ごさなくてはならない、ということ。
かろうじて話し相手になるのは、アンドロイドのバーテンダーであるアーサー。しかし、孤独感と寂しさは癒しようがない。
たった一人の一年間を何とか過ごしたジムは、冬眠を続ける乗客の中、魅力的な若い女性作家のオーロラ・レーンに目を留める・・・・。

ジムが見舞われた運命は究極の孤独、究極の牢獄と言う他ありません。他の乗客と自分を比較できるからこそなお苛烈。もしそんな目に遭ったらと思うと、恐怖しか感じられないでしょう。
そして1年後、オーロラ・レーンもまた冬眠ポッドから目覚め、宇宙船の中で目覚めているのはたった2人という状況に変わります。そんな2人の間にロマンスが芽生えるのは当然のことと言えます。
しかし、人間の感情をよく理解できていないアーサーが漏らした一言によって、2人の関係は最悪のものになってしまう。
それもつかの間、宇宙船のシステムに大きな障害が発生し、宇宙船自体の安全が脅かされる事態に・・・。

宇宙空間を飛び続けるアヴァロン号、それが魅力ある世界か、逆に牢獄のような世界か。それは置かれた状況、当事者の感情次第なのではあるまいか。

サンドラ・ブロック主演「ゼロ・グラビティ」は究極の絶体絶命ストーリィでしたが、本作もそれと似た要素があります。
しかし、本作の本質は振幅の大きいラブストーリィにある、と言って良いでしょう。

エンディングでは、2人の愛の姿にちょっと感動を覚えます。

主演の2人、ジェニファー・ローレンスとクリス・プラットが熱演していますが、やはり特筆したいのはジェニファー・ローレンス。
登場人物が限られているストーリィだけに、ジェニファー・ローレンスの魅力(演技、表情、ファッション)をたっぷり堪能できるのが、ファンとしては何より嬉しいところ。 お薦めです。

2017.03.25

       


  

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