“私の中のあなた” ★★☆
My Sister's Keeper
(2009年アメリカ映画)

監督:ニック・カサヴェテス
原作:ヂョディ・ピコー
脚本:ジェレミー・レヴェン、ニック・カサヴェテス

出演:キャメロン・ディアス、アビゲイル・ブレスリン、アレック・ボールドウィン、ジェイソン・パトリック、ソフィア・ヴァジリーヴァ

 

良い映画でした。
アメリカのベストセラー小説の映画化とのこと。
弁護士のサラ、消防士のブライアン、長男ジェシーと長女ケイトというフィッツジェラルド一家。2歳の時ケイトが白血病に冒されていると判ります。
両親はケイトのため、遺伝子操作によってドナーにぴったりの次女アナをもうけます。
そのためアナは、幼い頃からケイトの治療に提供するため、何度も苛酷な医療処置を受けてきたというのがプロローグ。
そして11歳になったアナは、突然に一人で弁護士事務所へ赴き、移植手術のための腎臓提供を拒否したいと訴訟提起を依頼します。

ドナーとして子供をもうけることの是非、アナの人権保護要否と、それだけ聞くとセンセーショナルなストーリィかと思いますが、お互いに愛し合いながら重病の家族を抱えて各々苦労する家族、という物語。
決してアナが姉ケイトを愛していないという訳ではない、姉より自分を守りたいと思っている訳ではない。要は、ケイトの愛し方が、母親のサラと姉妹のアナとで違う、ということだと思います。
何故アナは母親相手に訴訟を起こしたのか。その真の理由が判るのは、結末近くになってから。
ちょっとショッキングな思いをしましたが、ああやっぱり、という思いもありました。

生きることとは、そして死を迎えることとは、どういうことなのか。
そして、子供を死なせたくないという親の気持ちが、子供の生きようとする意思を応援しようとする気持ちは、何時からずれてしまうのか。
アナはケイトのドナーとして産み出され、確かにその役割は無視できないものですが、親が考えていたドナーという立場より、ケイトにとっては遠慮なく心を打ち明けられる相手=妹としての存在感の方が高かったと思えるところが、ケイトにとってもアナにとっても救いだったように感じます。
いつも笑みを絶やさないケイトという少女、ケイトを演じたソフィア・ヴァジリーヴァも良かったのですが、一人で大人に立ち向かっていく勇気を示す少女アナを演じたアビゲイル・ブレスリンも素晴らしい。

このアビゲイル、「プリティ・ヘレン」「幸せのレシピ」「幸せの1ページ」と観てきて、「幸せの1ページ」でファンになった少女俳優です。
こうした作品でまたその姿を観ることができたのは、嬉しいこと。
しかしこの邦題、意味の判らない邦題ですよねー、毎度ながら呆れます。

2009.10.10

    


  

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