“ステップ!ステップ!ステップ!” ★★★
MAD HOT BALLROOM
(2005年アメリカ映画)

監督:マリリン・アグレロ
脚本:エイミー・スウェル

 

ニューヨークの公立小学校の間で行われている社交ダンスのコンテスト、それに参加する生徒達の練習光景からコンテストの決勝までを追った、ドキュメンタリー映画です。

そのコンテストの目的はというと、子供たちが悪い方向に走らないよう情操教育として考えられたものだというから凄い。
つまり、社交ダンスというのはまず第一に紳士・淑女であることが求められ、ダンスにおいては相手を思いやる気持ちも大切ということから、生徒達の心が曲がっていかないように育てるうえでとても良い方法である、ということらしい。
また、いろいろなダンスを通じて発祥国の文化を知ることにもなるという。
たしかにニューヨークの公立小学校ともなると、人種のるつぼというか、白人が少なくてむしろ中南米やアジア系の移民の子供たちが多い訳です。この子らは育っていく中でダンスを覚えるような機会はもてないに違いない、だから小学校で教える機会を与えよう、というのが発端のようです。
こうした幅の広さというか、形式にこだわらず実践的に考えていく姿勢という点において、アメリカという国は流石だと思います。

コンテストに参加するのは60校以上、 6,000人の生徒達が10週間のコースに取り組み、選ばれたメンバーによる競技会で優勝を目指します。本作品は各々特徴ある3校に的を絞って子供たち、指導する教師たちを追っていきます。

ドキュメンタリーとしても優れた作品ですが、コンテストにおける子供たちのダンスも見応えあり、とても楽しい。
そのダンスは、メレンゲ、フォックストロット、ルンバ、タンゴ。
練習初めの頃ぎこちなかった子供たちが、コンテストでは男の子は紳士らしく、女の子は艶やかに見事に踊りまくるのですから、子供たちの可能性というのは本当に凄いものだと思います。

こんな授業が行われていたらと、羨ましく感じるのはきっと私だけではない筈。

2007.01.20

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