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        「X-MEN」シリーズの中で独特の存在感を示していた“ウルヴァリン”、その最後の戦いを描くSFアクション。 
        冒頭、これまでのX−MEN、ウルヴァリンとは全く異なる状況になっていること驚かされます。 
        ローガン、もはや飲んだくれ、老いも感じられるという風。ヒーローとは全く似つかず、リムジーン車の運転手をして何とか生活の糧を稼いでいる。 
        そのうえ、メキシコ国境の廃屋で痴呆化が進んでいるチャールズ・エグゼビアの介護もしているという状況。 
        いったい、他のミュータントはどうなったかというと、新たなミュータントは生まれず、もう殆ど耐えているという状況らしい。 
        そんなローガンの前に現れたのがガブリエラという女性。看護婦だったという彼女はローラという少女を連れていて、ローガンにローラをノースダコタまで送り届けて欲しいと依頼した後、殺害されてしまう。 
        そのローラ、何と不死身の身体を持ち、さらに指の間から金属の刃を突き出すといった、まさにローガンのミニ版、少女版と言うべきミュータントと判ります。 
        ローラを捕獲しようとする部隊に襲われたローガンは、チャールズ、そしてローラと共に逃亡の旅に出る・・・・。 
         
         
        まさかなぁ、こんな結末になるとは思いもよりませんでした。 
        従来作品と同じようなスリル満点のSFアクションを、本作に期待することはできません。SFアクションはあってもそれは、彼らの終末、そして悲劇を予感させるものばかりですから。 
        主演のヒュー・ジャックマン、「ウルヴァリン」からもう8年、彼自身の実年齢も感じざるを得ません。 
        その一方、新たねミュータント少女であるローラを演じるダフネ・キーンの闘いぶりが凄い! スピードという点ではるかにローガンを上回り、まさに目に留まらぬ、という表現が相応しい。 
        最後、ファンとしては複雑な思いがありますが、バトンを受け継ぐ者たちがいるということに、救われる思いがします。 
        
        
        2017.06.03 
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