“ライフ・オブ・パイ” ★★☆
Life of Pi
(2012年アメリカ映画)

監督:アン・リー
原作:ヤン・マーテル

脚本:デヴィッド・マギー、ディーン・ジョーガリス

出演:スラージ・シャルマ、イルファン・カーン、レイフ・スポール、ジェラール・ドバルデュー

 

副題は「トラと漂流した227日」とある、話題の作品。

インドで動物園を経営していた主人公パイの父親は一家でカナダへ移住することを決意。動物たちも船に乗せ、カナダで売り払って資金にするという思惑でしたが、乗った貨物船が太平洋上で嵐に遭い転覆。偶然の仕業で16歳のインド人少年パイ一人が小さな救命ボートに乗り込み生き残りますが、何とそのボートにはパイ以外にも乗り込んだ生き物がいました。シマウマ、ハイエナ、オランウータン。そして何という運命の悪戯か、獰猛なベンガルトラの“リチャード・パーカー”まで。
間もなくボートの乗員はパイとリチャード・パーカーの一人と一匹のみになります。
さて主人公のパイ、太平洋上の漂流生活 227日を、リチャード・パーカーと共にどう生き延びたのか、というストーリィ。

水、食料が限られた漂流ボートの中で腹を空かせている筈のトラと共に漂流生活 227日を送るという設定自体が、幾らなんでも信じ難いものであり、どう過ごしたのかという点がまず本作品の興味どころ。
しかし、本作品はそれにとどまらない、実に奥行きの深い映画でした。
波のある現実的な海上の他に、静かな水の上という幻想的で美しいシーンが何度も繰り広げられます。
私は2Dで見たのですが、このファンタジーな映像を楽しむには3Dで観た方が良かったかもしれません。

主人公パイが知恵を巡らし漂流ボートにてトラと共存するスリリングなストーリィも面白いのですが、幻想的な映像も大きな魅力。
それにまた、本作品にはキリスト教、イスラム教、仏教を超えた宗教的なメッセージも感じます。
そして最後の興味どころは、パイとリチャード・パーカーとの間に友情は生まれたのか、という問題。

※原作はブッカー賞を受賞したベストセラー小説とのことで、読んでみたくなりました。

2013.01.26

    
※原作 → 「パイの物語

      


  

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