“クリビアにおまかせ!” ★★☆
Ja Zuster,Nee Zuster
(2002年オランダ映画)

監督:ピーター・クラマー
原作:アニー・M・G・シュミット
脚本:フランク・ハウトアッペルス、ハリー・バニング、ピーター・クラマー

出演:ルス・ルカ、バウル・R・コーイ、チツケ・ライディンハ、バウル・ドゥ・レウ

 

オランダ映画自体見るのは初めてですし、ましてミュージカルとなれば、これはもう珍しい以外の何物でもありません。
本映画は、60年代にオランダで大ヒットしたTVドラマシリーズのミュージカル化とのこと。
60年代を意識したのか、オランダ映画らしさなのか判りませんが、古色蒼然としているところがまず印象的。
また、ダンサーたちの踊りを頭上からとらえるアングル、主要人物らのバックで通り掛かりの町の人たちも一緒に踊りまくるというスタイルも、往年のミュージカル映画のスタイルであって、懐かしさ極まりない。
ただ、ハリウッド・ミュージカルのような派手さがありません。むしろ、レトロと言うのが適切なくらい。そこもまたもの珍しい魅力です。

ストーリィはというと、サクラ草通りで“クリビア・ホーム”という療養所を経営するナース、クリビアが主人公。このクリビア・ホーム、鷹揚で陽気なクリビアの性格を反映してか、ちょっとオツムの弱い等風変わりな人たちばかりが入居している。そのため、隣家の大家ボーデフォルは執拗にクリビアを目の仇にし、彼ら一同を立ち退かせようと年中訴訟ごとを起こすことの繰り返し。
そんなサクラ草通りの出来事が、通りの住民大勢を含めての賑やかなコメディ・ミュージカルとして展開していきます。
本映画の登場人物で一番魅力があるのは、実は主役クリビアではなく、むしろ敵役である根性悪の隣人、ボーデフォル。このボーデフォルを演じる俳優の、いかにも根性悪そうな表情、口元の動きが見事なのです。実に面白い。このボーデフォルという敵役の存在がなかったら、この作品の面白さは半減以上でしょう。
ミュージカル好きな方は、ものは試しと思って是非ご覧あれ。

 2005.02.07

      


  

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