“HERE 時を越えて ★★
Here
(2025年アメリカ映画)

監督:ロバート・ゼメキス
原作:リチャード・マグワイア
脚本:エリック・ロス、ロバート・ゼメキス
出演:トム・ハンクス、ロビン・ライト、ポール・ベタニー、ケリー・ライリー、ミシェル・ドッカリー

 

ある場所に視点を据えて、そこに住む家族の変遷を描いた作品。

基本的には、ある家、街路を見渡す大きな窓のある居間がその場所なのですが、その家族が生きた時間だけでなく、地球の原始時代、ネイティヴ・アメリカンが暮らしていた頃、そして開拓時代をも含めた風景をざっと映し出しているところが面白い。

上記家では、二つの家族の変遷が描かれます。
まずアルとローズの夫婦が新婚時に家を買い、そこで子供を育て、老いていく。
そして長男のリチャードがマーガレットとデキ婚をして同居し、子育てをしていくのですが、そこでは二世代での暮らしをマーガレットが嫌がっている姿が描かれます。

若い頃に始まり、老いて伴侶を失い孤独さを感じる日々。
そして、赤ん坊の頃から始まり、結婚し働いて子どもを送り出し、老いた親の世話をするようになる、という人生。
一人の人間の、“人生”という歴史を目にする思いです。

ただし、その家で生まれ育ち、自分の親と同居するリチャードに対して、妻のマーガレットがその家を嫌い、出て行きたがる気持ちもよくわかります。

何か事件が起きることもなく、平凡な人生を描いているだけの作品ですが、ひとつの場所に固定して描くという設定が面白い。

なお、主演のトム・ハンクス、若い姿はCG加工だそうです。

2025.04.08

           


   

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