“ヘアスプレー” ★★
Hairspray
(2007年アメリカ映画)

監督:アダム・シャンクマン
脚本:レスリー・ディクソン
出演:
ジョン・トラヴォルタ
、ニッキー・ブロンスキー、ミシェル・ファイファー、クリストファー・ウォーケン、クイーン・ラティファ、アマンダ・バインズ、ジェームズ・マースデン、ザックク・エフロン

 

1988年ジョン・ウォーターズ監督の同名作品をブロードウェーでミュージカル化してトニー賞を受賞したという「ヘアスプレー」の映画化。

舞台は1960年代の米国メリーランド州ボルチモア。16歳の高校生トレーシーは親友トニーと共に人気ローカル番組“コニー・コリンズ・ショー”に夢中。いつか番組に出演して歌い踊りたいと夢みています。
しかし太っていて背も低く、おまけに美人でもないトレーシーがかえって傷つくことを母親のエレナは心配する。そのエドナ自身、極めつけに太っている女性。
でも、そんな母親の心配を他所に、トレーシー本人は天真爛漫、いつも前向きです。
そのトレーシーが番組のオーディションに参加したところ、注目されてレギュラーに選ばれてしまう。太目のトレーシーが注目を集めることを、番組を仕切っているベルマと主役気分のアンバー母娘は許せない。
トレーシーとエドナ母娘に、ベルマとアンバー母娘が対抗心を燃やすようにしてストーリィは展開していきます。

そんな青春ミュージカルですが、冒頭からアップテンポの歌、踊りがふんだんに披露され、ミュージカル・ファンとしては楽しいことこのうえない。
ただ昔のミュージカルと違って楽しいだけでは終わらないのは、黒人差別問題がストーリィの鍵になっているところ。

主人公のトレーシーを演じたニッキー・ブロンスキーも楽しいのですが、私が楽しませてもらったのは、自己利益のためならふり構わずといったベルマを演じるミシェル・シェイファー、そして黒人女性歌手メイベルを演じるクイーン・ラティファ、トレーシーの父親ウィルバーを演じるクリストファー・ウォーケンといったベテラン俳優陣。光ってましたねぇ。
本来この作品は、太った中年女性エドナをジョン・トラヴォルタが演じたことが売りらしいのですが、私としてはあんまりなぁ・・・。
ジョン・トラヴォルタが演じるからには眼を見張らせられるエドナのダンスが披露されるのかと思ったらそうでもないし、話題作り以外に、何の意味があったのか。
なお、トレーシーの親友ペニーを演じるアマンダ・バインズ、「
ロイヤル・セブンティーン」とは異なる、とぼけた感じの女高生役が面白かった。

楽しいことは楽しかったですけれど、今さら黒人差別反対運動に感動することはなく、あぁ楽しかったであっさり観終わってしまったところはちと残念。

※題名の所以は、コニー・コリンズ・ショーのスポンサーがヘアスプレー会社という訳。

2007.10.20

 


  

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