“ドリームガールズ” ★★★
DREAMGIRLS
(2006年アメリカ映画)

監督:ビル・コンドン
原作:トム・アイン
脚本:ビル・コンドン
出演:
ジェイミー・フォックス
、ビヨンセ・ノウルズ、エディ・マーフィ、ジェニファー・ハドソン、アニカ・ノニ・ローズ、ダニー・グローヴァー

 

久し振りにすっかり堪能したミュージカル。素晴らしい作品でした。
てっきり女性グループの単なる成功物語と思っていたのですが、とんでもない誤り。相当に苦味の混じった物語でした。でもそれがあって結末の爽快さに繋がっているので、観終わった後何度でも観返したくなります。

1960年代のデトロイトが物語の始まり。エフィー、ローレル、ディーナの3人は“ドリーメッツ”というグループ名でスターを目指している。
その3人に目をつけたのが中古車販売会社を営んでいるカーティス。やがて3人はカーティスのマネジメントで、グループ名を“ドリームガールズ”に変えてスターの道を歩み始めるのだが・・・・。
そこから、ディーナの成功とエフィーの挫折が対照的に描かれます。
でも挫折があったからこそ再生があり、その一方で成功の中に危うさがある。そんなストーリィです。
なお、本作品はその3人の物語だけでなく、黒人の世界だけでなく白人の世界でも成功しようという当時の黒人歌手の喘ぐように苦闘する姿も描かれます。そんな歌手ジミー・アーリーを演じているのが、意外にもエディ・マーフィ。

主演はディーナ役のビヨンセ・ノウルズとカーティス役のジェイミー・フォックスですが、私として見応えがあったのは本作品で映画デビューとなったエフィー・ホワイト役の新人ジェニファー・ハドソンと、いつもの笑いを抑えて深みある演技をしたエディ・マーフィ。
とくにジェニファー・ハドソンの迫力ある歌いっぷり、また“ワンナイト・オンリー”の切々たる歌声は見事というに尽きます。
また、歌というのは楽しい気分を表すだけでなく、思いの丈を存分に表現するものでもあったのだなぁと、本作品を観て感じました。ジャニファー・ハドソンとビヨンセ・ノウルズ(唄は「Listen」)各々のその場面、ひたすら圧倒されて忘れられない気がします。

全篇、歌がいっぱい。ミュージカル好きの私には嬉しいことこのうえない。
どれも魅力ある歌ばかりですが、中でも“ワンナイト・オンリー”が2重に楽しめる趣向は、嬉しいなぁ。

2007.07.07

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