“真夏の夜の夢” ★★
A Midsummer Night's Dream
(1998年アメリカ映画)

主演:ルパート・エベレット(オベロン)、キャリスタ・フロックハート(ヘレナ)、ケビン・クライン(ボトム)、ソフィー・マルソー(ヒポリタ)、ミシェル・ファイファー(タイターニア)、スタンリー・トゥッチ(パック)

 

シェイクスピアの有名な喜劇の映画化。
2組の若い男女が、恋する相手を夜の森の中で追いかけあう、そこに妖精の王と女王の仲違い、妖精パックの悪戯が加わり、一夜の混乱が起こるという喜劇ですが、ストーリィは周知のこと。
ですから、興味は、シェイクスピア劇をどのように映画化するかという点と、妖精の場面、ボトムらのヘンテコ劇がどのように描かれるのかという点にあります。
時代設定は、原作より近代化されていて、登場人物らの服装は英国紳士・淑女風。また、2組の男女の追いかけっこに自転車が使われています。妖精パックさえも、自転車に乗って走り回りますから驚き。それがこの映画のアクセントになっていて、新鮮さとスピーディさが加わり、映画化の手法としては上出来と思います。
恋するディミトリアスにすげなくされる女性ヘレナ役は、“
アリー”のキャリスタ・フロックハート。アリー像をこの物語に持ち込んだというか、ヘレナ自体がアリーに似ているというか、キャリスタ=アリーのイメージが付きまとっていますが、この物語を損なうどころかむしろ面白みを加えていて、好ましいです。
また、
原作の面白さは、2組の恋騒動とボトム中心の喜劇の2点にあるのですが、ボトムを演じるケビン・クラインが好演していて、原作以上の活躍ぶりをみせています。最後のボトムらの劇中劇には、思わず笑い出してしまいます。
メンデルスゾーンの音楽が、度々挿入されているのも楽しいところ。“結婚行進曲”もタイミング良い場面で流れます。
ただ、夜の森の中で寝るというのに、何故この男女たちは薄着になるのか、朝になって発見された時何故4人とも裸体なのか、女性2人は綺麗ですから構わないものの何でぇ〜?という疑問は残ります。※ヒポリタ役のソフィー・マルソーについては、あぁ、お久し振りというところ。
全体では、気分良く楽しめる映画に仕上がっています。

2001.02.12

    
シェイクスピア戯曲作品リスト

  


    

to 映画note Top     to 最近の映画 Index