“(500)日のサマー” ★★☆
(500)Days of Summer
(2010年アメリカ映画)

監督:マーク・ウェブ
脚本:スコット・ノイスタッター、マイケル・H・ウェバー
出演:ジョセフ・ゴードン=レヴィット、ゾーイ・デシャネル


※DVD観賞。
 

運命的な恋を信じる青年の 500日に亘る恋物語。

グリーティング会社に勤めるトム・ハンセンは、アシスタントとして入社してきたサマー・フィンを一目見て恋に落ちます。
ところがそのサマー、恋なんて信じない、誰かの所有物になるなんて理解できないと、恋に対する考え方はトムと対照的。
サマーと親しくなるためにはサマーの考え方を受け入れざるを得ないと、トムはサマーと調子を合わせます。それでも2人の仲は、サマー曰く“友達付き合い”とは言いつつ、デートしたり、ベッドを共にしたりと、ごく普通の恋人のよう。しかし、いつまで経っても距離の縮まらないことにトムが内心苛立つこともしばしば。

サマーと関わった一日一日をカウントしていくかのようにしてストーリィは進んでいきます。サマーのおかげで心を千々に乱すトムの様子に、友人たち、上司も心配しますが・・・・。

最後は思いもよらぬ結末。自分の行動を突然翻すようなサマーの行動に、トムならずとも観客も唖然とせざるを得ないのではないでしょうか。
トムを主体にしたストーリィだけにいつしかトムと同調して観ていましたが、トムとサマー、どちらが正しく、どちらが間違っているとも言えないのが恋愛というものなのでしょう。
ある意味、トムの思いは正しかったのですが、サマーにとってはトムが考えたようなことではなかった、ということか。
しかし、恋愛とは終わることもあれば、また新しく始まることもある、永遠の真理かもしれませんが、本作品においては救われるような思いがすることも事実。

トムとサマーの 500日を繊細に描いていく展開が秀逸。
また、複雑な胸の内を堪えて淡々とした表情を見せる、ナイーブな主人公トムを演じるジョセフ・ゴードン=レヴィットがとても好感。シリアスなラブ・ストーリィを実に味わい深いものにしています。もちろんサマーを演じるゾーイ・デシャネルも好演です。
さらに、ベンチに座る2人の姿を冒頭、最後と2度に亘って見せるところ等々、演出の上手さも光ります。
シリアスな内容だからこそ、かえって忘れ難いラブ・ストーリィ。

2013.02.11

       


  

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