“グランド・ホテル ★★
GRAND HOTEL
(1932年アメリカ映画)

監督:エドマンド・グールディング
原作:ヴィッキー・バウム
脚本:ウィリアム・A・ドレイク
出演:グレタ・ガルボ、ジョン・バリモア、ジョーン・クロフォード、ウォーレス・ビアリー、ライオネル・バリモア

    

第5回アカデミー賞にて最優秀作品賞を受賞した、映画史上で有名な作品。

舞台はベルリンの超一流ホテルである<グランド・ホテル>

ホテルを代表例にして、駅、空港、高層ビル等を舞台にそこに集まる人々の人生模様を同時進行かつ交錯する形で描き出す群像劇はもはや定番と言って良いものだと思いますが、その原点になったのが本作品だそうです。

主な登場人物は5人。
・クリンゲライン(ライオネル・バリモア):病気で余命僅かと宣告され、残る人生の想い出にとこのホテルに投宿。長年にわたり勤めてきた会社の社長であるブライシングに恨みを抱いている一方、ここで知り合った男爵と友達付き合いすることに・・・。
・グルシンスカヤ(グレタ・ガルボ):人気バレリーナだったが今は落ち目。劇場の入場者が少ないことに落ち込んでいますが、フォン・ガイゲルンとの出会いにより気分が高揚して・・・。
・フレムヘン(ジョーン・クロフォード):ブライシングに臨時雇いされた速記者。男爵に声を掛けられ、彼に関心を惹かれます。
・フォン・ガイゲルン(ジョン・バリモア):自称“男爵”ですが、高級ホテル専門の泥棒。借金に追われておりこのホテルでの稼ぎで窮地を脱しようとしますが、クリンゲライン、フレムヘン、グルシンスカヤと出会い・・・・。
・プライシング(ウォレス・ビアリー):社長を務めている会社が経営危機、合併交渉に一縷の望みを託しますが、一度モラルを破ると歯止めが効かなくなり、速記者のフレムヘンに欲望を抱き・・・。

最近の映画と比べるといろいろ短絡的と感じるところが多々ありますが、当時の映画において初の試みだと考えれば、巧みに5人の男女を交錯させ、一人一人の今の状況を描き出していると感じます。

ずっと長く、いずれ観ようと思いつつ中々実現できていなかった作品。漸く観終えてホッとしたような気分です。

2020.04.22

 


 

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