“我が道を往く” ★★☆
Going My Way
(1944年アメリカ映画)

監督:レオ・マッケリー
脚本:フランク・バトラー、フランク・キャヴェット
主演:ビング・クロスビー、バアリー・フィッツジェラルド

  

ミュージカル映画等のビング・クロスビーは知っていますが、その代表作は観たことがなかったので、観てみようと思った次第。
第17回アカデミー賞で最優秀作品賞を始め監督賞、主演男優賞、助演男優賞、脚色賞、原案賞、歌曲賞の7部門で受賞した他、ゴールデングローブ賞、ニューヨーク映画批評家協会賞を受賞した作品ということですから、名作であるということは間違いないでしょう。

さてストーリィ。ニューヨークの下町にある古びた教会=セント・ドミニク。老神父フィッツギボンは、その教会を建ててから在任46年という老神父。今や借金の返済督促に追われるという苦境にあります。
そこに若い神父オマリーが転任してくる。考え方の違いから何かと対立する2人ですが、オマリーは不良少年たちで聖歌隊を作る他、教会に新しい風を吹き込み、教会の再建に力を尽くしていく。

終盤教会を襲った不慮の事故に対しても、希望を失わず、老神父をきちんと支えていく。

今の感覚からすると、理想的に進み過ぎ、いろいろな問題に関しても綺麗ごと過ぎると感じるぐらいですが、一方でその穏やかな作風には好感を持ちます。
教会の再建が進むきっかけとなるがオマリー神父と少年たちの歌、というところは、歌の上手いビング・クロスビーならではのところですが、本作品の素晴らしさは老神父フィッツギボンと若い神父オマリーの2人が人間として通じ合っていく展開に在ります。
題名の「我が道を往く」は、オマリーが自分の信条を歌にした曲の題名。
最後、教会再建の道筋がついたところでオマリーは転任命令を受け、皆が集う中一人去って行きますが、その後ろ姿に「我が道を往く」という彼の信念が見て取れるように感じます。

※オマリーと親友の若い神父の2人がフィッツギボン老神父をゴルフに引っ張り出すシーンがありますが、へぇーと興味深いところです。

2012.01.09

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