“TOKYOタクシー” ★★
(2025年日本映画)

監督:山田洋次
脚本:山田洋次、朝原雄三
オリジナル脚本:クリスチャン・カリオン、シリル・ジェリー
出演:倍賞千恵子、木村拓哉、蒼井優、迫田孝也、優香、笹野高史

 

2022年のフランス映画「パリタクシー」を、東京を舞台にリメイクした作品。

個人タクシー運転手の宇佐美浩二(木村拓哉)、中三の娘が音大付属高校への推薦を得て喜んだものの、入学金+授業料が約百万円と聞いて、妻(優香)と共に頭を抱え込むことに。
そんな折、運転手仲間からの頼み引き受けた客は、高野すみれ(倍賞千恵子)という85歳の高齢女性。
柴又帝釈天で乗せたところ、神奈川県葉山にある入居予定の高齢者施設まで行ってほしいとの依頼。
ただし、東京も見納めとなるので、思い出のある場所を巡っていきたい、と。

そこからが長い道中、お互いに名前で呼び合うようになってから、すみれは自分のこれまで、殺人未遂で刑務所に入ったことも含めて語っていきます。
そのすみれに求められるまま、浩二も現在の家庭状況について語ることになります。

すみれと浩二、彼らを演じる倍賞千恵子と木村拓哉の掛け合いが好い。
それはお互いの家族状況、現在と過去の対比、時代の対比ということに通じるのですが、二人の掛け合いがどこかのんびりしていて、お互いにマイペース、そんな微睡むような居心地よさが感じられて素敵です。

山田洋次作品だからか、何となく寅さん、「幸福の黄色いハンカチ」といった作品を連想させるところがあるのですが、倍賞千恵子と木村拓哉という、二人の俳優の良さをうまく引き出しているところが、山田洋次監督の手慣れたところでしょうか。

最後はおまけ、という感じですが、気持ちの温もる作品でした。

2025.11.21

                  

             


  

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