“大河への道 ★☆
(2022年日本映画)

監督:中西健二
原作:立川志の輔
脚本:森下桂子
出演:中井貴一、松山ケンイチ、北川景子、岸井ゆきの、立川志の輔、西村まさ彦、平田満、草刈正雄、橋爪功

  

落語家・立川志の輔師匠による新作落語、その映画化なのだそうです。

千葉県香取市役所に勤める池本保治、観光振興策の検討会議でつい伊能忠敬を主人公にした大河ドラマというアイデアを口にした処、思いも寄らないことにドラマ化実現のためのプロジェクトリーダーに指名されてしまう。
さらに知事指名した脚本家の加藤に交渉した処、その加藤から、伊能忠敬は日本地図を完成していない、何故なら地図完成の3年前に死去しているからだと指摘され、思わず呆然。

その後は、舞台が現代から江戸時代に移行し、市役所員等の役を演じて来た俳優さんが今度は江戸時代の人物を演じるという具合。
その冒頭は、伊能忠敬死去の時から。
何とか伊能忠敬の遺志を継ぎ日本地図を完成させようという伊能隊のメンバーから懇願された天文方の高橋景保、伊能忠敬がまだ生きていることにして日本地図作成事業を継続していくのですが・・・。

期待して観に行ったのですが、う〜ん・・・今ひとつ、という感想。
大河ドラマを作ろうという人たちの物語なのか、日本地図作成という偉業を為した伊能忠敬の物語なのか、忠敬の死後その遺志を継いで日本地図を完成させた名も残らない者たちの物語なのか・・・、その辺りがはっきりせず、振り返ってみるとストーリィが散漫になってしまっている、という印象です。
コミカルな部分も数多くありますが、それはそれとして、折角北川景子さんを出演させているのにこの程度の役では勿体ない、と思うところあり。

なお、伊能忠敬については、井上ひさしさんの大長編作「四千万歩の男」がありますし、そう言われれば大河小説の主人公として取り上げても良いのではないかと思うのですが、今まで取り上げられていないのはやはりヒーロー性という面で不足しているからでしょうか。

2022.05.21

            


  

 to 映画note Top     to 最近の映画 Index