“空に住む ★★
(2020年日本映画)

監督:青山真治
原作:小竹正人
脚本:青山真治、池田千尋
出演:多部未華子、岸井ゆきの、美村里江、岩田剛典、鶴見辰吾

 

多部未華子主演、ということで観た作品。

両親が揃って交通事故で死去、愛猫のハルと共に、叔父夫婦が所有するタワーマンションの39階に主人公が引っ越してきたところから始まるストーリィ。

率直に言ってどういうストーリィなのか。
ドラマらしい展開と思えるのは、人気俳優の時戸森則が同じマンションに住んでいて、ひょんなことから彼と関わりを持つ、というところ。
でも恋人関係というのではなく、通りすがりに出会った一時の関係、という風。

題名の「空に住む」とは、都会の街を高所から見下ろすタワーマンションの部屋での暮らしが、まるで空に住んでいるよう、という主人公の思いのこと。
それだけでなく、主人公自身、傍からフワフワしている、という印象を持たれているらしい。

なんとなく流されるまま生きていた主人公が、幾つかの出来事によって目覚め、自分の意思で一歩を踏み出そうとするまでのストーリィ、と言って良いのでしょう。
それが多部未華子という女優の語り調なのかもしれませんが、フワフワ時期の口調は「君に届け」風、はっきり意思を持ってからの口調は「あやしい彼女」風に聴こえたのが、我ながら面白いと思いました。

作品そのものについては、好感は抱くものの、非現実的と感じるところも多いです。
若い娘が高級かつタワーマンションの高層階に住むというところ、そして小さな出版社勤めという主人公の服装がやたらファッショナブルなところ。
その分、多部未華子のファッションを楽しめたというところもありますが。

多部未華子ファンだから楽しめた、というのが正直な感想です。

2020.10.28

                


   

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