直木賞を受賞した馳星周の連作短編集「少年と犬」の映画化。
原作を読んでいないので確かなことは分かりませんが、原作を元にした映画オリジナルストーリーとなっているように感じます。
死の床にあった亡父からまともに働けと言われたのにもかかわらず、東日本大震災後の町で違法な仕事に手を染めていた青年=中垣和正は、飼い主と離れ離れになったらしいシェパード犬=多聞と出会います。
その犬は何故か、いつも南の方角を見ていた。
しかし、盗賊団の揉め事に巻き込まれてしまった和正の元から、多聞は姿を消してしまう。
良い映画でした。
和正とその家族を描くドラマ、美羽とこじれたその家族のドラマ、そして震災のショックから言葉を失った幼い息子のため熊本へ引っ越した内村家族のドラマ、それぞれが多聞と関わる連作風ストーリーですが、とくに美羽の部分に惹きつけられます。
美羽を演じた西野七瀬さんが好演。
原作が良いと映画も良いなぁ、また、犬の存在は辛い思いを抱えている人の心を救ってくれるなぁ、と感じた作品。
お薦めです。
2025.03.21
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