“室町無頼 ★★☆
(2025年日本映画)

監督:入江 悠
原作:垣根涼介
脚本:入江 悠
出演:大泉洋、長尾謙杜、松本若菜、武田梨奈、柄本明、北村一輝、堤真一

 

垣根涼介「室町無頼」の映画化。残念ながら、原作は未読です。

舞台となるのは室町時代、寛正2年(1461年)の京。大飢饉により庶民が飢えと疫病の流行に苦しむ中、権力者たちは民の苦しみを一顧だにせず、享楽の日々を過ごし、金が足りなければ増税すればいいと放言していた時代。

そしてその飢饉、民の苦しみを描くシーンは、誇張があっても鮮烈。
時代小説にしても時代映画にしても、この時代が描かれることは余りなく、それだけで興味を惹かれます。

そうした時代に、武士として歴史上初めて一揆を起こした実在の人物、蓮田兵衛を描いた作品。
大泉洋さんのイメージからすると、剣豪とキャラクターは似つかわしくないのでは?と懸念される向きもあったようですが、そんなことは全くありません。
人間味に溢れた蓮田兵衛を大泉洋さん、見事に演じ切っています。
大泉洋さんが演じる蓮田兵衛の魅力なのか、それとも、蓮田兵衛を演じる大泉洋さんが魅力なのか。共にすこぶる魅力的といいたい処です。

また、蓮田兵衛(大泉洋さん)の魅力は、並び立つ人物=骨皮道賢(堤真一さん)の存在があってこそ、とも感じます。

単に蓮田兵衛という人物を描くのではなく、その苦難の時代を描いた本作品のスケールの大きさが素晴らしい。

なお、蓮田兵衛に拾われ一流の武芸者へと成長する若者=才蔵を演じた<なにわ男子の>長尾謙杜さんに拍手。アクションシーン、見応えがありました。
一方、武芸に秀でた朝鮮人女性=超熙を演じた武田梨奈さん、どうせならもっとアクションシーンを観たかった処で、ちょっと残念です。

お薦め!

2025.01.20

                  


  

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