“真夜中の弥次さん喜多さん” ★☆
(2005年日本映画)

監督:宮藤官九郎
原作:しりあがり寿
脚本:宮藤官九郎
出演:長瀬智也、中村七之助、小池栄子、阿部サダヲ、中村勘九郎

 

十返舎一九の「東海道中膝栗毛」が下敷きになっている訳ですが、原作からすれば驚天動地のストーリィ。
まず喜多さんは、茶髪のちょんまげで重症の薬物中毒。一方の弥次さんは女房を捨て、喜多さんとホモの恋人同士という人物設定。
その弥次さんが喜多さんの薬物中毒を治そうと、2人でお伊勢参りに旅立つという道中ストーリィ。
マンガ「真夜中の弥次さん喜多さん」とその続編「弥次喜多in DEEP」の映画化だそうですし、宮藤官九郎の監督デビュー作品ということで話題になった作品。

本作品での弥次さんはやたらと仰々しく、喜多さんは厭世気分にどっぷりつかっていて薬物中毒というのですから辟易するのですが、ストーリィはもっと驚くことばかり。現代と江戸時代は入り乱れ、さらに死の世界と現世までが交錯するといった案配。
率直に言って私としては敬遠したい世界なのですけれど、見続けていると弥次さんの喜多さんを治そうという熱意、2人の強い結びつき(愛情?)にいつしか惹き込まれます。
最終的に弥次さん・喜多さんだけの単色なストーリィに終わらなかったのは、最後の方に登場する弥次さんの女房・お初役で登場する小池栄子さんの存在感でしょうか。単色刷りが多色刷りになって終わった気分がします。

※喜多さんを演じる七之助の実父・勘九郎(現・勘三郎)さんも登場するのが楽しい。勘九郎さん、どんな役をやっても勘九郎さん風にはまっているなぁ。

2005.11.15

 
   


  

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