“ロストケア” ★☆
(2023年日本映画)

監督:前田哲
原作:葉真中顕
脚本:龍居由佳里
出演:松山ケンイチ、長澤まさみ、鈴鹿央士、坂井真紀、戸田菜穂、藤田弓子、柄本明

  

親の介護に子世代が苦しんでいるという社会的課題を扱ったサスペンス。

訪問介護センターを受けていた老人宅で、老人本人と、センター長の中年男性が死んで発見されます。
検事の大友秀美(長澤まさみ)は、その訪問介護センターを利用している老人たちの死亡率が極めて高いことに驚愕する。
さらに捜査を進めた結果浮上してきたのは、献身的な介護士として評判の高かった斯波宗典(松山ケンイチ)。
大友の追求に斯波は、介護老人42人の殺害を認めますが、自分は老人たちを殺したんじゃない、老人と介護する家族を救ったんですと主張する。
そんな斯波の言葉に、大友は返す言葉を失う・・・。

長澤まさみを観たかったから観に行った映画で、松山ケンイチの好演が光った映画でした。
ただ内容としては、期待した程ではなかったかな。

老人介護の問題、ヤングケアラーの問題も、今は広く知られていることですし、その意味では驚くような内容ではありません。
介護に苦しんでいる人たちに対し国は十分な手を差し伸べていない、ということもまた事実ですし、同時にそう簡単なことではないのも事実。

私個人としては、将来万が一自分がそうした介護老人になったとしたら、子供に負担は掛けたくないし、どのみちいずれ死ぬころは免れないのですから人間としての尊厳を失ってまで長生きしたいとは思わず、安楽死制度を認めてほしいと考えているのですが、まぁそう簡単に実現しないでしょうね。
なお、上記の発想は、高校時代にしきりと「人間は生まれながらにして死刑囚である」というパスカルの言葉を教えられたことによるものかと思います。

2023.03.24

            


  

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