“風が強く吹いている” ★★
(2009年日本映画)

監督:大森寿美男
原作:三浦しをん
脚本:大森寿美男
出演:小出恵介、林遣都、中村優一、川村陽介、水沢エレナ、津川雅彦

 

三浦しをんさんの原作がとても好きで、そのうえ主演が小出恵介となれば、私としては観たいと思うのは至極当然という作品。

高校時代に天才ランナーと呼ばれながらも事件を起こして陸上から遠ざかっていた蔵原走(かける)。入学した大学で野宿していたところ、そこに声をかけてきた4年生の清瀬灰二(ハイジ)に勧められるまま住み込んだのが、竹青荘というボロアパート。しかも住人は変わり者ばかり。
これで10名が揃ったとハイジが喜んだ途端、皆に宣言されたのは、竹青荘=寛政大学の陸上部、このメンバーで箱根駅伝を目指す、頂点を目指そうというもの。
毎回の食事等ハイジに頭が上がらない程世話になっている面々、ハイジの言うことには従うほかないと、箱根駅伝選手権へ向けた練習が開始されます。

原作では諸々の展開があるのですが、時間制約ある映画では致し方ないこと、ストーリィはとにかく箱根駅伝へ向けた練習を主体に展開していきます。
本作品の良さは、決してスポ根物語になっていないこと。その点、原作の良さをしっかり継いでいます。
10人のメンバーが、ひとつのことを目指す、皆で力を合わせひとつのことをやり遂げようとする、その気持ち良さが本作品の良さです。

レース場面にはもうひとつ物足りなさもありますが、全体を通してよく出来上がっている映画です。
そして、主演の小出恵介が良い。この人の持つ、のびやかな明るさ、私には魅力です。
観終わった時の気分は、爽快さと、原作に比べて物足りなさちょっとあり、というもの。

2009.11.01

 
※原作 → 「
風が強く吹いている

         


  

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