“亀は意外と速く泳ぐ” ★☆
(2005年日本映画)

監督:三木聡
脚本:三木聡
出演:上野樹里、蒼井優、岩松了、ふせえり、要潤、松重豊

 

もうひとつよく判らないストーリィでしたけれど、上野樹里を観る楽しみ、という魅力のある作品。

上野樹里演じる主人公・片倉スズメは、平凡な主婦。夫は海外単身赴任中で、亀にエサを上げるだけという平凡な毎日。
気が付けば、自分は存在感のない人間なのではないかと不安になり、ついスパイ募集の張り紙に応じてしまう。
スパイ募集をしていたのは何となくヘンな夫婦でしたが、彼らはスズメに即5百万円という活動資金を手渡してくれます。しかしその命じられた活動とは、指令がくるまで目立たず、平凡に暮す、ということ。
同じ平凡な毎日でも、今やそれはスパイ活動の一環だという充実感がスズメに生まれます。

平凡な毎日といっても、ちょっと気持ちを切り替えてみれば、違う局面が生まれるかもしれない。そんなメッセージを、遠回りに、わざわざ判りにくいコメディで伝えようとした作品、そんなところでしょうか。

平凡過ぎるくらいに平凡で、ちょっと抜けたところのある主婦、そんな上野樹里の姿、表情を観ているのが楽しい。
しかし、DVD付録の初日舞台挨拶をみると、映画の中とは全く違って、ほっそりとした美人という雰囲気の上野樹里がいました。そう言われないと同一人物とは全く判らない程。どちらが実像なのかと、つい首を傾げてしまいます。
ますます上野樹里を観るのが楽しみになりました。

2006.04.15

       


  

 to 映画note Top     to 最近の映画 Index