“K-20(TWENTY) 怪人二十面相・伝” ★★
(2008年日本映画)

監督:佐藤嗣麻子
原作:北村 想
脚本:佐藤嗣麻子
出演:金城武、松たか子、仲村トオル、國村隼
(くにむらじゅん)、高島礼子

 

江戸川乱歩が生み出した、名探偵・明智小五郎に対する悪漢・怪人二十面相をネタにした和製アクション・エンターテイメント。

舞台は、第二次大戦が起こらなかったという架空の日本。その帝都は、軍隊や官憲が威勢を払う、著しい格差社会。本ストーリィではその貧富の格差が重要な要素になります。
1949年、その帝都では、金持ちから美術品を鮮やかに盗み出す怪人二十面相が世間を騒がしていた。
折りしも名探偵・明智小五郎が羽柴財閥の令嬢=葉子と間もなく華燭の典を挙げる予定。それに先立つ結納の儀式を盗み撮りして欲しいと、雑誌社から大金の報酬を条件に依頼を受けたのが、サーカスの曲芸芸人=遠藤平吉。しかしそれは、怪人二十面相が平吉をして自分の身代りにしようとする罠だった。
平吉は警察に捕らわれ苛酷な尋問を受けることになりますが、サーカスの団員仲間だった源治によって救い出され・・・・・。

和製アクション・エンターテイメントとしては、とても出来の良い作品。やはり原作がしっかりしているからでしょうか。
怪人二十面相と二十面相を追う平吉との闘いだけだったら、平面的なアクションに過ぎなかったでしょう。それを奥深いものにしてくれているのが、
國村隼演じるところの脇役・仕掛け作りの名人=源治と、意外や意外、思わぬ活躍を疲労してみせる、松たか子演じるところの令嬢=葉子。
男くさいアクションの中にあって、松たか子が頑張っているなぁ、という印象です。また、元詐欺師という源治の妻役を演じる高島礼子も好印象。

金城武、國村隼、松たか子と、各々が異なった人間味を作品に投影しているところが、本作品の楽しめたところ。
ストーリィとアクションは、架空社会という前提とスピード感が楽しめる一方でかなり無茶苦茶なところもありましたが、上記3人が良かったので、殆ど気にならず。
正月早々に観た映画としては、充分満足。

2009.01.01

 
   


  

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