シネマ歌舞伎大江戸りびんぐでっど”★★
(2010年日本映画)

<2009年12月歌舞伎座公演>
演出:宮藤官九郎
出演:市川染五郎、中村七之助、中村勘太郎、中村橋之助、坂東三津五郎、中村勘三郎(当時)

 

シネマ歌舞伎を見るのは今回が2度目。生の舞台を観るという楽しみはありませんが、役者の表情等細かい所作をよく観ることができるという点は長所。てっとり早く歌舞伎を観るには便利ですが、2100円と通常料金より高く、シニア等の割引サービスがないのが現実的には厳しいところ。

さてストーリィ。新島の各家で先祖代々伝えられるくさや汁を巡って殺人が起こり、くさや汁を浴びた死人が生き返るという出来事が発生し、その現象が大江戸にまで波及。
未亡人となったお葉を追って新島から江戸に出てきた半端ものの半助が、生き返った死人=ゾンビを使って人材派遣業を始め、大成功を収めます。とはいえ、そのまま順調に行く訳がなく・・・・。

歌舞伎といっても現代ものですから、踊り等も面白く、テンポも良いところはたっぷり楽しめますが、といって感動のようなものはない。
コストが廉く抑えられるゾンビ派遣は大好評、おかげで人間が職にあぶれるという事態が発生するという辺りは現代の派遣問題さながら、社会風刺性の高い作品になっています。
また、何故ゾンビが発生したのか、その謎解きを巡って予想もせぬ逆転劇ありと、趣向がいろいろと凝らされている点で充分な面白さでした。

なお、お葉を演じた中村七之助が予想外の好演。
故勘三郎、故三津五郎が揃って出演していたのも、今となっては懐かしい。

2015.08.29

            


  

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