黒木華さん主演ということで、迷いなく観た作品。
高校時代からの親友=郷田叶海(藤間爽子)を突然事故死により亡くしてしまったことで、悲しさと喪失感を抱えると共に、前に踏みだすことができなくなってしまった女性=秋村梓(黒木華)が主人公。
そのため、ウェディングプランナーでありながら、梓は恋人である澄人との結婚に踏み切れずにいる。
そしてその悲しみを今も引きずっているのは、梓だけでなく、叶海の両親である郷田夫婦(西田尚美、田口トモロヲ)も同じこと。
梓は叶海が死んだことを得心できず、今もまだ、叶海のスマホへメールを送り続けている。
そしてそのメール着信に叶海の母親である郷田が気づき、そのメールを受け取っている。
ストーリーは、梓の側と郷田夫婦の側が並行して描かれて行きます。
そしてそれに加えて、梓の叔母=玉恵がヘルパーとして通う、一人暮らしの老女=小倉こみち(草笛光子)。彼女もまたピアノについて過去の出来事に囚われたままだった。
本作題名の「アイミタガイ」とは、「相見互い」。
梓の父方の祖母である綾子(風吹ジュン)が梓にかける言葉であり、それが主要人物たちの足を前に向けるキーワードになっています。
人と人との繋がりが、人々を助け、救い、前へ進めずにいる背中を押す力となっていく。安らかな感動を覚える作品となっています。
私好みであり、黒木華さんらしいストーリーでもあります。
※なお、エンドロールを見ていたら、主題歌を歌っているのは黒木華さんとなっていました。ファンとしては実に嬉しい。
少々訥々とした印象も受けましたが、味わいある歌声で嬉しかったです。
2024.11.02
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