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三重県伊賀市(旧・上野市)出身、多摩美術大学情報デザイン学科卒。2009年アイドルグループ<でんぱ組.inc>に加入しメンバー。愛称は「ねむきゅん」。同グループでのキャッチフレーズは「永遠の魔法少女未満」。みえの国観光大使。 |
「本の本−夢眠書店、はじめます−」 ★★ |
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本が大好きなアイドル=夢眠ねむさんが「夢眠書店」をいつか開店させるために本について学ぶ、という趣向の本。 WEBサイト「ほんのひきだし」掲載の「夢眠書店開店日記」に書下ろしを加え、加筆・修正してまとめたものとのことです。 正直言って、夢眠ねむさんのことも、電波組.incのことも、全く知りませんでした。 とは言っても、それは本書を楽しむうえで何の差し障りにもなりません。本が好き、ということですぐ共感してしまえるのですから。 さて内容。まずは書店の現場を知らなくてはと夢眠ねむさんが足を運ぶのは、有隣堂や三省堂、紀伊国屋といった大手書店、それに加えて独立系の書店にも。 次いで本を出版・流通させている側への取材として、中央公論新社、日本出版販売、その日販王子流通センターへ。 そして本の編集者たちに話を聞こうと、文芸春秋、偕成社、集英社、オレンジページ、新潮社の各編集部へ。その途中、クラフト・エヴィング商會の吉田篤弘・浩美夫妻にもインタビュー。 最後の新潮社装幀部では、本書そのものの装幀に夢眠ねむさんも参画、といった具合です。 既に知っている部分も多くありますが、改めて若い本好きの人と一緒に本の販売、本の制作に関わっている現場を巡り、当事者の方たちと会話を交わす本書は、本好きにとってはとても楽しい限り。 本書に登場する方たち、文化を売るんだという上から目線ではなく、基本的にはビジネスとして工夫、努力を重ねている、そんな姿勢が感じ取れる処が新鮮でした。 出版界の苦境が聞かれる現在、こうした本を読むと気持ちが明るくなってくる気がします。まだまだ将来はあるんだ、というように。 ※なお、本書中に登場する「だれが「本」を殺すのか」は佐野眞一さんの著書。 はじめに/1.ついたくさん買っちゃう本屋さんの秘密/2.ねむ店長の師匠!? 独立系書店の作り方/3.ブック・コーディネーターという仕事/4.POP王直伝! 見る者を惹きつけるPOP作りの極意/5.一日数万人が訪れる本屋さんの裏側/6.本を売るための宣伝とは?/7.本ってそもそも何だろう?/8.本はここから届く! 本の流通センターに潜入/9.小説の編集者ってどんな仕事?/10.大好きな絵本ができるまで/11.漫画制作の裏側に潜入!/12.30年以上愛される雑誌作りの現場/13.作家・装幀家ユニット「クラフト・エヴィング商會」の仕事/14.校閲者のお仕事とは?/15.ねむちゃん、本の装幀に挑戦!/おわりに |