社内ベンチャーによるスープ専門店の起業。自ら発案して見事に成功した遠山氏自身による著書。
実は Soup Stock Tokyo のこと、まるで知りませんでした。
改めて時代に取り残されていると、慌ててるところです。
ファーストフードには珍しい、洋食系で初の日本誕生ということです。
さぞかし華麗な成功物語かと思いきや、内容は予想とは異なるものでした。
試しの一号店に成功し利益を積み上げたものの、その後の出店では苦闘続き、赤字で利益をどんどん食い潰した経緯があったといいます。その点は、正直言って驚き。
他方、やはり叩き上げの創業者と違う、大手商社マンによるベンチャーらしいなぁと感じて興味深かったのは、斬新な会社像・社員像を目指した点。
抽象的な理想を追いかけたことが逆に躓きの原因のひとつとなったようですが、その挫折にめげずに盛り返し、初心を捨てないところが素晴らしい。
新入社員に向けた「社内ファミリー制度」は、単にユニークというだけでなく人と人との結びつきを重視した一例として好感が持てます。
しかし、いつの間にか遠山さんがカリスマ創業者に祭り上げられていたらしく、「遠山さんはきっと嫌いなはずだ」「いや、遠山さんは以前こうも言っていたじゃないか」という議論がまかり通っていたという。決して他山の石ではなく、いい勉強をさせられた思いです。
私は基本的にパン好きなので、パン+スープというメニューには惹かれます。是非、機会をみつけて食べに行ってみたい。
34店という店舗数は、何処にでもあるという訳にはいきませんが、ありきたりではないという期待感を一方で抱きます。
成功することを決めた/Soup
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