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●「平成海防論−国難は海からやってくる−」● ★★ |
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2014年01月
2010/01/29
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本書の意味を一言で表わすならば、海に囲まれた島国として海の恵みに依存しながら、その海に、またその海を通じた他国による権益侵害に対して無関心な日本国家に対する、警鐘の書、と言えるでしょう。 今や海を通じて、この日本という国の権益がどれだけ他国から侵害されつつあるか。その事実を、様々な実例、しかも近年ニュースを賑わした事件を元に具体的に語った一冊。 かつて戦争とは、領土争いに他なりませんでした。しかし、平成時代の今や、戦争とは権益争い。それも領土のはっきりしない海洋における経済権益争いといって他なりません。 本書を読めばおそらく、その脅威、それに対する日本政府の姿勢の心許なさを、誰しも感じるのではないでしょうか。 プロローグ−日本を映し出す"鏡"としての海/"友愛の海"という幻想/エネルギー争奪戦がもたらした自衛隊与那国島駐屯/調査捕鯨船vs.環境テロリスト、南氷洋の闘い/「海賊問題」の本当の脅威とは何か?/北朝鮮不審船との白熱の攻防/空母でアジアの海の覇権を狙う中国の野望/エピローグ |