諏訪貴子著作のページ


1971年東京都大田区生、成蹊大学工学部卒。自動車部品メーカーのユニシアジェックス(現・日立オートモティブシステムズ)勤務を経て、父親が経営するダイヤ精機に入社するが2度リストラ。2004年父親の急逝に伴いダイヤ精機社長に就任、10年で同社を全国から視察者が来るほどの優良企業に再生。経済産業省産業構造審議会委員、政府税制調査会特別委員、“ウーマン・オブ・ザイヤー2013”大賞受賞。

 


   

「町工場の娘−主婦から社長になった2代目の10年戦争− ★★


町工場の娘

2014年11月
日経BP社刊
(1600円+税)

 


2015/06/28

 


amazon.co.jp

大田区で精密加工の町工場(ダイヤ精機)を経営していた父親が急逝、幼くして病死した兄の代わりにと工学部系女子として育てられたものの父親から2度もリストラ解雇、ごく普通の主婦だった著者が一転社長の座を引き継ぐことになってからの10年にわたる奮戦の軌跡を綴った書。

今でこそ女性経営者(役員)を増やすことに名だたる大手企業が熱中している観がありますが、町工場で女性社長、それも32歳の若さでとなると、周囲の目はかなりキツかったようです。
しかし、諏訪さんが導入した手法は皆頷けることばかり。私が管理職になった時に部下を指導するうえで心掛けたことと通じることが多くあります。
でもそれを会社そして従業員の生活に責任を負う経営者の立場で、それもずっと年上でベテランの社員たち相手に導入するのには相当の勇気と苦労があったことと思います。ただその一方、結果に対する手応えも相当に在ったのでしょう、だからさらに前に進むことが出来たとも感じます。

いずれにせよ、町工場経営者の、会社を再生させた軌跡の書として、ビジネス小説のような読み応えと面白さが有ります。
そして、多くの町工場や中小企業が将来に亘って事業継続していくうえで大いに参考になる知恵が詰まっていると思います。
偶然知り、興味を引かれて読むに至ったのですが、まさに読む価値ある一冊。


1.突然渡されたバトン/2.手探りの会社再生(1.生き残りのための「3年の改革」/2.体当たりの「人材育成」/3.明日のための「フロンティア開拓」)/3.私の仕事論

         


     

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